175 / 205
第五章・ミャンマー行きの予定が何故か雲南へ
サバイティー、南方上座部仏教国の夕陽 175
しおりを挟む二十五話
2009年12月29日、あと三日で年も明けるというのに、僕は中国の雲南地方にある小都市・景洪(ジンホン)にのバスターミナルに佇んでいた。
高速道路で荷物のように降ろされた僕を拾ってくれた素敵なマイクロバスの運転手に、急いでメモ帳に書いた「宿 格安」という文字を見せた。
すると運転手は右斜め後方を指差して何やら言った。その指差し方向に目をやると、「平安宴館」と大きく書かれた3階建てのホテルが見えた。
平安宴館
こりゃ高そうだな・・と思いながらもすぐ近くなので行ってみることにした。
運転手に別れを告げた。
「平安宴館」は大きなホテルに見えたが、フロントは小さく、若い男性従業員が一人いるだけだった。
「いくら?」と言っても分かるはずもないだろうから、試しに「Do you have a single room?」と訊いてもやっぱり分からないようだった。
途中のバスの窓から眺めていても、欧米人の姿は一人も見かけなかったし、もちろん日本人らしき旅行者の姿も見なかったから、めったに外人は泊まらないのかもしれない。
この時もメモ帳に「1泊 料金?」とすばやく書いて見せた。
すると彼は自分の手元の紙に50元と書いた。650円程度だ。
これは意外に安いので部屋を見せて欲しいと言うと、2階の窓から静かな公園が見える部屋に案内された。
広い部屋にダブルベッドが置かれ、大きなTVまであり、バスタブこそないが、トイレと兼用の広いバスルームは「熱湯」と注意書きが書かれていたので、当然ホットシャワーも出る。
50元(650円の部屋)-快適でした
フロントに下りてチェックインをした。
デポジットとしてもう50元預けたが、これは翌日のチェックアウト時に、ミネラルウオーター1本の料金2元を引かれて48元きっちり戻ってきた。(ミネラルウオーターが26円ってことだね)
部屋に戻り、シャワーを浴びることにした。
もう時刻は夜6時を過ぎていた。
気温は15度程度だろうか?或いは20度近くか、僕はTシャツに綿のジャケットを引っ掛けているだけだが、少し肌寒い。
シャワーはすぐに熱湯が出て、少し調節しないと火傷をするくらいだったが、熱いお湯が石鹸の泡とともに、しゃがみ式のトイレの穴から流れ落ちていく光景は、ちょっとなんとも表現しがたい気持ちになった。
穴を覗くと、かなり下方ではあるが、排泄物がたまっている様子が窺え、そこにシャボンのお湯が流れ落ちていく。
排泄物の臭さは解消されるかもしれないが、おかしな納得し難い気分であった。
さて、体もきれいサッパリとして食事と街歩きに出た。
国境近くで遅めの朝食兼早目の昼食を摂ってから何も口にしていなかったので、かなり空腹になっていたのだが、高速道路の路肩で降ろされたことからそれさえも忘れてしまっていた。
ホテルから出てバスターミナルの並びを少し歩くと、店の前で大きな鍋で料理をしている小さな食堂があった。
周りを見渡すと、大勢の人々が夕食を求めてさ迷い歩いているかのように感じた。
僕は足の向くまま躊躇なく、その食堂に飛び込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる


