5 / 5
5話※
しおりを挟む
ハンクが見たこともない甘い表情で、こちらを見下ろしている。
「ハンク、そんな顔するんだ」
「気持ちが通じ合って繋がるのはやはり嬉しいですから。でも、イリアスさんには早く寝てほしいので、一回だけでやめますね」
「んあっ……」
一回だけ。そう決めたせいか、この前よりもだいぶスローペースにゆるゆるとした動きでナカを責めたてられている。ぬちっぬちっという音が響く。
「あっあっ、んあぁっ」
「はぁっ、可愛いですよ、イリアスさんっ」
淡い快楽がもどかしい。もっと強い刺激がほしくて堪らなくなる。
「ね、もっとはげしくして」
「駄目です。一回で終われなくなります」
「おわらなくていいからぁっ」
「勘弁してください。俺だって本当はめちゃくちゃにしたいのを頑張って抑えてるんです。週末になったらまた目一杯楽しみましょう? ね?」
年下になだめられるように言われてしまえば、我慢せざるを得ない。
僕が果てたあと、ハンクも達した。
「そんな物足りないっていう目で見ないで、シャワー浴びてきてください」
「分かったよ」
僕もハンクもシャワーを浴びて、ベッドに入る。僕は、ハンクの長身にすっぽり収まるようにして寝転んだ。
「ふふっ、ハンクだぁ。あったかぁい」
目の前にある鼻先をちょんとつつくと、ハンクの顔はみるみる赤くなった。
「ほんと勘弁してくださいよ。なんですか今の。可愛すぎるでしょう」
ハンクが僕の背中に手を回して、ぽんぽんと叩く。
「ずっと傍にいます。眠れそうですか」
「うん、久々によく眠れそー……」
そう言っている間にも瞼が重くなってきて、僕は眠気に身をゆだねた。
「おやすみなさい、イリアスさん」
◆
「え、文書管理課のおっさん、部下に手を出しまくってたのバレて左遷させられたんすか!?」
「チェスター、声が大きいよ」
朝一番にラルドさんが報告があると言われて飛び込んできたニュースがこれだ。僕なんか、冷や汗がだらだらとしている。
「いや、だって、騒ぎたくもなりますって。うわー、マジっすか。噂じゃなくて、実話だったってことっすよね」
「火が無いとことに煙はたたずって言うしねぇ。部下が揃って上に報告にしたんだって。左遷先は坑道での力仕事だ。今まで事務仕事だったおじさんはすぐに音を上げて依願退職になるだろうねぇ」
「わー、容赦ないっすねぇ。ここにも部下を食った上司がいますけど」
「食ったのは俺ですし、俺たちは健全なお付き合いなので、同じにしないでください」
「イリアス君も、ようやく身を固めることになって何よりだよ。長く続くように祈ってるよ」
顔から火が噴き出そうな心地だ。
「こんなに可愛い恋人を手放すわけないじゃないですか。例えイリアスさんが別れ話を持ち出してきても、俺は全力で粘ります。まず別れ話を切り出されないように努力します」」
チェスターが、ひゅう、とはやし立てる。
「お熱いこって」
「で、文書管理課の課長職が空いたわけなんだけど、僕はイリアス君を推薦しようと思ってる。ハンク君と離れ離れになっちゃうけど、結婚したら部署は離す決まりだし、ちょっと早まるだけだよ。どう?」
「ぼ、僕でよければ!」
うんうん、とラルドさんが頷く。
「イリアスさんならきっと勤まりますよ。悩んだらすぐ俺に相談してくださいね」
本当は自信がない。それでもハンクに励まされれば、不思議と何でもできる気がした。
「ハンク、そんな顔するんだ」
「気持ちが通じ合って繋がるのはやはり嬉しいですから。でも、イリアスさんには早く寝てほしいので、一回だけでやめますね」
「んあっ……」
一回だけ。そう決めたせいか、この前よりもだいぶスローペースにゆるゆるとした動きでナカを責めたてられている。ぬちっぬちっという音が響く。
「あっあっ、んあぁっ」
「はぁっ、可愛いですよ、イリアスさんっ」
淡い快楽がもどかしい。もっと強い刺激がほしくて堪らなくなる。
「ね、もっとはげしくして」
「駄目です。一回で終われなくなります」
「おわらなくていいからぁっ」
「勘弁してください。俺だって本当はめちゃくちゃにしたいのを頑張って抑えてるんです。週末になったらまた目一杯楽しみましょう? ね?」
年下になだめられるように言われてしまえば、我慢せざるを得ない。
僕が果てたあと、ハンクも達した。
「そんな物足りないっていう目で見ないで、シャワー浴びてきてください」
