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第5話
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「こ、国王様っ!?!?わ、私なんかに一体何のお話が!?!?」
いきなりロビン国王様から呼び出しを受けた私は、全身が飛び上がってしまいそうなほど緊張感を抱いていた。
だって、今まで国王様から直接呼出しをされることなんて一度もなかったし、私が王宮にいた時だって直接話をしたのは数えるほどの機会しかなかったのだから。
「急にすまないな、イザベラ。アレスとの関係を終わりにされたと聞いた。それは事実か?」
「え、えっと……」
本当のことを言っていいものか、私は悩む。
決してアレス様のことをかばっているわけではないけれど、一応は婚約者だった人との秘密の会話、どこまで伝えてもいいのだろうか…?
…と悩んでいたら、そんな私に対して気を遣ってくださったのか、ロビン様はやや穏やかな様子でこう言葉をつぶやいた。
「イザベラ、真実を話してほしい。アレスのやつは第一王子でありながら、その立場を濫用して好き勝手な振る舞いを繰り返している節がある。もしもそれが事実であるならば、今後周りの人間に危害が加わらないようにするためにも早急に手を打たなければならない。これは君とアレスのみの問題ではなく、王宮全体を巻き込んだ問題となっているんだよ」
私だけの問題じゃない、と直接国王様から告げられてしまっては、私が話を断る理由はなくなる。
「分かりました、国王様。アレス第一王子様との間に何があったのか、すべてお話させていただきますね」
こうして私は、国王様に婚約破棄と家出に至るすべての流れをお話しすることとなったのだった。
――それから数日後の事――
「というわけだがアレス、なにか申し開きはあるか?」
「う……」
…今私の前の前では、非常に高圧的な雰囲気を発する国王様によってアレス様が詰められている。
そのオーラはなんとも言葉にしにくいものではあるけれど、アレス様がその体を震わせているところから見るに本当に国王様の事を怖がっているのだと思う。
「すべてイザベラから聞いたとも。アレス、お前の身勝手な行動でイザベラはその心を大きく傷つけ、たった一人で家出を行うまでに至った。その事についてはどう思っているんだ?」
「は、はい…。本当にひどいことをしてしまったと、反省をしております…」
アレス様は私が見たことのないほどその体をしゅんとさせ、国王様からの言葉を震えながら待っている。
その雰囲気が一周回って私には面白く感じられ、すさまじい雰囲気の中にありながらも私はあまり居心地が悪いとは思っていなかった。
「アレス、お前には以前にも同じ言葉をかけたな。その時もお前は私に同じ言葉を返した。しかし、これは一体なんだ?お前は全く反省していないではないか」
「そ、それは違うのです国王様!!」
最悪の結果になることをなんとか防ぎたいのか、アレス様はその声を荒げながら国王様に意見を始める。
「実は僕は、心の中ではイザベラの事を愛していたのです!しかし彼女の事が気になりすぎたあまり、少しだけ冷たい態度をとってしまっただけなのです!本心から追い出そうなどとは考えていなかったのです!!」
…全く思ってもないであろう言葉を発し始めたアレス様。
私に対しての言葉は全くなく、あくまで自分の保身に走ることだけで精いっぱいな様子。
「はぁ…。アレス、お前の言いたいことはよくわかった。お前がこの期に及んでも何も変わっていないという事もな…」
「へ??」
アレス様が最も聞きたくないであろう、これから国王様が続ける言葉。
そこにはもう一人、アレス様が耳をふさぎたくなる人物の名が発せられた。
「アレス、お前には第一王子の座から降りてもらう事に決めた。後の事はすべてグライスに任せようと思っている」
「なっ!?!?!?!?」
「もともと、最初からこうするべきだったのかもしれないな。グライスは幼き頃からお前とは正反対の性格で、欲深くもなく女遊びに明け暮れるわけでもなかった。ただただ真摯に王宮のイスに座ることのみを考える男だった。そんな男を放っておいて、お前を先に生まれたという理由だけで第一王子のイスに座らせ続けてきたことこそ、大きな間違いだったのだろう。イザベラが行動を起こしてくれたおかげで、私はようやくその事を受けいれることができた」
「そ、そんな…!?!?!?」
「アレス、お前をこれからどこに置くかはグライス、イザベラと話し合って決める。王宮を追われることとなっても、文句を言うんじゃないぞ?すべてお前がイザベラに対してやったことを同じことを返してやるだけなんだからな」
「う……」
実の親子であるからから、情け容赦はない言葉をかける国王様。
そこに一切の妥協はなく、悪いと思った者は悪いと断罪する国王様らしいはっきりとした考え方がそこにはあった。
宣告を受けたアレス様はその場で顔を伏せてしまっており、現実が受け入れられないでいる様子…。
完全にみからでたさびではあるけれど、ここまで深刻な結末を迎えることになったのは正直全く予想外だった。
…ってあれ、私はこれからどうなっていくんだっけ…??
いきなりロビン国王様から呼び出しを受けた私は、全身が飛び上がってしまいそうなほど緊張感を抱いていた。
だって、今まで国王様から直接呼出しをされることなんて一度もなかったし、私が王宮にいた時だって直接話をしたのは数えるほどの機会しかなかったのだから。
「急にすまないな、イザベラ。アレスとの関係を終わりにされたと聞いた。それは事実か?」
「え、えっと……」
本当のことを言っていいものか、私は悩む。
決してアレス様のことをかばっているわけではないけれど、一応は婚約者だった人との秘密の会話、どこまで伝えてもいいのだろうか…?
…と悩んでいたら、そんな私に対して気を遣ってくださったのか、ロビン様はやや穏やかな様子でこう言葉をつぶやいた。
「イザベラ、真実を話してほしい。アレスのやつは第一王子でありながら、その立場を濫用して好き勝手な振る舞いを繰り返している節がある。もしもそれが事実であるならば、今後周りの人間に危害が加わらないようにするためにも早急に手を打たなければならない。これは君とアレスのみの問題ではなく、王宮全体を巻き込んだ問題となっているんだよ」
私だけの問題じゃない、と直接国王様から告げられてしまっては、私が話を断る理由はなくなる。
「分かりました、国王様。アレス第一王子様との間に何があったのか、すべてお話させていただきますね」
こうして私は、国王様に婚約破棄と家出に至るすべての流れをお話しすることとなったのだった。
――それから数日後の事――
「というわけだがアレス、なにか申し開きはあるか?」
「う……」
…今私の前の前では、非常に高圧的な雰囲気を発する国王様によってアレス様が詰められている。
そのオーラはなんとも言葉にしにくいものではあるけれど、アレス様がその体を震わせているところから見るに本当に国王様の事を怖がっているのだと思う。
「すべてイザベラから聞いたとも。アレス、お前の身勝手な行動でイザベラはその心を大きく傷つけ、たった一人で家出を行うまでに至った。その事についてはどう思っているんだ?」
「は、はい…。本当にひどいことをしてしまったと、反省をしております…」
アレス様は私が見たことのないほどその体をしゅんとさせ、国王様からの言葉を震えながら待っている。
その雰囲気が一周回って私には面白く感じられ、すさまじい雰囲気の中にありながらも私はあまり居心地が悪いとは思っていなかった。
「アレス、お前には以前にも同じ言葉をかけたな。その時もお前は私に同じ言葉を返した。しかし、これは一体なんだ?お前は全く反省していないではないか」
「そ、それは違うのです国王様!!」
最悪の結果になることをなんとか防ぎたいのか、アレス様はその声を荒げながら国王様に意見を始める。
「実は僕は、心の中ではイザベラの事を愛していたのです!しかし彼女の事が気になりすぎたあまり、少しだけ冷たい態度をとってしまっただけなのです!本心から追い出そうなどとは考えていなかったのです!!」
…全く思ってもないであろう言葉を発し始めたアレス様。
私に対しての言葉は全くなく、あくまで自分の保身に走ることだけで精いっぱいな様子。
「はぁ…。アレス、お前の言いたいことはよくわかった。お前がこの期に及んでも何も変わっていないという事もな…」
「へ??」
アレス様が最も聞きたくないであろう、これから国王様が続ける言葉。
そこにはもう一人、アレス様が耳をふさぎたくなる人物の名が発せられた。
「アレス、お前には第一王子の座から降りてもらう事に決めた。後の事はすべてグライスに任せようと思っている」
「なっ!?!?!?!?」
「もともと、最初からこうするべきだったのかもしれないな。グライスは幼き頃からお前とは正反対の性格で、欲深くもなく女遊びに明け暮れるわけでもなかった。ただただ真摯に王宮のイスに座ることのみを考える男だった。そんな男を放っておいて、お前を先に生まれたという理由だけで第一王子のイスに座らせ続けてきたことこそ、大きな間違いだったのだろう。イザベラが行動を起こしてくれたおかげで、私はようやくその事を受けいれることができた」
「そ、そんな…!?!?!?」
「アレス、お前をこれからどこに置くかはグライス、イザベラと話し合って決める。王宮を追われることとなっても、文句を言うんじゃないぞ?すべてお前がイザベラに対してやったことを同じことを返してやるだけなんだからな」
「う……」
実の親子であるからから、情け容赦はない言葉をかける国王様。
そこに一切の妥協はなく、悪いと思った者は悪いと断罪する国王様らしいはっきりとした考え方がそこにはあった。
宣告を受けたアレス様はその場で顔を伏せてしまっており、現実が受け入れられないでいる様子…。
完全にみからでたさびではあるけれど、ここまで深刻な結末を迎えることになったのは正直全く予想外だった。
…ってあれ、私はこれからどうなっていくんだっけ…??
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