失礼ながら殿下……私の目の前に姿を現すな!!

星野日菜

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その十八

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ふと目を覚ましたのはまだ暗い頃。

あくびをかみ殺して部屋を見回し、そういえば自分の家じゃなかったと気づく。

二度寝……いや、

『零時には帰る』

バルドに言った言葉がよみがえった。

帰らなきゃいけないわけじゃない。でもおかしな意地が帰ってしまおうという気分にさせる。

ベッドから下りれば自分の服装を見てしまったと思う。



ドレスのままで寝ちゃった……



髪も整えられていたモノがグチャグチャ。

ドレスもシワシワ。

その場しのぎにしかならないが一度髪を解き、手ぐしでとかす。ドレスは手で目立つ皺をのばした。

……と。



カリカリカリカリ



何か尖った物が削れるような音。

なんだろう……?

右隣の部屋から聞こえているようだ。

音を立てぬよう部屋を出、隣の部屋の扉を数センチほど開けた。

――――バルド……?

その先にいたのはバルド。

何かを書いているように見える。

何……やってるんだろ?



……あ、マズい。

何をしているのかはっきりと見えないが、何をしているのかはわかってしまった。

なぜなら漫画の中でこの描写があったから。



あれは…大量の書類……

バルドは『アメリア』の元に毎日通っていたが、その分昼にできない仕事を夜にまとめてやっているのだ。



たまらず私は扉を閉め、駆け出した。

向かう先は……厨房だ。






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