電車の男ー社会人編ー番外編

月世

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倉知家のおおみそか

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〈六花編〉

 全然意味のわからない映画を観ている。
 しばらく我慢してテレビを観ていたが、何一つわからなくて集中力が切れてしまった。
「どういう意味? この映画、何がどうなってるの?」
 スマホをいじりながら訊いた。父は「知らん」と肩をすくめた。
「映画館で観たやつだけど、まあ、わからん」
「面白くないなら違うの観たら?」
「面白くないとは言ってない。これはこれでいいんだよ。悪くない。いや、むしろ好きだ」
「ほんとお父さんって変態だよね」
「誉め言葉か?」
「うん」
 父は満足そうだった。
 私は父が映画を観ているところを観察するのが好きだった。どんな映画でも、何か必ずいいところがあるはずだと前向きに鑑賞する姿勢も好きだ。知的探求心に溢れた少年そのもので、ほほえましい。
「ただいまー」
 玄関のドアが開く音と七世の声が聞こえた。
「あ、帰ってきた」
 私が言うと、父が大きな声で「おーかえりー」と叫ぶ。私はこたつから抜け出て、ほふく前進で這っていき、リビングのドアを開けた。廊下に顔を突き出すと、靴を脱ぐ加賀さんと目が合った。
「ただいま」
「おかえりなさい。温泉、どうでした?」
「最っ高だった」
「うふふ、結婚記念日おめでとうございます」
 二人が声を揃えて「ありがとう」と可愛い笑顔を見せてくれた。尊い。その場で五体投地をする私の頭に、七世が何かを乗せた。
「これ、温泉のお土産」
「ありがとう、何?」
「自宅のお風呂が有馬温泉になるやつ」
 七世がジャケットを脱ぎながら言った。入浴剤と言わないところに何か強いこだわりを感じる。可愛い、とニヤリとすると、加賀さんも同感だったらしい。愛しそうな笑みを浮かべて七世を見ていた。
「二人帰ってきたのー?」
 母の喚き声が聞こえた。 
「七世ー、一緒におそば作るー? あれ? 違うかも? 七世じゃない? 誰?」
 母の声は大きいせいで、後半の独り言までしっかりと廊下に届く。加賀さんが肩をゆすって「ふはは」と笑う。
「俺だよ、作るー」
 七世が返事をして、加賀さんに向き直る。
「そばを作ります」
「おう」
 一瞬の間が空いた。私がいなかったら多分キスをするかハグをするかしていただろう。私に透明人間になれる能力があればよかった。
「透明人間か、もしくは瞬間移動の能力が欲しい」
 こたつに戻ってそう言うと、父が横目で私を見た。なんの話だとは問わず、ソファに腰かけた加賀さんを振り仰いで父が訊く。
「この映画観た?」
 映画は途中からだし、いきなりそんなことを言われてもわかるはずもあるまいと思ったが、加賀さんが答えた。
「時間が逆行するやつかな。面白かったですね」
「なー、面白いよな、わけわからんけど好きだわ」
「はは、わけわからん」
 父は基本的に、映画の最中に話しかけられるのを嫌うが、一度観た映画に関しては別だ。感想を言い合いながら観るのが好きらしい。
 わけのわからない映画について意見をすり合わせる二人を眺めていると、チャイムが鳴った。
「お、来たか?」
 父が私を見た。無言で腰を上げ、廊下に出る。玄関のドアを開けると千葉さんが立っていた。
「こんにちは」
 硬い表情の彼が軽く頭を下げた。下げ返し、家の中に手のひらを向けた。
「こんにちは、どうぞ」
 中に入った彼は、カタカタと小さく震えながら紙袋を差し出した。
「これ、あのぅ、好きだったらいいなって」
