【完結・番外編追加中】三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚した件につきまして

七転び八起き

文字の大きさ
51 / 112

第51話

 私に続き、森川さんまで退職という状況になった今の職場。
 森川さんも引き継ぎで忙しい。

 森川さんは特に重宝されていた人間だから空いた穴はでかいし、女子社員からの人気も高かったからモチベが下がっている。

 でも、仕方ない。
 もう後戻りはできない。
 次が地獄であろうと──

 ***

 勇凛くんは本社での研修がスタートした。
 大学に行く日以外は会社。
 心配で心配でメッセージを送って安否確認をしていた。

『勇凛くん大丈夫??』

 返信が返ってくるのは昼休憩。

『大丈夫です。覚えることが多いですが、頑張ります』

 ため息がでる。

「母親みたいだな」

 なぜか間近にいた森川さんがトーク画面を覗いていた。

「わ!プライバシーの侵害ですよ!」
「まぁ、他の内定者もいるかもしれないし、一人ではないよ。たぶん」
「ところで、森川さんは勇哉さんとはどうなんですか?」
「とりあえず、おだてて適当にあしらっている。呼び出しが多いが……。まぁ向こうのおごりだから」

 森川さん……気の毒すぎる。
 あの人の気まぐれにつきあうなんて。

「でも、一般人じゃ行けない場所にも連れていかれるから、割と面白かったりはする」
「そうなんですね……」
「それより、もうすぐだろ。社長秘書みたいなもんだから、今より見た目気合いれないとな」

 う……。
 そう言われるとプレッシャーが。
 でもその通り。

「色々服とか探してきます……」

 入社前からコストかかってめんどくさい!

 ***

 仕事帰り。

 百貨店の割と高めのアパレルショップにいた。
 高い……貯金が。
 私が悶々としながら商品を見ていると

「何をしている」

 ──この声は

 振り返ると、そこには勇輝さんと……謎の女性。
 女の人は彼の腕にべったりとしがみついていて、奥さんだとは到底思えない。
 そして彼女に睨まれる。

「見ての通り、服を見ているんです。今後のために」
「言っておくが、勤務中の服はもう用意してある」
「え?」
「私と同行することもあるから、見た目だけでも相応な姿をしてもらわないと困る」

 そう言って、彼は女と行ってしまった。

 相応……ですか。
 仕事だけじゃダメってことか。

 用事がなくなってしまったから百貨店から出ると、勇凛くんから連絡が。

『連絡遅くなりました。今終わりました。七海さんはどうですか?』

 勇凛くん……。

『今大吉百貨店にいるよ』
『俺もそっちに行ってもいいですか?』

 仕事終わりの勇凛くん。
 スーツの勇凛くん。
 見たい!

『うん。待ってるね』

 ──しばらく近くのカフェにいると

「七海さん!」

 スーツ姿の爽やかな勇凛くん。
 スーツの勇凛君を見るのは二回目。
 やっぱり似合ってるしかっこいい。

 生きててよかった。
 嫌な気持ちがその瞬間ふっとんだ。

「お待たせしました。あの……一緒に近くでご飯食べませんか?」

 仕事終わりのデート。
 いや、仕事帰りに会うのは今に始まったわけじゃないけど、オフィスラブっぽい。

 にやにやしている怪しい三十路女であった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

ワケあり上司とヒミツの共有

咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。 でも、社内で有名な津田部長。 ハンサム&クールな出で立ちが、 女子社員のハートを鷲掴みにしている。 接点なんて、何もない。 社内の廊下で、2、3度すれ違った位。 だから、 私が津田部長のヒミツを知ったのは、 偶然。 社内の誰も気が付いていないヒミツを 私は知ってしまった。 「どどど、どうしよう……!!」 私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

指輪を外す夜― 横浜・雨の馬車道で ―

La Mistral
恋愛
その恋は、 横浜の雨の日に始まった。 広告代理店に勤める水瀬亜矢(32)。 穏やかな結婚生活の中で、彼女は小さな孤独を抱えていた。 ある夜、 横浜駅で傘を差し出してくれた男。 高坂恒一(46)。 落ち着いた声、微かな香水、 そして彼の左手にも結婚指輪があった。 再会したのは 石畳の街 馬車道 の古い喫茶店。 触れてはいけない距離。 それでも、二人は何度も会ってしまう。 港町の夜景と海風の中で、 静かに始まる大人の恋。 それはきっと、 長く続くはずのない恋だった。 エブリスタにも連載中

女子小学五年生に告白された高校一年生の俺

think
恋愛
主人公とヒロイン、二人の視点から書いています。 幼稚園から大学まである私立一貫校に通う高校一年の犬飼優人。 司優里という小学五年生の女の子に出会う。 彼女は体調不良だった。 同じ学園の学生と分かったので背負い学園の保健室まで連れていく。 そうしたことで彼女に好かれてしまい 告白をうけてしまう。 友達からということで二人の両親にも認めてもらう。 最初は妹の様に想っていた。 しかし彼女のまっすぐな好意をうけ段々と気持ちが変わっていく自分に気づいていく。

Melty romance 〜甘S彼氏の執着愛〜

yuzu
恋愛
 人数合わせで強引に参加させられた合コンに現れたのは、高校生の頃に少しだけ付き合って別れた元カレの佐野充希。適当にその場をやり過ごして帰るつもりだった堀沢真乃は充希に捕まりキスされて…… 「オレを好きになるまで離してやんない。」

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

(第一章完結)ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています

紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、 ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。 「もう君は、僕の管理下だよ」 退院と同時に退職手続きは完了。 住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。 外出制限、健康管理、過保護な独占欲。 甘くて危険な“保護生活”の中で、 私は少しずつ彼に心を奪われていく――。 元社畜OL×執着気味の溺愛社長 囲い込み同棲ラブストーリー。