サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽

Pero

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サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 ㉒

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    第一章 2001年 春


        二十二

 タビソックゲストハウスに皆がバックパックをおろし、ノンエアコンバスの窓からの砂塵で汚れた身体をシャワーで洗い流した。

 サッパリして中庭に降りると、岡山からの六十三歳の旅人(Yさんと呼ぶ)が、石の丸テーブルで早くもビアラオを飲んでいた。

「早速ビールですか」

「いやぁ、暑いからねぇ」

「僕は朝から下痢だったので何も食べてないんですよ。ビールよりもお腹がペコペコです」などと言葉を交わしていると、N君もHさんも外に出てきた。

「お腹がすきましたね。とりあえずお昼にしましょうか」

 Hさんが提案した。

 N君もYさんも銀行でマネーチェンジをしたいと言うので、ガイドブックに載っていた銀行の場所を確認して向かい、それからお昼ごはんにすることにした。

◆バンビエンに唯一ある銀行(現在は場所が変わっているかも)




 バンビエンは内戦後さびれた田舎町だったらしいが、九十年代に入って国の方針で観光化が進み、小さなホテルやゲストハウスも建てられるようになった。

 それとともに、旅行者のためのレストランも次々とオープンして現在に至っている。

 町の中心部には市場と郵便局があり、病院と銀行がそれぞれ1つずつ所在している。

 訪れた銀行は小さなカウンターが置かれているだけで、中には職員が四人いたが、何故か両替には一人ずつしか応対してくれず、僕達は順番にドルをKip(キープ)に替えた。

 銀行を出て、通りを戻る途中にある一軒のレストランに入った。

 店外のオープン席に腰を下ろし、僕はフランスパンサンドイッチとバナナシェイク、Yさんはカオニャオ(もち米を蒸したもので、ラオス人の主食)とヌードルスープ、N君はフライドライス・ウイズ・チキン、Hさんは僕と同じフランスパンにシェイクを注文した。

「なかなかのんびりとしたいい町だね」

 Yさんが言った。

 旅人も少なく人の往来もまばらで、本当に静かな町だが、やはりこれは町と言うよりも村だと思った。(現在は今は全く違います、リゾート地と化してごった返しています)

「ビールは飲まないのですか?」

 Hさんが思い出したように言った。

 飲もう飲もうと皆が同意して店の人にビアラオを注文、無事のバンビエン到着をあらためて乾杯したのであった。

 さて午後はどうして過ごそうかと話し合った結果、この町の唯一の観光場所とガイドブックに書かれていた「バンビエン・リゾート」に行こうと結論が出た。

 この町は端から端までが五百メートルほどで、その中に町としての必要な施設や商店などは当然のこと、旅行者のためのゲストハウスやレストランから比較的大きな市場もあり、さらにリゾートゾーンまであるのだ。

 ルアンパバーンは世界遺産に登録されている美しい町で、近年は訪れる観光客も急速に増えている。

 そして、途中のこの小さな町がともすれば見落とされがちとなっている。

 だが、訪れてみるとなかなか心地よく、このあとさらに町の素晴らしさが分かるのである。

 僕達四人はレストランを出て、バンビエン・リゾートへトゥクトゥクで行こうと、十数分間通りをブラブラしたが、トゥクトゥクは見当たらなかった。

 バスの発着時刻は決まっているので、トゥクトゥクのアニイ達はそれ以外の時間を昼寝でもしてのんびりしているのかもしれない。
 
 暑いラオスでは、昼寝の習慣が生活に溶け込んでいると聞く。

 仕方なく到着した所に行けばあるかもしれないと思い、広大な米軍の飛行場跡地を横切ってバス発着場付近まで歩いた。

 そこには数人の現地人がいて、僕達がトゥクトゥクの手配を頼むと、少しぐずぐずとやる気のないような雰囲気だったが、一台呼んでやるからしばらく待てということになった。

 ルアンパバーンへのバスの出発時刻を確認して(午前9時発)、しばらく待っていると賑やかな車体のトゥクトゥクが到着した。

 四人で五千キープ(70円程度)で話をつけ、さあ行こうと向かったが、何てことはなく十数分走ると着いてしまった。

 少し天候が悪くなり小雨がパラつき始めたが、リゾート入口で入場料を支払い(千キープだったと記憶します)、ちょっとしたサファリパークに似た雰囲気がするリゾート内を奥の方へ歩いて行くと、赤茶けた鉄製の釣り橋があった。

 橋を渡ってさらに進むと山の麓に出た。

◆バンビエンリゾートへの橋でおどける吾輩(笑)



◆バンビエンリゾートの途中でのショット、うしろはバンビエンの町とナムソン川



 ここから百数十段の石段を登ったところに洞窟があるとのことで、念のため六十三才のY氏に大丈夫ですかと失礼な確認をして、僕たち四人はゆっくりと石段を登って行った。

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