異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~

兎森りんこ

文字の大きさ
13 / 107

海が見えた※アユム視点

しおりを挟む
 今回の温泉旅行の目的地は、海だ。
 馬を少し休憩させて、また馬車は行く。
 そして……、

「海だーっ!」

 青空に、光り輝く海。
 清々しい海風。
 あぁカモメかなぁ?
 鳥の声が聞こえる。

 雲は、もう夏の雲になってきてる……!

「あ~海の香りだー! 俺、海なんて何年ぶりだろうってくらい久しぶりです!」

「そうなんだね、僕も久しぶりだよ」

 まだ海水浴には早いかな。
 まぁ海水浴なんか行かない陰キャだったけど……。

 あっ俺! デコボコ道からずっとエイシオさんにくっついてた!

「す、すみませんっ」

「ん? 大丈夫だよ」

 あああ~いっつも、エイシオさんの優しさに甘えてしまってる!

 俺の馬鹿!

 でも、なんだか安心してしまって自然にくっついてしまってた。

「また揺れては困るし、このままでいいんだよ」

 見た感じ観光地だからか道はとても整備されている……けど

「はい……」

 俺は、そのままエイシオさんに寄り添う事にしたんだ。

 綺麗な景色。幸せな穏やかな時間。

 でも、たまに怖くなる――もしも元の世界に、また戻ってしまったらどうしようって。

 いや、今は幸せな旅行の時間。
 考えるのはやめよう。

「今日の夕飯は、宿屋名物の刺し身にステーキに旬の野菜の天ぷら……楽しみだね」

「す、すごい豪華!」

 異世界でこんなにグルメを堪能してバチが当たりそうなくらいだ。

「久しぶりの旅行だ。沢山食べて飲もう。アユムの元いた国と似た雰囲気の宿にしたからね」

 この世界にも元いた世界のように様々な文化があるようなんだけど、
 日本に似た文化もあって今回の宿はそこを選んでくれたんだ。

「ありがとうございます」

「いや、僕が楽しみたかっただけなんだ。一緒に来てくれてありがとう」

「俺もすっごく! 楽しいです!」

「良かったよアユム」

 エイシオさんはすごく嬉しそうに笑う。

 宿屋が近づくにつれて、行き交う人も多くなってきた。

 俺はさすがに有名人で人気者のエイシオさんにくっついてたら迷惑をかける気がして水筒を取るふりをして離れた。

 手を振ってくる綺麗な女の人も沢山いるんだよね。

 ん……俺、今までは綺麗な女の人を見たら『お近づきになりたい』って憧れるような気持ちが生まれてたはずなのに、エイシオさんが気になってしまう。

 女の人じゃなくてエイシオさんがどんな反応するのか気になってしまう。

 それでエイシオさんが苦笑いしながら会釈しているのを見ると……
 ホッとしてる……俺。

 喜んでないって迷惑そうだって……ホッとしてる……?

「好き……かい?」

「えっ!?」

 突然のエイシオさんの言葉に飛び上がりそうになった。

「え? アユムは温泉まんじゅうは好きかい……?」

「あ! あっ! はい! すごく」

「温泉に入る前に食べた方がいいらしいね」

 エイシオさんの豆知識を聞きながら、俺は勘違いしたセリフをあんまり考えないようにした。

『(僕が)好き……かい?』

 って……言われたのかと……。

 だって、それは命の恩人だし、尊敬してるし……そりゃ好きに決まってるさ!

 そうだ、そうだ。
 尊敬してる人だもん。
 おかしくない、おかしくない。

「もうすぐ着きやす」

 御者さんに言われて、俺は大きな綺麗な宿だ~! って思ったらそこは通り過ぎて、更に更にめちゃくちゃ高級そうな宿に到着した。

しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

異世界で王子様な先輩に溺愛されちゃってます

野良猫のらん
BL
手違いで異世界に召喚されてしまったマコトは、元の世界に戻ることもできず異世界で就職した。 得た職は冒険者ギルドの職員だった。 金髪翠眼でチャラい先輩フェリックスに苦手意識を抱くが、元の世界でマコトを散々に扱ったブラック企業の上司とは違い、彼は優しく接してくれた。 マコトはフェリックスを先輩と呼び慕うようになり、お昼を食べるにも何をするにも一緒に行動するようになった。 夜はオススメの飲食店を紹介してもらって一緒に食べにいき、お祭りにも一緒にいき、秋になったらハイキングを……ってあれ、これデートじゃない!? しかもしかも先輩は、実は王子様で……。 以前投稿した『冒険者ギルドで働いてたら親切な先輩に恋しちゃいました』の長編バージョンです。

【本編完結】最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!

天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。 なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____ 過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定 要所要所シリアスが入ります。

神様の手違いで死んだ俺、チート能力を授かり異世界転生してスローライフを送りたかったのに想像の斜め上をいく展開になりました。

篠崎笙
BL
保育園の調理師だった凛太郎は、ある日事故死する。しかしそれは神界のアクシデントだった。神様がお詫びに好きな加護を与えた上で異世界に転生させてくれるというので、定年後にやってみたいと憧れていたスローライフを送ることを願ったが……。  2026/01/09 加筆修正終了

前世が飼い猫だったので、今世もちゃんと飼って下さい

夜鳥すぱり
BL
黒猫のニャリスは、騎士のラクロア(20)の家の飼い猫。とってもとっても、飼い主のラクロアのことが大好きで、いつも一緒に過ごしていました。ある寒い日、メイドが何か怪しげな液体をラクロアが飲むワインへ入れています。ニャリスは、ラクロアに飲まないように訴えるが…… ◆いつもハート、エール、しおりをありがとうございます。冒頭暗いのに耐えて読んでくれてありがとうございました。いつもながら感謝です。 ◆お友達の花々緒さんが、表紙絵描いて下さりました。可愛いニャリスと、悩ましげなラクロア様。 ◆これもいつか続きを書きたいです、猫の日にちょっとだけ続きを書いたのだけど、また直して投稿します。

動物アレルギーのSS級治療師は、竜神と恋をする

葉空
BL
SS級治療師、ルカ。それが今世の俺だ。 前世では、野犬に噛まれたことで狂犬病に感染し、死んでしまった。次に目が覚めると、異世界に転生していた。しかも、森に住んでるのは獣人で人間は俺1人?!しかも、俺は動物アレルギー持ち… でも、彼らの怪我を治療出来る力を持つのは治癒魔法が使える自分だけ… 優しい彼が、唯一触れられる竜神に溺愛されて生活するお話。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

処理中です...