奥さまはモンスターバスター 時々 異世界召喚勇者

はなぶさ 源ちゃん

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アトランティスから来た転生者 編

73 学校に転入しました

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 「さあ、今日から新学期やで♪そして、なんと新しい仲間が入ってくれるんや。
 さあ、入ってきいや♪」
 錦織さん…先生の紹介に従って僕は三年雪組の教室に入っていく。
 クラスメイト達は非常に興味深い視線で僕を見ている。
 緊張しながらも周囲を見回すと、瀬利亜さん、千早さん、望海さん、バネッサさん、遥さん……なんでトラミちゃんまでこのクラスにいるわけ?!

 「今日からみんなの仲間になる『早川良太』くんや。瀬利亜はんの遠縁で、わてらと同じく石川邸に下宿中や。仲良うしてあげてや♪」
 錦織先生の紹介が終わると同時にえええええ?!!という風にクラスが蜂をつついたような騒ぎになる。しかも、明らかに『女性陣からの視線が厳しい』のはどういうわけだろうか?

 「おおっと!みなはん、なんか勘違いしてはるね。良太はんは見ての通り草食系で、スーパーへたれやさかい、誰とも、特に瀬利亜はんとは普通のお友達…くらいの感覚や。
 そんで、素朴なお人よしやから、可愛がってあげて欲しいんや♪」
 錦織先生の『フォロー?』のおかげで、クラスはどっと沸き、みんなの視線が一気にやさしくなった。
 ほっとすると同時に、『ヘタレ扱い』にかなりへこんだのも事実だ。


 そして僕は……男子、橋本君という気さくな感じのクラスメイトから話しかけられて、男同士でつるんで弁当を食べている。
 安倍君というフツメンの男子と伊集院君というイケメン男子…それからなぜかトラミちゃんまで円卓上になっているんだけど…。

 「なあ、橋本。どうしてこのメンツで弁当を食べねばならんのだ?」
 伊集院君は今ひとつ不機嫌そうで、その様子を人のよさそうな安倍君が苦笑いしながら見ている。

 「何を言っているんだ、伊集院!転入生がぼっちにならないように気を配ってあげるのは伊集院グループ次期総帥の役目だと思わないかい?」
 「思わないから!!いや、転入生が一人きりにならないように配慮すること自体はクラスメートとしては当然かもしれないが…。」
うん、二人ともかなりいい人達であるのは間違いないみたいだね…。

 「ということで、良太。伊集院も見かけによらずいいやつなのにゃ♪」
 「待て、トラミ嬢!見かけに寄らずってどういうことだ?!!」
 トラミちゃんが僕に解説するのを伊集院君がツッコミを入れている。

 「まあ、それはそれとして、早川の弁当おいしそうだよな。誰に作ってもらったんだ?」
 「ええと、これは…」
 そう言えば、あたふたしすぎて聞くのを忘れていたよね…。

 「そのお弁当は望海ちゃんが作ってくれたのです♪」
 えええええ?!瀬利亜さん、そうなんですか?!!

 「「なんだって?!!」」「「「「「なんですって?!」」」」」
 橋本君と伊集院君も驚いていたが、それ以上に周りの女子たちが大騒ぎになっている。
 それだけでなく、なんだか女子たちの僕を見る目が厳しいんですが?!

 「ちなみに今日の私のお弁当も望海ちゃんの愛情弁当です♪」
 「「「「ええええ!!うらやましい!!」」」」
 瀬利亜さんの告白に女子たちの矛先?が代わって、望海ちゃんを『うらやましそう』に見ている。

 「えーと、この差は一体…。」
 「早川、言うな!このクラスは女性の方がカーストが高いのだ…。
 まあ、女性陣の見た目も内面もクオリティーがすごく高いので、『彼女ができない』ことを除けば天国のようなクラスではあるのだけど…。」
 橋本君が『彼女ができない』の部分に心の底からの叫びを入れて強調している。

 「それから、伊集院の弁当は相変わらずスゴイな。誰が作ったか…は明白なので聞かないが、外も中身も超豪勢だよな…。だから…おかず交換してくれないか…。」
 「わかった、わかった…。で、どれがいいんだ。」
 「ええと、そのイセエビの中華炒めと、フォアグラのソテーと…。」
 いやいや!外側のお重もすごいけど、どんな豪華弁当なわけ!!

 「ええと、あのお弁当は誰が…」
 「伊集院の婚約者が作ったにゃ♪伊集院はツンデレだから、素直に表現しにゃいのだけど、いつも本当に嬉しそうに食べているにゃ♪」
 僕が話し出したら、トラミちゃんがすごいこと暴露しだしたよね?!伊集院君が顔を青くしているよ?!

