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第五話 怪獣 太平洋沿岸諸国を蹂躙す
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日本が巨大生物に襲われたというニュースは、驚きを以て世界に報じられた。
「HA HA HA!ナイスジョーク!ジャイアント・モンスターがジャパンを襲っただって?今日はエイプリルフールじゃないぜ!アメージング・ストーリーズの方がもっとマシな話があるよ!」
当初、そのニュースを信じる者は誰も居なかった。大使館を通してもたらされた情報ですら、各国政府に信じてもらえなかった程である。
だが、すぐに世界は真実を思い知る事となる。
■日本が巨大生物を撃退して二日後 蘭印
まず襲われたのは蘭印だった。
現れた巨大生物の群れは日本を襲ったものと同規模の12体だった。最大戦力が軽巡に過ぎないオランダ艦隊には荷が重すぎる相手である。それでも指揮官のカレル・ドールマン少将は「我攻撃す、我に続け!」 (Ik val aan, volg mij!) の言葉とともに巨大生物の群れへと突撃した。
そして勇戦の甲斐なくオランダ艦隊は全滅してしまった。当然ながら巨大生物側に一切被害はない。
その後、巨大生物の群れは蘭印の沿岸部を蹂躙し、その姿を消した。
■蘭印壊滅の二日後 フィリピン
次に現れたのはフィリピンだった。襲ってきたのは12体。蘭印に現れたものと同じ群れと思われた。
さすがにこの時点になると、米軍も巨大生物が日本のデマでもジョークでもないと理解していた。さらに日本、蘭印と立て続けに襲った巨大生物の群れが、フィリピンにも現れる公算が強いと判断し迎撃準備も整えていた。だが残念ながらフィリピンには巨大生物を打倒できる戦艦が居なかった。
そこで米国は英国へ協力を要請した。英国はちょうどプリンス・オブ・ウェールズとレパルスを極東に回航してきたばかりだったので、その共同作戦を要請したのである。
英国は了承し、トーマス・フィリップス中将指揮の英米連合艦隊で巨大生物を迎え撃った。
2隻の戦艦の活躍により英米艦隊は中型以下の個体は全て討伐できた。しかし大型個体だけは排除できなかった。
プリンス・オブ・ウェールズの14インチ砲、レパルスの15インチ砲は日本の14インチ砲よりは強力であるが、それでも大型個体の表皮を貫く事ができなかったのである。
英米連合艦隊は最後まで勇敢に戦ったが力及ばず、英戦艦2隻はフィリップス中将ととも撃沈されてしまった。
その後、残った大型個体はフィリピン沿岸を荒しまわった後、姿を消した。
■フィリピン襲撃の三日後 豪州
次に襲われたのは豪州北部であった。それはフィリピンで撃ち漏らした大型個体だった。
迎え撃つものが誰もいない地を、その巨大生物は思うままに破壊し尽くし、どこかに姿を消してしまった。
■豪州北部襲撃の二週間後 ハワイ
それからしばらくは巨大生物が姿を現すことはなかった。だが月が替わり皆が脅威はもう去ったと思いはじめた頃、再び12月8日に巨大生物の群れがハワイに姿を現したのである。その数はやはり12体。これまでと同様に危険な大型個体も1体含まれていた。
それ程の数の巨大生物の接近を米軍は直前まで察知できなかった。
ハワイ周辺は水深も深く鯨も生息する海域のため巨大生物の発見が難しいという悪条件はあった。だが毎日哨戒していたにも関わらず、米軍が巨大生物の接近を知ったのは、それらが間近に迫り海面上に姿を現した時だった。
日本との戦争危機が一旦後退し、さらにはるか遠いハワイまで巨大生物が来ることは無いだろうという思い込みから士気が弛んでいた事も否めない。
オアフ島要塞砲が小型個体をある程度排除する事に成功したが、在泊する戦艦群が慌てて出撃準備を整える前に巨大生物の湾内侵入を許してしまう。そして最悪な事に、最初に湾外へ出ようとしていた戦艦アリゾナが攻撃を受け水路上で着底してしまった。
この結果、米艦隊は湾内に閉じ込められ、誠に不本意ながら巨大生物との戦いは狭い湾内で足を止めた撃ち合い、殴り合いとなってしまった。
幸い要塞砲の存在と、コロラド級をはじめとした16インチ砲戦艦が在泊していた事により、大型個体まで全ての巨大生物を仕留めきる事はできたが、相打ちとなる形で多数の戦艦が湾内で大破着底する事となる。
■ハワイ襲撃の二週間後 米国西海岸
更に悲劇は続く。
次は米国西海岸に巨大生物の群れが現れた。その数はこれまでで最大規模の2群24体に上った。だがさすがに今度は米軍も気を抜いてはいなかった。海岸から200キロ以上離れた地点で巨大生物の接近を検知した米軍は、新型戦艦を中心に十分な迎撃態勢を整えて群れを迎え撃ったのである。
米軍は最終的にすべての巨大生物の討伐に成功したが、それでも数隻の標準戦艦は失われ、上陸を許した沿岸都市にも甚大な被害が出た。だがそれでも16インチ砲を搭載した戦艦の有用性が、ここでも再確認される結果となった。
事ここに至り、太平洋沿岸に関与する列強諸国には、巨大生物の脅威に対する新たな対策と、何らかの国際協力が必要であるとの共通認識が生まれる事となる。
【後書き】
まだ大和は出てきません……もう少しお待ちください。
次話は怪獣事件後の国内の動きをお送りします。
作者のモチベーションアップになりますので、よろしければ感想や評価をお願いいたします。
「HA HA HA!ナイスジョーク!ジャイアント・モンスターがジャパンを襲っただって?今日はエイプリルフールじゃないぜ!アメージング・ストーリーズの方がもっとマシな話があるよ!」
当初、そのニュースを信じる者は誰も居なかった。大使館を通してもたらされた情報ですら、各国政府に信じてもらえなかった程である。
だが、すぐに世界は真実を思い知る事となる。
■日本が巨大生物を撃退して二日後 蘭印
まず襲われたのは蘭印だった。
現れた巨大生物の群れは日本を襲ったものと同規模の12体だった。最大戦力が軽巡に過ぎないオランダ艦隊には荷が重すぎる相手である。それでも指揮官のカレル・ドールマン少将は「我攻撃す、我に続け!」 (Ik val aan, volg mij!) の言葉とともに巨大生物の群れへと突撃した。
そして勇戦の甲斐なくオランダ艦隊は全滅してしまった。当然ながら巨大生物側に一切被害はない。
その後、巨大生物の群れは蘭印の沿岸部を蹂躙し、その姿を消した。
■蘭印壊滅の二日後 フィリピン
次に現れたのはフィリピンだった。襲ってきたのは12体。蘭印に現れたものと同じ群れと思われた。
さすがにこの時点になると、米軍も巨大生物が日本のデマでもジョークでもないと理解していた。さらに日本、蘭印と立て続けに襲った巨大生物の群れが、フィリピンにも現れる公算が強いと判断し迎撃準備も整えていた。だが残念ながらフィリピンには巨大生物を打倒できる戦艦が居なかった。
そこで米国は英国へ協力を要請した。英国はちょうどプリンス・オブ・ウェールズとレパルスを極東に回航してきたばかりだったので、その共同作戦を要請したのである。
英国は了承し、トーマス・フィリップス中将指揮の英米連合艦隊で巨大生物を迎え撃った。
2隻の戦艦の活躍により英米艦隊は中型以下の個体は全て討伐できた。しかし大型個体だけは排除できなかった。
プリンス・オブ・ウェールズの14インチ砲、レパルスの15インチ砲は日本の14インチ砲よりは強力であるが、それでも大型個体の表皮を貫く事ができなかったのである。
英米連合艦隊は最後まで勇敢に戦ったが力及ばず、英戦艦2隻はフィリップス中将ととも撃沈されてしまった。
その後、残った大型個体はフィリピン沿岸を荒しまわった後、姿を消した。
■フィリピン襲撃の三日後 豪州
次に襲われたのは豪州北部であった。それはフィリピンで撃ち漏らした大型個体だった。
迎え撃つものが誰もいない地を、その巨大生物は思うままに破壊し尽くし、どこかに姿を消してしまった。
■豪州北部襲撃の二週間後 ハワイ
それからしばらくは巨大生物が姿を現すことはなかった。だが月が替わり皆が脅威はもう去ったと思いはじめた頃、再び12月8日に巨大生物の群れがハワイに姿を現したのである。その数はやはり12体。これまでと同様に危険な大型個体も1体含まれていた。
それ程の数の巨大生物の接近を米軍は直前まで察知できなかった。
ハワイ周辺は水深も深く鯨も生息する海域のため巨大生物の発見が難しいという悪条件はあった。だが毎日哨戒していたにも関わらず、米軍が巨大生物の接近を知ったのは、それらが間近に迫り海面上に姿を現した時だった。
日本との戦争危機が一旦後退し、さらにはるか遠いハワイまで巨大生物が来ることは無いだろうという思い込みから士気が弛んでいた事も否めない。
オアフ島要塞砲が小型個体をある程度排除する事に成功したが、在泊する戦艦群が慌てて出撃準備を整える前に巨大生物の湾内侵入を許してしまう。そして最悪な事に、最初に湾外へ出ようとしていた戦艦アリゾナが攻撃を受け水路上で着底してしまった。
この結果、米艦隊は湾内に閉じ込められ、誠に不本意ながら巨大生物との戦いは狭い湾内で足を止めた撃ち合い、殴り合いとなってしまった。
幸い要塞砲の存在と、コロラド級をはじめとした16インチ砲戦艦が在泊していた事により、大型個体まで全ての巨大生物を仕留めきる事はできたが、相打ちとなる形で多数の戦艦が湾内で大破着底する事となる。
■ハワイ襲撃の二週間後 米国西海岸
更に悲劇は続く。
次は米国西海岸に巨大生物の群れが現れた。その数はこれまでで最大規模の2群24体に上った。だがさすがに今度は米軍も気を抜いてはいなかった。海岸から200キロ以上離れた地点で巨大生物の接近を検知した米軍は、新型戦艦を中心に十分な迎撃態勢を整えて群れを迎え撃ったのである。
米軍は最終的にすべての巨大生物の討伐に成功したが、それでも数隻の標準戦艦は失われ、上陸を許した沿岸都市にも甚大な被害が出た。だがそれでも16インチ砲を搭載した戦艦の有用性が、ここでも再確認される結果となった。
事ここに至り、太平洋沿岸に関与する列強諸国には、巨大生物の脅威に対する新たな対策と、何らかの国際協力が必要であるとの共通認識が生まれる事となる。
【後書き】
まだ大和は出てきません……もう少しお待ちください。
次話は怪獣事件後の国内の動きをお送りします。
作者のモチベーションアップになりますので、よろしければ感想や評価をお願いいたします。
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