絶対に見つかってはいけない! 〜異世界は怖い場所でした〜

白雪なこ

文字の大きさ
9 / 10

15歳で無事就職!

しおりを挟む
 15歳のエリザちゃんは、王都の中央街で、一人暮らしを開始。
 
 長兄が住む家の近所をすすめられたけれど、結婚した兄は、妻子と暮らすため、家族用アパートーナが立ち並ぶエリアに引っ越していて、近くには一人用の部屋がなかったらしい。

 だから、トップリー出版社の紹介で会社に近い場所にある女性専用アパートーナに入ることにしたそうな。少し家賃は高めだけれど、個室にストーブ兼調理器具を備えていて、寮内に水浴び施設があるところが、気に入ったんですって。

 異世界転生人から地球の近代建築の存在を教えてもらっても、この世界ではまだ、高層建築とか、キッチンバスつきワンルームマンションは技術的に作るのは無理みたい。

 なので、この王国の各家庭に湯船ありのお風呂なんてものはない。でも、中流以上の家庭や清潔にしなきゃいけない職場にはシャワーナがある。記者も身だしなみが大切だよね!

 貧乏な実家では、井戸の水と、沸かしたお湯に浸したタオルで凌いでいたから、エリザちゃんはこの世界では初体験のシャワーナでの水浴びに感動したらしい。

 まあ、人力というか、空気圧ポンプなので、使用中ずっと足踏みしてなくちゃならないけど、大変そうなタンクの水入れは管理人さんに頼めるんだって。寒い季節にはタンクにお湯を混ぜてぬるま湯にできるらしいし、井戸よりいいよね。


 16歳の勤労少女エリザちゃんは、あの6歳の時の衝撃を超える事件に遭遇。

 王都の上流階級の子女たちが通う学園で、逆ハーレムを目指すヒロインと、ヒロインに洗脳、いや、脳汚染されたヒーローらしき少年たちによる、婚約破棄騒動があったのだって。

 上流階級の子供達は15歳で就職などしないので、15歳で入学して18歳で卒業という異世界方式の学園に通う人が多いらしい。

 そして、学園でよろしくない相手と仲良くならないよう、入学前に婚約者を定めておく家が多いとか。

 ラノベの異世界っぽいよね。

 うん、学園の名前も、まさか、まさかの、「王都学園ッポイ」。

 ……異世界が関わる物への名付けルールは、ここでも適用。本当にまさか、だよね。


 で、そのヒロインとヒーローによる大騒ぎがそれはもうほんとに、マジで酷い騒ぎでして。あ、「マジ」という言葉はこの世界に浸透しているよ。使いやすいよね。


 話が逸れたね。

 「王都学園ッポイ」での騒ぎだけど、目新しいものを発見して紹介する、トップリー出版社の「週刊情報誌」の記者が、無視することなどできるわけもなく。

 当然敏腕記者を目指すエリザちゃんは、先頭に立って取材していたよ。
 正面からの突撃だけじゃなく、横からも裏からも、あらゆるところからね。内心不安になりながらも、記者として頑張ったんだって。

 そんな流れで、わかりやすい転生者だったヒロインとか、ヒロインさえいなければバレずに潜伏し続けられていただろう悪役令嬢数人が、黒い制服を着た、異世界研究所の管理官に捕縛されるシーンも、その後漏れ出したニュースなんかも、知ることになってしまい。

 いち勤労少女としてなら目に入ることも耳にすることもなかったのだろうけど。

 とりあえず。

 とりあえず、ね。


 「怖かったぁああああああ!」ガクブル!

 と、本気で怯えていたよ。可哀想だよね。


 夢に見ちゃうけど、悪夢を見て叫んで身バレなんて絶対嫌なので、3ヶ月ほど、寝るときには自作のマウスピースを装着してたんだって。

 口元に布を巻いただけに見えたけど、効果はあったのかな?まあ、捕まらなくてよかったよね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~

白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」 マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。 そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。 だが、この世には例外というものがある。 ストロング家の次女であるアールマティだ。 実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。 そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】 戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。 「仰せのままに」 父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。 「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」 脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。 アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃 ストロング領は大飢饉となっていた。 農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。 主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。 短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。

異世界に召喚された様ですが、村人Aと間違えられて追い出されましたorz

かぜかおる
ファンタジー
題名のまんま、特に落ちもないので、暇つぶしにフワッと読んでください。

足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました

ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」 優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。 ――僕には才能がなかった。 打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。

勇者パーティを追放された地味な器用貧乏は、 魔王軍の女騎士とスローライフを送る

ちくわ食べます
ファンタジー
勇者パーティから「地味、英雄譚の汚点」と揶揄され追放された器用貧乏な裏方の僕。 帰る場所もなく死の森を彷徨っていたところ、偶然にも重傷を負った魔王軍四天王で最強の女騎士「黒鉄剣のリューシア」と遭遇する。 敵同士のはずなのに、なぜか彼女を放っておけなくて。治療し、世話をし、一緒に暮らすことになった僕。 これは追放された男と、敗北を重ね居場所を失った女の物語。

男装して過ごしてたら、学園内でも札付きの悪で有名な男子に顔面殴られて、更に女だとバレて責任取るって土下座された話

一樹
ファンタジー
タイトル=あらすじ、です。 つまりはそういう内容です。

【完結】アル中の俺、転生して断酒したのに毒杯を賜る

堀 和三盆
ファンタジー
 前世、俺はいわゆるアル中だった。色んな言い訳はあるが、ただ単に俺の心が弱かった。酒に逃げた。朝も昼も夜も酒を飲み、周囲や家族に迷惑をかけた。だから。転生した俺は決意した。今世では決して酒は飲まない、と。  それなのに、まさか無実の罪で毒杯を賜るなんて。

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

転生者と蘇生者。勇者を助けたら、望みもしないの転生させれらてた。平和な世の中なんで、元の世界と前世の知識でまったり無双漫遊生活を満喫すること

ゆうた
ファンタジー
日本の高校生、陽翔は突然、異世界に召喚された。その世界は存亡に瀕していた。そして、魔王を討伐するための旅を強要された。選択肢はなく、仲間と共に旅路についた。 旅の過程でひ弱だった陽翔は成長し、他の仲間と肩を並べるまでに心も身体も成長した。それから5年の歳月が過ぎて、陽翔は魔王の住まう城で最後の戦いを 迎えようとしていた。

処理中です...