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第5話
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「お久しぶりですね、ロンベル様」
「来てくれると思っていたよセレシア。やっぱり、僕の事を想い続けてくれていたんだね?」
セレシアが想っていた通り、ロンベルはこの状況に置いて自信満々といった様子…。
「(来てくれると思っていたよって…。自分の方が無理やりここに私を呼び出したくせに…)」
心の中にそう言葉をつぶやくセレシアだったものの、それをそのまま口にしたところでおそらく何の進展も得られない。
元婚約者だからこそその事を良くわかっている彼女は、一旦その思いを心の中に思いとどめる。
「それで伯爵様、今日は私にお話があるとのことでしたけれど、一体なんでしょうか?」
「あぁ、その事なんだが…。実は、僕は君との婚約関係を復活させたく思っているんだ」
そのこと自体は、父であるネクトから聞いていたセレシア。
しかし彼女が知りたかったのは、その裏にあるであろうロンベルの思惑だった。
「それはどうしてですか?私の事はもういらないとお考えになったのでは?」
「実は…。君がいなくなってからというもの、この屋敷は大ごとになっているんだ…」
「大ごと?」
「具体的には…。妹たちだよ。セレーナ、ミレア、リリアの3人が、何度言っても言い争いをやめないんだ…」
「なるほど、それで?」
「思い出したんだよ、君がここにいた時の事をね。君がいた時は、彼女たち3人はこれまでに見たことがないほどその思いをひとつにしていた。互いに主張をぶつけることもなくなっていっていたし、喧嘩をする頻度もかなり少なくなっていた。…しかし今、それ以前の状態に戻ってしまっているんだ…。だから、どうにかして僕はそれをあの時に戻したいと思ったんだ」
「……」
その説明を受け、セレシアはロンベルの狙いをすべて理解した。
「(…要するにこの人は、私を共通の敵にしてもう一度3人の妹の心を束ねたいというわけね…。別に私の力が必要になったからとか、私の事を好きになったからとかではなく、ただ置物として戻って来いと言っているのね。よくわかったわ)」
少なくとも、この時伯爵がセレシアに対して形だけでも愛の言葉をつぶやいていたなら、結果は多少はましになっていたかもしれない。
しかし相変わらず妹たちを溺愛し続けている伯爵にそんな気遣いなどできずはずもなく、結局彼はこれまでと変わらないようにしかセレシアに接することができないのだった。
「それで、私に彼女たちをまとめる存在としてここに戻ってきてほしいと?」
「あぁ、それをするためにはやはり婚約者でなければならない。友人として迎え入れることも考えたが、それでは彼女たちは危機感を抱いてはくれないだろう。彼女たちをまとめて嫉妬させるには、やはり僕の婚約者とするのが一番だ」
「……」
「…最近はかなり雰囲気が良くないんだよ…。みんな僕の事を好いてくれているのはうれしいんだが、僕の事を争って内戦が始まったならそれは本末転倒というもの…。そんなことになるのを僕自身が望んでいない。なら、それを止めるために僕はなんだってする覚悟だ。それが君との再婚であるなら、僕は迷わずそれを受けいれる」
良いことを言っているような雰囲気を発しているものの、それは結局自分の都合でしかないということに全く気付いていないロンベル。
おそらくはセレシアの考えていた通り、伯爵である自分が再婚を持ち掛ければセレシアは泣いて喜ぶに決まっているとでも思っているのだろう。
3人の妹たちは誰一人ロンベルの事を愛してなどおらず、彼の持つ伯爵としての権力にしか興味はないというのに、それにも気づいてない時点でやはりそこが知れていると言わざるを得ないのかもしれない…。
そんな身の程知らずのロンベルに対し、セレシアは心の中に思ったことをそのまま口にする。
「それでは、この場で返事をさせていただきたく思います。よろしいですか?」
「あぁ、もちろんだとも、早く聞かせてくれ♪」
「それでは。このお話、丁重にお断りさせていただきます。もう二度と伯爵様と婚約したいとは思っておりませんので、これにてお別れです。さようなら♪」
「…は???」
端的にそう言葉を伝えた後、セレシアは軽くステップを踏みながら伯爵の元から姿を消していく。
…自分が何を言われたのか理解できていない様子のロンベルは、その光景を呆然と見つめるほかなかった…。
「来てくれると思っていたよセレシア。やっぱり、僕の事を想い続けてくれていたんだね?」
セレシアが想っていた通り、ロンベルはこの状況に置いて自信満々といった様子…。
「(来てくれると思っていたよって…。自分の方が無理やりここに私を呼び出したくせに…)」
心の中にそう言葉をつぶやくセレシアだったものの、それをそのまま口にしたところでおそらく何の進展も得られない。
元婚約者だからこそその事を良くわかっている彼女は、一旦その思いを心の中に思いとどめる。
「それで伯爵様、今日は私にお話があるとのことでしたけれど、一体なんでしょうか?」
「あぁ、その事なんだが…。実は、僕は君との婚約関係を復活させたく思っているんだ」
そのこと自体は、父であるネクトから聞いていたセレシア。
しかし彼女が知りたかったのは、その裏にあるであろうロンベルの思惑だった。
「それはどうしてですか?私の事はもういらないとお考えになったのでは?」
「実は…。君がいなくなってからというもの、この屋敷は大ごとになっているんだ…」
「大ごと?」
「具体的には…。妹たちだよ。セレーナ、ミレア、リリアの3人が、何度言っても言い争いをやめないんだ…」
「なるほど、それで?」
「思い出したんだよ、君がここにいた時の事をね。君がいた時は、彼女たち3人はこれまでに見たことがないほどその思いをひとつにしていた。互いに主張をぶつけることもなくなっていっていたし、喧嘩をする頻度もかなり少なくなっていた。…しかし今、それ以前の状態に戻ってしまっているんだ…。だから、どうにかして僕はそれをあの時に戻したいと思ったんだ」
「……」
その説明を受け、セレシアはロンベルの狙いをすべて理解した。
「(…要するにこの人は、私を共通の敵にしてもう一度3人の妹の心を束ねたいというわけね…。別に私の力が必要になったからとか、私の事を好きになったからとかではなく、ただ置物として戻って来いと言っているのね。よくわかったわ)」
少なくとも、この時伯爵がセレシアに対して形だけでも愛の言葉をつぶやいていたなら、結果は多少はましになっていたかもしれない。
しかし相変わらず妹たちを溺愛し続けている伯爵にそんな気遣いなどできずはずもなく、結局彼はこれまでと変わらないようにしかセレシアに接することができないのだった。
「それで、私に彼女たちをまとめる存在としてここに戻ってきてほしいと?」
「あぁ、それをするためにはやはり婚約者でなければならない。友人として迎え入れることも考えたが、それでは彼女たちは危機感を抱いてはくれないだろう。彼女たちをまとめて嫉妬させるには、やはり僕の婚約者とするのが一番だ」
「……」
「…最近はかなり雰囲気が良くないんだよ…。みんな僕の事を好いてくれているのはうれしいんだが、僕の事を争って内戦が始まったならそれは本末転倒というもの…。そんなことになるのを僕自身が望んでいない。なら、それを止めるために僕はなんだってする覚悟だ。それが君との再婚であるなら、僕は迷わずそれを受けいれる」
良いことを言っているような雰囲気を発しているものの、それは結局自分の都合でしかないということに全く気付いていないロンベル。
おそらくはセレシアの考えていた通り、伯爵である自分が再婚を持ち掛ければセレシアは泣いて喜ぶに決まっているとでも思っているのだろう。
3人の妹たちは誰一人ロンベルの事を愛してなどおらず、彼の持つ伯爵としての権力にしか興味はないというのに、それにも気づいてない時点でやはりそこが知れていると言わざるを得ないのかもしれない…。
そんな身の程知らずのロンベルに対し、セレシアは心の中に思ったことをそのまま口にする。
「それでは、この場で返事をさせていただきたく思います。よろしいですか?」
「あぁ、もちろんだとも、早く聞かせてくれ♪」
「それでは。このお話、丁重にお断りさせていただきます。もう二度と伯爵様と婚約したいとは思っておりませんので、これにてお別れです。さようなら♪」
「…は???」
端的にそう言葉を伝えた後、セレシアは軽くステップを踏みながら伯爵の元から姿を消していく。
…自分が何を言われたのか理解できていない様子のロンベルは、その光景を呆然と見つめるほかなかった…。
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