 紙袋は羊羹で有名な老舗のものだった。
「うん、お父さん甘いものならなんでも好きだから」
「よかった……、はあ、うう」
 ガタガタガタと彼の震えが大きくなる。
「外、そんなに寒い?」
「いやっ、これは緊張で震えてるだけだから」
「もっと楽にしなよ。加賀さんも来てるよ」
「加賀さん……!」
 砂漠でオアシスを発見した人みたいだ。ありがたそうに手を合わせて拝んでいる。
 気を取り直した彼は、両親に対してとても無難な挨拶を済ませた。
 緊張がほぐれたかと思いきや、顔は強張っている。特別人見知りというわけでもないのに加賀さんの横にぴったり寄り添って離れない彼を見ていると、言い知れぬ情が沸く。
 千葉さんは格好がつかないが、可愛い人だと思う。
 やがて五月と大月君がやってきて、我が家は賑やかになった。決して広くはないリビングダイニングに、大人の男女が密集している。
 この中で、千葉さんは明らかに浮いた存在だった。家族じゃない。親戚でもない。婚約はしているが、他人だ。大みそかに、なぜか他人がいる。
 なぜか。
 麻雀をするためだ。
 知識がゼロにも関わらず、麻雀牌を購入し、ルールを覚え、夜な夜な牌を握っていると父にポロリと漏らしてしまったところ、大みそかにでも連れて来なさいということになった。
「おそらく日付けまたぐし、泊まる? そこまでして麻雀したければだけど」
 千葉さんは「麻雀がしたいです」とすがってきた。「バスケがしたいです」と訴える某キャラクターを彷彿とさせる悲痛な表情に、思わず笑ってしまった。
 別にわざわざ大みそかじゃなくても麻雀はできるのだが、そんなわけで、千葉さんもいる。
 母と七世が台所でそばを作り、五月と大月君、父と千葉さんが四人で麻雀を打っている。相変わらず緊張した様子の千葉さんを、加賀さんがフォローしてくれている。私はそれを見て、安心して自室に戻った。そしてある物を手に、階下に下りる。
 平和な空気を乱すかもしれないとは思いつつ、それをぶら下げ「加賀さん」と呼んだ。
「え、何、どうした」
 加賀さんは、すぐに私の手の中の模造刀に気づいて半笑いになった。
 みんなの視線が私に集中する。五月が「りっちゃんこわ」と小さく跳ねて、大月君が大げさに五月を守る真似をした。別に、襲撃しようというわけじゃない。
「加賀さん、居合いしてたんですよね。できたら刀を振り回すとこ、動画に撮らせてください」
「絵の資料?」
「いえ、ただの趣味です」
 二年前に京都で買った模造刀は、資料というより趣味だった。加賀さんが若かりし頃に居合いを習っていたと聞かされたときから、いつかやってもらおうと企んでいた。やっと、そのときがきた。
「六花お前……、堂々と性癖むき出しにするなよ」
 父が呆れ顔でのけ反った。
「千葉君に逃げられるぞ?」
「絶対に逃げません」
 すかさず千葉さんが首を左右に振る。
「久しぶりだから自信ないわ」
 と言いつつ、加賀さんが腰を上げた。加賀さんのこういうノリのいいところがとても助かる。
「待って、俺も見たい」
 七世が慌てて手を洗い、すっ飛んできた。
「うん、おいで。それではこちらの和室でぜひ」
 リビングのドアを開けて廊下で加賀さんを手招くと、なぜかみんながぞろぞろとついてくる。
「七世以外は来なくていいから。麻雀してなよ」
 父の体を堰き止めたが「まあまあ」と押し返してくる。
「みんな加賀さんのファンだから。見たいよな? どうだ、お前らぁ」
 背後に呼びかけると、「おー」と歓声が上がる。五月と大月君はわかる。母もわかる。千葉さんまでこぶしを振り上げているのはやや解せない。
「邪魔しないでよ?」
