失礼ながら殿下……私の目の前に姿を現すな!!

星野日菜

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その四

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転生。転生なんて、どう考えても二次元の産物だろう。

「アメリア?」

そもそも転生しちゃったとしたらよ? 前世……認めたくないけど前世の私、橘 友美は当然のごとくお亡くなりになってるわけで……

「アメリア? どうしたんです?」

死因がボールに当たってー、とかダサいにもほどがある。『転生しちゃったんですが?』の主人公だって事故死なのに。

いやその前に死にたくない死んでたくない。

友達にも会えないなんて。前世で所属してた弓道部にももう行けないなんて。マクドナルドのあのチープな味をもう感じられないなんて……

しかもである。『転生しちゃったんですが?』に転生とかお断りすぎる。

だって『転生しちゃったんですが?』にはこの王子様が出てくるんだから。

「アメリア。やはり具合が……」

「……え、なに?」

「悪くないようですね。よかった、ただ無視していただけですか」

「は……?」

「無言返しですか。新しい。押してダメなら引いてみろ、と」

「何の話!?」

やっぱりこの王子様苦手だ。漫画の中でも苦手だったけど現実に言われるとなると余計に引く。

本当にキモチワルイのだ。

おーい誰か、私と視界共有できる人はいませんか。もしくは脳外科。……いるはずないですね。

脳内で一人芝居。少々現実逃避気味に。

「そんな冷たい貴女も素晴らしい!」

……前言撤回。苦手ではない、嫌いだ。変態王子とか最悪だろう。その身分と権力が泣く。

「さあ、グイグイ来てください。わかってます。押して引いて押す。ですよね」

目をキラキラと輝かせる王子、ことバルド。

怖い怖いなんなんだこの変態。なんの話をしているんだこの変態。

私は恐怖で体が冷えるのを感じる。

「その冷たいところも最高ですので冷たく引き離していただいても結構です。それはそれでイイというか……」

もう一度言おう。

怖い怖いなんなんだこの変態。



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