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おまけ ~もう一つの転生……? 参 sideアメリア~
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ガラリと扉を黒髪が開けば、ツンと鼻をつく香り。
家の医務室と同じだった。
ここが『保健室』なのだろうか? それともここで待て、ということか。
「すみませーん。急患です」
「ちょっと待ってね」
茶髪の声にこたえ、出てきたのは白衣の女性。三十代前半に見える。
「どうしたの?」
慈愛に満ちた笑みを浮かべて私たちに問うた。
「記憶喪失です」
茶髪の言葉に笑顔のまま固まる女性。
黒髪が慌てて茶髪の口をふさいだ。
「ボールがぶつかって、記憶が飛んじゃったらしいです!」
「大変ね。頭に当たったの?」
「はい。……たぶん」
「そう。ちょっと見せてくれるかしら?」
頭を黒髪に引っ張られ、ズキンと痛む。
木から落ちた時に打ったのだろうか?
いや、その前に『ボール』とは? 木から落ちたのだろう、私。
「たんこぶになってるわね。……でもそこまで酷いモノではないわよ?」
「でもさっきからおかしいんです! 私たちを『誰?』とか言ったり、『人さらい?』って聞いたり……」
「そう……今日は早退する?」
「「付き添います!」」
見事にハモる二人。
ところで『早退』とは何なのか?
問われても意味不明である。他国の言葉? なまり?
しかし、と違和感。問うたところで私に決定権などないのでは?
敵意の皆無な彼女らが不思議でたまらない。
まるで昔から私を知っていたような態度。
これは罠? それとも一体……
考えこむ私の腕を黒髪がグイッと引いて、
「私たち帰りますんで担任に伝えておいてください。あ、2-Bです」
一言。
引きずられるようにして炎天下のもとへ。
「なにするのよ!」
「え……」
キッとにらみつける。
「私を誰だと思っているの! アメリア・マルトスよ! 公爵令嬢アメリア・マルト……」
そこまで言ったとき、謎の乗り物がチリリンリンと音をたてて横切った。
「あなた私の前をそんな乗り物で横切って良いと思っているの!?」
すかさず文句。完全なる八つ当たりではあるが。
「……え」
キキッとその乗り物をとめた男。
振り返った彼は……
……昔から夢見ていた王子様にそっくりだった。
フワッとした茶色の髪。光を受けて透き通る目。
「す、すみません」
申し訳なさそうに頭を下げるが、もうそんなことどうでも良い。
惚けている私を心配したのか『大丈夫ですか』と問うてくる男。
「え、ええ。あれくらいでどうにかなりはしませんわ」
「よかった」
優しく微笑む彼に、ノックアウトしたのは言うまでもないことか。
男が去った後、
「王子様を見つけましたわ!」
「王子様!?」
「よかったねぇ、友美」
「今すぐ病院に連れていきたい。重症だぞこれ」
「頑張れ友美~!」
「アメリア・マルトスの名にかけて必ずやあの男を籠絡させてみせますわ!」
などという会話が繰り広げられるのであった。
――――――――――――――――――――
作者からのコメント。読まなくても支障はない自己満足コメントです。
ここまで読んだ方は、『これ転生じゃないじゃん』と思われたかと。すみません。
転生にするつもりだったのですが、『じゃあ友美が代わってしまった後のアメリアはどうなるのだろう』と想像した結果このようになりました。一種の入れ替わりです。
あと場所設定としては高校なのですが、私は高校へ行ったことがないので本やテレビの知識です。そのためおかしなところがあれば、感想に書き込んで頂けるとありがたいです。
今後も時々作者のコメントが入りますが、お許しください。それでは。
家の医務室と同じだった。
ここが『保健室』なのだろうか? それともここで待て、ということか。
「すみませーん。急患です」
「ちょっと待ってね」
茶髪の声にこたえ、出てきたのは白衣の女性。三十代前半に見える。
「どうしたの?」
慈愛に満ちた笑みを浮かべて私たちに問うた。
「記憶喪失です」
茶髪の言葉に笑顔のまま固まる女性。
黒髪が慌てて茶髪の口をふさいだ。
「ボールがぶつかって、記憶が飛んじゃったらしいです!」
「大変ね。頭に当たったの?」
「はい。……たぶん」
「そう。ちょっと見せてくれるかしら?」
頭を黒髪に引っ張られ、ズキンと痛む。
木から落ちた時に打ったのだろうか?
いや、その前に『ボール』とは? 木から落ちたのだろう、私。
「たんこぶになってるわね。……でもそこまで酷いモノではないわよ?」
「でもさっきからおかしいんです! 私たちを『誰?』とか言ったり、『人さらい?』って聞いたり……」
「そう……今日は早退する?」
「「付き添います!」」
見事にハモる二人。
ところで『早退』とは何なのか?
問われても意味不明である。他国の言葉? なまり?
しかし、と違和感。問うたところで私に決定権などないのでは?
敵意の皆無な彼女らが不思議でたまらない。
まるで昔から私を知っていたような態度。
これは罠? それとも一体……
考えこむ私の腕を黒髪がグイッと引いて、
「私たち帰りますんで担任に伝えておいてください。あ、2-Bです」
一言。
引きずられるようにして炎天下のもとへ。
「なにするのよ!」
「え……」
キッとにらみつける。
「私を誰だと思っているの! アメリア・マルトスよ! 公爵令嬢アメリア・マルト……」
そこまで言ったとき、謎の乗り物がチリリンリンと音をたてて横切った。
「あなた私の前をそんな乗り物で横切って良いと思っているの!?」
すかさず文句。完全なる八つ当たりではあるが。
「……え」
キキッとその乗り物をとめた男。
振り返った彼は……
……昔から夢見ていた王子様にそっくりだった。
フワッとした茶色の髪。光を受けて透き通る目。
「す、すみません」
申し訳なさそうに頭を下げるが、もうそんなことどうでも良い。
惚けている私を心配したのか『大丈夫ですか』と問うてくる男。
「え、ええ。あれくらいでどうにかなりはしませんわ」
「よかった」
優しく微笑む彼に、ノックアウトしたのは言うまでもないことか。
男が去った後、
「王子様を見つけましたわ!」
「王子様!?」
「よかったねぇ、友美」
「今すぐ病院に連れていきたい。重症だぞこれ」
「頑張れ友美~!」
「アメリア・マルトスの名にかけて必ずやあの男を籠絡させてみせますわ!」
などという会話が繰り広げられるのであった。
――――――――――――――――――――
作者からのコメント。読まなくても支障はない自己満足コメントです。
ここまで読んだ方は、『これ転生じゃないじゃん』と思われたかと。すみません。
転生にするつもりだったのですが、『じゃあ友美が代わってしまった後のアメリアはどうなるのだろう』と想像した結果このようになりました。一種の入れ替わりです。
あと場所設定としては高校なのですが、私は高校へ行ったことがないので本やテレビの知識です。そのためおかしなところがあれば、感想に書き込んで頂けるとありがたいです。
今後も時々作者のコメントが入りますが、お許しください。それでは。
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