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第3話
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「…というわけで、婚約破棄されてしまったのです、おじい様…」
「はぁ…。グルームのやつ、わしへの恩を忘れてそのようなことをするとは…。これは少々痛い仕置きをしなければならないかもしれんな…」
グルームから一方的な婚約破棄を告げられたメレーナは、そのまま自分が元いた屋敷に戻っていた。
彼女は貴族令嬢であるため、生まれながらに知り合いも多く、今こうして話をしている相手もその中の一人だった。
その名はカサルと言い、かつて貴族会を統括していた者の一人であり…。
「それにしても、どうしてグルームはいきなり婚約破棄をするなどと言いだしたのだ?なにかきっかけでもあったのか?」
「私もびっくりしてしまったのですが、なんでもグルーム様から見れば私にはなんの魅力もないのだと…。さらにその上で、最近はソフィアという新しく知り合った女性に心酔されているご様子で、むしろそちらの方が好きになってしまったご様子で…」
「はぁ…。伯爵ともあろう男が、なんたる体たらく…」
メレーナから話を聞くカサルは、大きなため息をつきながらグルームの現状を嘆き始める。
そこには彼に対する同情心などは一切なく、完全に自分の親心を裏切られてしまったというタイプの感情が沸き上がっているように見受けられた。
「わしが貴族会を統括していた時ならば、問答無用で伯爵位をはく奪されるような不祥事であるというのに…。それを止められる者もいないとは…」
「伯爵様はかなりの影響力と権力をお持ちの方ですから、逆らえないのも無理ないのかもしれませんが…」
「いや、これはそれだけで済ませられるものではない。メレーナ、君に無礼を働いたグルームには必ずしかるべき報いを受けさせようではないか」
「お、おじい様…」
どうしてカサルがここまで感情を高ぶらせているのかと言うと、彼にとってメレーナは自分の本当の娘であるかのようにかわいがってきた存在だからだ。
元々貴族としてのつながりがあったのは、メレーナの父とカサルであった。
ゆえにカサルはメレーナが小さな時から関係を築き上げており、そもそも今回の婚約関係を後押しした者の一人でもあった。
…それがこうして裏切られてしまう結果となったのだから、怒りの感情を爆発させるのも無理はない。
もっとも、グルームの方はメレーナとカサルの関係はすでに過去のものと思っており、今もなお二人の関係が続いているということは全く想定していなかった。
一線から退いた今もなお、貴族たちの間に向けて大きな影響力を持つカサルの存在を知っていたなら、グルームとてメレーナとの婚約破棄をためらったのかもしれないが、ソフィアに夢中になってしまっているグルームにはそんなことまで気にするだけの余裕はなかった…。
――グルームとソフィアの会話――
「グルーム様、私はこれであなたの中で一番愛されている存在だということになったのですよね?」
「あぁ、もちろんだとも。僕の目にはもうすでに、君以外誰も映ってはいない」
自分たちの知らないところで事が動き始めていることなど全く知らない二人は、のんきにもメレーナの婚約破棄に成功したことの勝利宣言を行っていた。
「メレーナがいなくなったのだから、もう私以外に必要な女なんてだれもいないですよね?グルーム様は私の事だけを愛しているのですから、私のお願いはなんでもかなえてくれるのですよね?」
「あぁ、僕にできる事なら何でも言ってくれ。メレーナが期待外れだった分、君の願いをすべてかなえてあげたいんだ」
「まぁ!!!」
ソフィアはその表情をぱぁっと明るくしながら、グルームの胸元めがけて飛び込んでいく。
…しかしその表情は純粋な愛情から見せるものではなく、完全に獲物を狙う獣の見せるそれであった。
しかしグルームはそんなソフィアの本質には気づくことなく、それでいて彼女の振りまく愛想や香りをその体で感じ、これまで以上に肌で感じる快感に身をかませてしまっていた。
「グルーム様、私は伯爵夫人になったのですよね?これって貴族夫人の中でも最も立場が上であると言ってもいいのですよね?」
「当然だ。君に偉そうな態度をとってくる奴がいたなら、その時がこの僕が直々にそいつを裁いてやろうじゃないか」
自らが伯爵として存在できるのはもう残り短い時間だけとも知らず、得意げな表情を浮かべるグルーム…。
