失礼ながら殿下……私の目の前に姿を現すな!!

星野日菜

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その一

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目を覚ますと……そこは……?
剣と魔法の異世界? 妖精の舞う別世界?

……まさか。そんなこと起こるわけが……




――――――――――☆――――――――――





パシャンッ

水音に目をそっと開ければ、頬をそっと撫でていくそよ風。



……ん? 水音? そよ風? っていうかすっごい草の匂いがするんだけど……?



体を起こそうにも動けず、脳みそのみをフル回転。



まてまてまて。何があった。

私はまず……そうだ。お弁当を食べてたんだ。そしたらボールが頭に当たって。

……なんで当たったんだ? ……そっか窓ガラスが割れて……窓ガラス脆いな……。

……って違う違う。

『私は誰か?』うむ、まずそこからだよね。

私は橘……とも……?

……橘 友美……!

橘 友美。それが私の名前だ。

よかった、友達に馬鹿にされるとこだったよ。

思い出せて本当に……。本当に…………?  ん、あれ、友達は? 私、教室にいたよね?

東京都の某高校に通うぴっちぴちの十六歳だったんだから。

……ならば、ここは一体どこ?



ようやく体を動かせるようになったため、そっと体を起こす。

……森?

しかし辺りを見回せど木、木、木、木。

例えるならば、そう、魔女がいる森、のような。

ガラスの破片など落ちていないし、室内でさえない。



湖があるのを発見し、私は近寄ってみた。

もしかしたら今私がどのような状況にあるのかがわかるかもしれないと思ったためだ。

夢というセンもあり得るが、夢の中で目を覚ます、というのもおかしな話。

だから、と湖を覗き込む。

そして……



「なんじゃこりゃぁぁああああ!!」

絶叫。


覗き込んだその湖面には

……腰まで伸びる緑の黒髪、太陽の光を反射してキラキラと輝く瞳を持った……美少女が映っていたのだ。



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