ホラー短編集【キグルミ】

AAKI

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4篇目タイトル【蘇生の回廊】

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 今年こそはと、何日も前から念入りに準備していた。別荘とやらも下見と一緒に食材を運び込むのも終えている。何も問題などない。
 それでも日が近づくにつれ胸に期待混じりの不安が去来する。
 最たる理由は、やはり恋の行方である。

河内かわうちさん……」

 ベッドに横たわり、スマフォの画面を切り替えアルバムを開いた。そこに写っているロングヘアーの女性を眺めて淳平はつぶやいた。
 河内 千春ちはる。淳平が思いを寄せる歴史研究サークルの仲間である。
 快活ながら勉学に限らず学ぶことを大事にしており、サークルを超えて大学でも――古い言い方だが――マドンナとして有名な才色兼備の女性だ。

「高望みしすぎだろうけど、せめてもう少し仲良くなれれば良いなぁ」

 付き合えるわけはないと、どうせ学外にでも彼氏がいるのだろうと、諦めてはいた。決して千春から嫌われているといったう様子ではなかったが、淳平の控えめな性格で積極的に仲を深めることはできていない。
 こうして、不安な夜を何度か迎え旅行当日がやってきた。
 正直、到着してから少しの間はオフショルの姿が眩しくて千春の姿しか見えていなかった。いや、もちろん他の女性人の格好は夏の薄着も合わせてやや扇情的だったが。

「楽しみだね~」
「えっ、あ、そうですね」

 電車の中、目的の駅に近づいてきたところで何度目かになる千春のセリフは淳平に向けられた。大半の時間、一つ離れた席で横目にチラチラと見つめることしかできなかっただけに、少しばかり驚いてしまう。
 基本的には他の友人と携帯ゲームをして遊ぶか、残りの4人がトランプカードをしていたのでたまに入れ替わるか。それぐらいだった。
 隣に座りながらも緊張してトランプの内容しか話せなかったことで、淳平は自らを責める。

「桑名くんは福田ふくだくんや上山くんと一緒に、別荘を見に行ったんでしょ? どんな感じだったの?」

 千春は、他の皆が先へ歩いていくのを確認してから聞いた。

「食材とかバーベキューの道具は運び込んだけど」

 淳平もそう答えつつ一瞬だけ行雄の方を見る。確かに言い出しっぺと友人の福田、自身を含め3人で簡単な作業はしたものの、台所など水回りしか見ていないのだ。

「上山さんが。宿泊する部屋の方も確認したかったんだけど、なんか後のお楽しみとかで見せてくれなかったんだ」

 割と強く別の部屋へ行かないように注意されたため、また何かを企んでいるのだろうと淳平は考える。
 
「ふーん、何を考えてるんだろうね。まぁ、見れた範囲だとどんな感じだった?」

 千春も行雄の計画を心配するが、考えても仕方ないとしたのか質問を続ける。
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