彼がソフィアから良いように利用されているだけだということに気づくとき、その時こそが真に彼が真実に気づくときなのだろう…。
「はぁ…。グルームのやつ、わしへの恩を忘れてそのようなことをするとは…。これは少々痛い仕置きをしなければならないかもしれんな…」
グルームから一方的な婚約破棄を告げられたメレーナは、そのまま自分が元いた屋敷に戻っていた。
彼女は貴族令嬢であるため、生まれながらに知り合いも多く、今こうして話をしている相手もその中の一人だった。
その名はカサルと言い、かつて貴族会を統括していた者の一人であり…。
「それにしても、どうしてグルームはいきなり婚約破棄をするなどと言いだしたのだ?なにかきっかけでもあったのか?」
「私もびっくりしてしまったのですが、なんでもグルーム様から見れば私にはなんの魅力もないのだと…。さらにその上で、最近はソフィアという新しく知り合った女性に心酔されているご様子で、むしろそちらの方が好きになってしまったご様子で…」
「はぁ…。伯爵ともあろう男が、なんたる体たらく…」
メレーナから話を聞くカサルは、大きなため息をつきながらグルームの現状を嘆き始める。
そこには彼に対する同情心などは一切なく、完全に自分の親心を裏切られてしまったというタイプの感情が沸き上がっているように見受けられた。
「わしが貴族会を統括していた時ならば、問答無用で伯爵位をはく奪されるような不祥事であるというのに…。それを止められる者もいないとは…」
「伯爵様はかなりの影響力と権力をお持ちの方ですから、逆らえないのも無理ないのかもしれませんが…」
「いや、これはそれだけで済ませられるものではない。メレーナ、君に無礼を働いたグルームには必ずしかるべき報いを受けさせようではないか」
「お、おじい様…」
どうしてカサルがここまで感情を高ぶらせているのかと言うと、彼にとってメレーナは自分の本当の娘であるかのようにかわいがってきた存在だからだ。
元々貴族としてのつながりがあったのは、メレーナの父とカサルであった。
ゆえにカサルはメレーナが小さな時から関係を築き上げており、そもそも今回の婚約関係を後押しした者の一人でもあった。
…それがこうして裏切られてしまう結果となったのだから、怒りの感情を爆発させるのも無理はない。
もっとも、グルームの方はメレーナとカサルの関係はすでに過去のものと思っており、今もなお二人の関係が続いているということは全く想定していなかった。
一線から退いた今もなお、貴族たちの間に向けて大きな影響力を持つカサルの存在を知っていたなら、グルームとてメレーナとの婚約破棄をためらったのかもしれないが、ソフィアに夢中になってしまっているグルームにはそんなことまで気にするだけの余裕はなかった…。
――グルームとソフィアの会話――
「グルーム様、私はこれであなたの中で一番愛されている存在だということになったのですよね?」
「あぁ、もちろんだとも。僕の目にはもうすでに、君以外誰も映ってはいない」
自分たちの知らないところで事が動き始めていることなど全く知らない二人は、のんきにもメレーナの婚約破棄に成功したことの勝利宣言を行っていた。
「メレーナがいなくなったのだから、もう私以外に必要な女なんてだれもいないですよね?グルーム様は私の事だけを愛しているのですから、私のお願いはなんでもかなえてくれるのですよね?」
「あぁ、僕にできる事なら何でも言ってくれ。メレーナが期待外れだった分、君の願いをすべてかなえてあげたいんだ」
「まぁ!!!」
ソフィアはその表情をぱぁっと明るくしながら、グルームの胸元めがけて飛び込んでいく。
…しかしその表情は純粋な愛情から見せるものではなく、完全に獲物を狙う獣の見せるそれであった。
しかしグルームはそんなソフィアの本質には気づくことなく、それでいて彼女の振りまく愛想や香りをその体で感じ、これまで以上に肌で感じる快感に身をかませてしまっていた。
「グルーム様、私は伯爵夫人になったのですよね?これって貴族夫人の中でも最も立場が上であると言ってもいいのですよね?」
「当然だ。君に偉そうな態度をとってくる奴がいたなら、その時がこの僕が直々にそいつを裁いてやろうじゃないか」
自らが伯爵として存在できるのはもう残り短い時間だけとも知らず、得意げな表情を浮かべるグルーム…。
彼がソフィアから良いように利用されているだけだということに気づくとき、その時こそが真に彼が真実に気づくときなのだろう…。
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