 はいはい、と私の両肩に手を置いて、ぞろぞろとついてくる。
 畳の客間は八畳ほどで、家具のたぐいは置いていない。だから多少刀を振り回しても問題はない。
「粟田口国綱かな」
 模造刀を手渡すと、一目見て加賀さんが言った。
「正解です」
「マニアックだな。鬼平ファン?」
「です」
「渋いなー」
 のほほんと言いながら、加賀さんが半分ほど刀を抜いた。部屋の隅で正座をした面々が、息を呑む。グレーのニットに黒のスキニーという現代人のいでたちではあるが、やけに刀が似合う。謎の緊張感に包まれる中、加賀さんは一人あっけらかんとしている。
「あれ、もっとおもちゃかと思ったけど意外としっかりしてる。高かった?」
 出したり入れたりして音を鳴らし、私を見る。
「二万円くらいです。加賀さん、撮影可ですか? ですよね?」
 前のめりで訊くと、加賀さんが笑った。
「いいけど待って、滑りそう。靴下脱がせて」
 突然七世が飛び出してきた。加賀さんの靴下を甲斐甲斐しく脱がせて回収すると、黒子のような動きで脇に下がる。何今の、と身悶えているうちに加賀さんが無造作に刀を抜いた。何事もなかったように、スムーズに刀身が鞘に戻る。
「あ、大丈夫。いけそう」
 加賀さんが言った。速くてよくわからないうちに終わっていた。五月夫婦が奇声を発して手を取り合い、跳ねている。父と母が「おー」とか「キャー」とかわめいて拍手をしていて、七世は口を開けて呆けている。
「やっぱり、経験者は扱い方が違いますね。素晴らしい」
 鼻から息を吹き出して、スマホを操作し、録画を開始する。
「いや、何もすごくない。今のはただの抜刀と納刀だから。ちょっとカッコつけたのやっていい?」
「すでにカッコイイ!」
「さらに好きになる!」
 五月と大月君が抱き合ってヒイヒイ言っている。
「お願いします、録画してますので」
「じゃあ、危ないからみなさん下がっててね」
 みんなが固唾をのんで見守る中で、加賀さんが腕まくりをし、肩を回して首を回す。
 それから腰を深く落とし、刀を脇に構えた。
 素早く抜く。
 抜き身の刀がくるくると回転し、ぴたりと鞘に収まった。
 一瞬のことだった。目をこする。
 オーディエンスがわっと沸く。
 すごい、カッコイイ、美しい、武士、と誰が何を叫んでいるのかもはやわからない。
 確かに、すごかった。動きの一つひとつが機敏で、芝居がかっているのがまた美しかった。感動した。
 とはいえ、居合いとはまったく関係のない、パフォーマンス用の魅せる殺陣だということも素人ながらにわかる。ただカッコつけたくて練習したのだろうと推測し、ニヤニヤした。加賀さんにも厨二な時代があったのだ。
 その厨二時代に習得したであろう数々の技を披露してくれた。予想以上の収穫だ。ちゃんとした居合いよりも、どちらかというとこういうのを希望していた私は、心の中で何度もガッツポーズをした。
 数分後、気が済んだ加賀さんが私に刀を返してくれた。私の気も済んだ。
 興奮冷めやらぬみんながあーだこーだ言いながら、リビングに戻っていく。スマホを見ながら客間を出たところで、加賀さんの声が聞こえた。
「なんで寝てんの?」
 振り向くと、七世が畳の上で大の字になっていた。完全に昇天している。私にはわかる。これは「尊死」だ。
「カッコよすぎて……、カッコよすぎました……」
「抱かれたい?」
「抱かれたい……」
「よっしゃ」
 加賀さんが大の字の七世の体にまたがって、抱きしめた。畳の上で折り重なり、笑いながらひたすらハグをする二人。
 いかがわしさは一切ない。大型犬と子犬がじゃれ合う感じで、あくまでも可愛らしい。
 おそらく一般人が見ると、そう思うだろう。
 私は一般人ではなかった。