「分かったよ」
僕もハンクもシャワーを浴びて、ベッドに入る。僕は、ハンクの長身にすっぽり収まるようにして寝転んだ。
「ふふっ、ハンクだぁ。あったかぁい」
目の前にある鼻先をちょんとつつくと、ハンクの顔はみるみる赤くなった。
「ほんと勘弁してくださいよ。なんですか今の。可愛すぎるでしょう」
ハンクが僕の背中に手を回して、ぽんぽんと叩く。
「ずっと傍にいます。眠れそうですか」
「うん、久々によく眠れそー……」
そう言っている間にも瞼が重くなってきて、僕は眠気に身をゆだねた。
「おやすみなさい、イリアスさん」
◆
「え、文書管理課のおっさん、部下に手を出しまくってたのバレて左遷させられたんすか!?」
「チェスター、声が大きいよ」
朝一番にラルドさんが報告があると言われて飛び込んできたニュースがこれだ。僕なんか、冷や汗がだらだらとしている。
「いや、だって、騒ぎたくもなりますって。うわー、マジっすか。噂じゃなくて、実話だったってことっすよね」
「火が無いとことに煙はたたずって言うしねぇ。部下が揃って上に報告にしたんだって。左遷先は坑道での力仕事だ。今まで事務仕事だったおじさんはすぐに音を上げて依願退職になるだろうねぇ」
「わー、容赦ないっすねぇ。ここにも部下を食った上司がいますけど」
「食ったのは俺ですし、俺たちは健全なお付き合いなので、同じにしないでください」
「イリアス君も、ようやく身を固めることになって何よりだよ。長く続くように祈ってるよ」
顔から火が噴き出そうな心地だ。
「こんなに可愛い恋人を手放すわけないじゃないですか。例えイリアスさんが別れ話を持ち出してきても、俺は全力で粘ります。まず別れ話を切り出されないように努力します」」
チェスターが、ひゅう、とはやし立てる。
「お熱いこって」
「で、文書管理課の課長職が空いたわけなんだけど、僕はイリアス君を推薦しようと思ってる。ハンク君と離れ離れになっちゃうけど、結婚したら部署は離す決まりだし、ちょっと早まるだけだよ。どう?」
「ぼ、僕でよければ!」
うんうん、とラルドさんが頷く。
「イリアスさんならきっと勤まりますよ。悩んだらすぐ俺に相談してくださいね」
本当は自信がない。それでもハンクに励まされれば、不思議と何でもできる気がした。
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
使用人の俺を坊ちゃんが構う理由
真魚
BL
【貴族令息×力を失った魔術師】
かつて類い稀な魔術の才能を持っていたセシルは、魔物との戦いに負け、魔力と片足の自由を失ってしまった。伯爵家の下働きとして置いてもらいながら雑用すらまともにできず、日々飢え、昔の面影も無いほど惨めな姿となっていたセシルの唯一の癒しは、むかし弟のように可愛がっていた伯爵家次男のジェフリーの成長していく姿を時折目にすることだった。
こんなみすぼらしい自分のことなど、完全に忘れてしまっているだろうと思っていたのに、ある夜、ジェフリーからその世話係に仕事を変えさせられ……
※ムーンライトノベルズにも掲載しています
給餌行為が求愛行動だってなんで誰も教えてくれなかったんだ!
永川さき
BL
魔術教師で平民のマテウス・アージェルは、元教え子で現同僚のアイザック・ウェルズリー子爵と毎日食堂で昼食をともにしている。
ただ、その食事風景は特殊なもので……。
元教え子のスパダリ魔術教師×未亡人で成人した子持ちのおっさん魔術教師
まー様企画の「おっさん受けBL企画」参加作品です。
他サイトにも掲載しています。
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた
こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。
「じゃあ、別れるか」
万年青二三歳
BL
三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。
期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。
ケンカップル好きへ捧げます。
ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる