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第二章 2002年 春
サバイディー、南方上座部仏教国の夕陽 80
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第二章 2002年 春
80 N君との豪遊
(正直に書かなくても良いんだけどなぁ) その一
ジム・トンプソンの家から宿に戻ってきたところ、N君はロビーの片隅のパソコンでネットの最中だった。
予定では夕刻辺りに到着するかと思っていたのだが、話を聞くと前日にミャンマーから戻ってきたという。
「一日早く着いたんだね」
「いやぁ、ミャンマーは暑くて参りましたわ。でもなかなかいい国でしたよ」
彼はミャンマーに一週間滞在する予定だったが、首都ヤンゴンからマンダレーに飛んで、そこで暑さのため沈没してしまい、毎日ビールばかり飲んでいたとのことだ。
結局、バガンやインレー湖、ポッパ山などの見所を訪れることなく帰ってきたらしい。
「せめてバガンくらいは行っておくべきだったんじゃないの?」
「それがね、経験したことのない暑さですねん。五十度くらいはあったかもしれませんわ。完全にダウンでした」
確かにこの季節のミャンマーは極暑と聞いている。
でもアジアを旅するのだから、それくらいは我慢しなければと僕は思うのだった。
まあN君という奴は、こういうズッコケてしまうところがあるので、僕は好きなのだ。
「ちょっと僕は今からカオサンへニセ学生証を作りに行くから、夜はご馳走でも食べよう」
N君と夜の豪遊を約束して、僕はカオサンへと向かった。
二年前にベトナムの北部、中国国境に近いサパという避暑地まで、僕にバックパッカーとしての旅を教えてくれたレモンに会いに行った。
その彼女から今回の旅の前に、「ペロ吉、もしカオサン行くならニセ学生証を作っきて」と命令を受けていたのである。
カオサンロード。
世界中のバックパッカーが、アジアを旅する際に必ず立ち寄るといっていい刺激的な一角だ。
ここには旅人に必要な物は何でもあるといっても過言ではない。
安宿、あらゆる飲食店、屋台、旅行代理店、マッサージ店、ネットカフェ、寺院、警察署、等々、一度ここで落ち着いてしまうと動くことが億劫になるという。
決断力が要求されるバックパッカー天国だ。
◆カオサンロードのメインストリート
◆早朝、ビールを片手に酔い潰れた欧米人、幸せなんだろうなぁ
見覚えのある賑やかな看板が目に付くと、通りを欧米人たちを中心とした旅人が行き交っていた。
「ニセ学生証」を作ってくれるところは、カオサン通りに入ってすぐ左の辺りにあった。
テーブルにニセ学生証やニセプレス証(報道)など、怪しげなカードが並んでいた。
目つきの鋭いアニイに「スチューデントIDカード」と言うと、ちょっとこちらに来てくれと言う。
ついて行くと少し裏手に入り、カードフォルダーを持ってきて、どれが良いかと訊いてきた。
どれでも良いが適当に指をさすと、一時間後くらいに再びここに来いと言う。(値段は忘れました。しかし高くはありませんでした。五百円程度だったと思います)
一応注文をして、待ち時間の間近くのネットカフェに飛び込み、そのあと屋台でパイナップルを買って食いながらカオサンをブラブラしたら、あっという間に一時間が経った。
無事に受け取ったニセ学生証は見事な出来栄えであった。
満足してKrit Thai Mansionに戻ると、N君がロビーで待機していた。
「ペロ吉さん、早く行きましょうよ」
彼は居ても立ってもいられないといった様子で僕を待っていた。
なぜなら、いよいよこれから旅の総仕上げとして、かの有名な歓楽街「パッポン」へ繰り出すからだ。
ここから先の話はあまり書きたくないのだけど、まあ次号から微に入り細にいり記述をいたします。
80 N君との豪遊
(正直に書かなくても良いんだけどなぁ) その一
ジム・トンプソンの家から宿に戻ってきたところ、N君はロビーの片隅のパソコンでネットの最中だった。
予定では夕刻辺りに到着するかと思っていたのだが、話を聞くと前日にミャンマーから戻ってきたという。
「一日早く着いたんだね」
「いやぁ、ミャンマーは暑くて参りましたわ。でもなかなかいい国でしたよ」
彼はミャンマーに一週間滞在する予定だったが、首都ヤンゴンからマンダレーに飛んで、そこで暑さのため沈没してしまい、毎日ビールばかり飲んでいたとのことだ。
結局、バガンやインレー湖、ポッパ山などの見所を訪れることなく帰ってきたらしい。
「せめてバガンくらいは行っておくべきだったんじゃないの?」
「それがね、経験したことのない暑さですねん。五十度くらいはあったかもしれませんわ。完全にダウンでした」
確かにこの季節のミャンマーは極暑と聞いている。
でもアジアを旅するのだから、それくらいは我慢しなければと僕は思うのだった。
まあN君という奴は、こういうズッコケてしまうところがあるので、僕は好きなのだ。
「ちょっと僕は今からカオサンへニセ学生証を作りに行くから、夜はご馳走でも食べよう」
N君と夜の豪遊を約束して、僕はカオサンへと向かった。
二年前にベトナムの北部、中国国境に近いサパという避暑地まで、僕にバックパッカーとしての旅を教えてくれたレモンに会いに行った。
その彼女から今回の旅の前に、「ペロ吉、もしカオサン行くならニセ学生証を作っきて」と命令を受けていたのである。
カオサンロード。
世界中のバックパッカーが、アジアを旅する際に必ず立ち寄るといっていい刺激的な一角だ。
ここには旅人に必要な物は何でもあるといっても過言ではない。
安宿、あらゆる飲食店、屋台、旅行代理店、マッサージ店、ネットカフェ、寺院、警察署、等々、一度ここで落ち着いてしまうと動くことが億劫になるという。
決断力が要求されるバックパッカー天国だ。
◆カオサンロードのメインストリート
◆早朝、ビールを片手に酔い潰れた欧米人、幸せなんだろうなぁ
見覚えのある賑やかな看板が目に付くと、通りを欧米人たちを中心とした旅人が行き交っていた。
「ニセ学生証」を作ってくれるところは、カオサン通りに入ってすぐ左の辺りにあった。
テーブルにニセ学生証やニセプレス証(報道)など、怪しげなカードが並んでいた。
目つきの鋭いアニイに「スチューデントIDカード」と言うと、ちょっとこちらに来てくれと言う。
ついて行くと少し裏手に入り、カードフォルダーを持ってきて、どれが良いかと訊いてきた。
どれでも良いが適当に指をさすと、一時間後くらいに再びここに来いと言う。(値段は忘れました。しかし高くはありませんでした。五百円程度だったと思います)
一応注文をして、待ち時間の間近くのネットカフェに飛び込み、そのあと屋台でパイナップルを買って食いながらカオサンをブラブラしたら、あっという間に一時間が経った。
無事に受け取ったニセ学生証は見事な出来栄えであった。
満足してKrit Thai Mansionに戻ると、N君がロビーで待機していた。
「ペロ吉さん、早く行きましょうよ」
彼は居ても立ってもいられないといった様子で僕を待っていた。
なぜなら、いよいよこれから旅の総仕上げとして、かの有名な歓楽街「パッポン」へ繰り出すからだ。
ここから先の話はあまり書きたくないのだけど、まあ次号から微に入り細にいり記述をいたします。
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