失礼ながら殿下……私の目の前に姿を現すな!!

星野日菜

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おまけ ~ねえ、アイレーン……バルドの様子がおかしいんだけど 壱~

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「……ねえ、アイレーン」

バルドがウチに居座っているために、すっかり私の侍女のようになっているアイレーン。

私はつぶやくように問うた。

「はい。如何なさいましたか?」

「いや……うん。あのね……」

声をかけてしまったはいいが、なんと言えば良いかがわからない。というか気恥ずかしく口ごもる。

「いや……うん。いや……その……」

自分が言われていたならば、ふざけるな、とキレそうなほど思い切りが悪いが、アイレーンは静かに私の言葉を待っていてくれる。

「あの……」

アイレーンの態度に腹を決め、話を切り出した。

「バルドの様子がおかしいんだけど……」

教えてくれない? と首をかしげる。

「……も、申し訳ございません。『黒髪の天使』であるアメリア様のお言葉とはいえ、従うことはできません」

「『黒髪の天使』……まだ残ってたの? それ……!?
……って違う。私に言えないことって何なの?」

「そ、それは……バ……いえ……御前、失礼いたします……」

「ええっ!?」

時代劇のような台詞を残し、部屋を出て行くアイレーン。

一体何を隠しているのだろう。

しかも"バルド"が隠し事なんて珍しい。ここまで口が堅いのも……

自分が蚊帳の外にいるようで悔しかった。

私には言えないことなのか……

同時に落胆する。

いつの間にかバルドが自分の思い通りに動く、などと考えてしまっていた自分に対する落胆。


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