 気配を消して、息を止める。今度こそ私は透明人間になった。
 廊下から顔だけ出して盗み見ていると、「確かに」と背後で誰かが言った。脈絡のない「確かに」に、何がと振り向くと、千葉さんが神妙な顔で立っていた。
「確かにカッコよかった。俺も居合い、習おうかな」
「またそういうこと言う。やりたいならやればいいけど、今のは殺陣だと思うよ」
「じゃあ、殺陣を習う。俺も六花さんの役に立ちたい」
「充分役に立ってるから」
「俺が? 果たして何の役に?」
「別に、何っていうか、何もないけど、いてくれるだけでいいよ」
 ヒュウ、と短い口笛の音が聞こえた。七世と加賀さんが、ニコニコして私たちを見ていた。
「すごい、仲良しだね」
「なんだよ、めっちゃラブラブじゃん。ホイットニーヒューストン歌おうか?」
 自分たちのことを棚上げにして、よくも。
 エンダアアァーイヤアアァーと奏でてリビングに戻る加賀さんと七世の背中を見ながら、千葉さんの横腹をグーで殴った。
「笑いすぎ」
「ごめん、なんだろう、すごく面白かった」
 息をついて、笑いを止めた千葉さんが「いいなあ」とつぶやいた。
「倉知家、あったかくて面白いね」
 そうなのだ。我が家はあったかくて、笑いが絶えない。居心地がよすぎるのが玉に瑕ではある。できたらずっと、ここにいたい。
 でも、もうそろそろ私は巣立たなければならない。
 麻雀大会の前に、年越しそばで腹を満たすのも毎年恒例の流れだ。私と両親の三人がこたつに陣取り、残りの五人はダイニングテーブルに座っている。
 えび天をかじって、父と母の顔を交互に見る。言うならここだな、と思った。
「お父さん、お母さん」
 そばをすする両親を呼んだ。二人がもぐもぐしながらこっちを見る。
「私、千葉さんと結婚するね」
 ブーッと父がそばを噴く。
「えっ、今? まさに今?」
 母が立ち上がり、オロオロし始めた。
「今じゃないけど、来年かな」
 そばをふうふうして答えた。
「今年の誕生日にプロポーズされて、受けたんだけどね。この家を離れたくなかったんだ。やっぱりやめようかなってくらい、ずっとここにいたくて、なかなか心が決まらなかった」
 父が箸を置いて、正座した。母もそれに倣う。私もふうふうするのをやめて、そばをすする。
「食うんかい」
 父がツッコミを入れる。みんなが笑う。
 私はそばを咀嚼し、やっとのことで飲み込むと、そっと箸を置いた。
「結婚するね」
「おう、おめでとう」
 父の目に涙が見えた。私はうつむいたが、どうしようもなく涙がこぼれてくる。泣かないと思っていたのに、止まらなかった。小さな母の体が、抱きしめてくれる。
「やったー、りっちゃん、千葉君、おめでとう!」
 五月が席を立ち、手を叩く。となりの大月君も立ち上がって「おめでとうございます!」と手を打った。
 七世を見る。多分、もらい泣きだろう、涙で顔をぐしょぐしょにしている。
 加賀さんが拍手をしながら千葉さんの腕を肘で突いているのが見えた。千葉さんがハッとなる。椅子を鳴らして立ち上がり、叫んだ。
「娘さんを、僕にください!」
 そういう話でまとまっているのに、これを言わねばと決めていたのだろう。応用の効かないところが、可愛いと感じた。最初はまったく全然微塵も好きじゃなかったのに。こんなことになるとは、人間は面白い。
「あげたくないけどね。大事にしてね」
 父の目は、優しかった。母が私の背中をさする手も、優しい。
 そうか、と実感する。
 私はずっとこのぬくもりに、守られてきたのだ。

〈おわり〉
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