 「まあ、聡♪いつもうれしそうに召し上がっていただいているなんて光栄だわ♪」
 背の高い上品な女生徒がゆったりと近づいてくる。
 話の流れから言えば、伊集院君の婚約者ということになるけど、スゴイ美人だね…。

 「楓、いや…その…トラミちゃんはだな…。」
 伊集院君が焦って、しどろもどろになっている。

 「あら、いいのよ。聡に喜んで食べてもらえるなら♪
 トラミちゃん、いいことを教えてくれてありがとう♪」
 楓さんはトラミちゃんににっこりと笑いかけると優雅に去っていった。

 「くううう!うらやましい!!内容がすごいこと以上にあんな美人に弁当を作ってもらえることがうらやましい!!
 ……ところで、キヨマー。
 いつもとは弁当の見かけが全然違うんだが、もしかして別の人に作ってもらったのか?」
 叫んでいた橋本君が、今度は隣の安倍君の弁当に注目する。

 「いやあ、バネッサさんが夏休みに特訓してお弁当を作れるようになったからと言って持ってきてくれたんだ。
 バネッサさん、瀬利亜さんが味の保障をしてくれるようになったからととても喜んでいてね。
 今から食べるのが本当に楽しみなんだ♪」
 「ぐおおおおお!!!リア充ども爆発しろ!!!!
 どうして!おれだけ母ちゃんの弁当なんだ?!!!
 …そういえば、トラミちゃんのお弁当…というか、その超豪華オードブルはいったいどなたがお作りになられたのでしょうか?」
 …トラミちゃんは五~六人分くらいあるオードブルセット、唐揚げやら、ハンバーグやらエビフライにスパゲティに…どんだけ豪勢で量があるの?!!

 「もちろん、自作だニャ♪瀬利亜ちゃんが『真の美食家になりたければおいしいものを自作できるようになるべし!!』と教えてくれたにゃ!
 それからは巧さんと一緒に特訓する毎日だったにゃ♪
 おかげで、和洋中華とも一通り作れるようになったにゃ♪」
 トラミちゃんが誇らしげに語りながらオードブルをぱくついている。
 …こんな小さな体のどこに入るのか不思議なくらいの量がどんどんトラミちゃんの口の中へ消えていっている。

 その様子を見ていたひとりの女の子…ややきつめのすごい美女が瀬利亜さんに歩み寄る。

 「あの、よろしかったら私たちにも料理を教えていただけるとありがたいのですが…。」
 スレンダーで大人びた美少女が懸命に頼むと、瀬利亜さんはにっこりと笑った。

 「男女を問わず料理は作れた方がいいと思うけど、氷室さんは愛情深いから、その愛情深さが料理に載ってくれそうで、さらに楽しみだわね♪
 家で料理教室を開催するのも面白そうだわね♪」
 瀬利亜さんに愛情深いと言われて、氷室さんは赤くなって照れてしまっている。
 そして、話を聞いていた女生徒たちが次々に料理教室への参加を表明している。


 僕たちが呆然としながらその様子を見ていると、オードブルを食べ終えたトラミちゃんが橋本君に笑いかけた。
 「女子たちが料理を習うと言いだしてちょうどいいにゃ♪橋本もこの機会にお弁当を作ってもらえるよう頼めばいいにゃ♪」
 「トラミちゃん!何を言いだすの?!!俺が誰に何を頼めばいいというわけ?!!」
 橋本君が真っ青になってうろたえている。

 「ふっふっふ、トラミ・イアーは地獄耳、トラミ・アイは真実を見通す目なのにゃ♪
 この機会に『告白』せずして、いつ告白するのにゃ♪
 ちょうどいいから『一生俺の弁当を作ってくれ♪』と言えばいいにゃ♪」
 「それ、どう聞いてもプロポーズだよね?!言えるわけないじゃん!!!」

 トラミちゃんにつられて叫んだ橋本君が気づくと、クラス中の視線が橋本君に集まっている
 「……ええと…みんな、落ち着け!!これは……トラミちゃんが俺をからかっただけだから。」
 橋本君があせって一生懸命言い訳をするのを、みんなは優しい視線でうなずいてあげている。
 うん、いいクラスだね…。

 「ここで、目ざとい人…まあ、女子は全員なんですけど…は気付くんですよね。橋本君が誰を好きで、その相手がどう思っているかを。」
 いつの間にか僕の傍に来ていた望海ちゃんがうんうんうなずいている。
 そして、望海ちゃんがこっそり示してくれる先では、おたおたしている橋本君を見て、先ほどの美少女・氷室さんが異常にそわそわしているのが見て取れる。

 「そうなのにゃ。美女と野獣…にゃらぬ、美女とフツメンになりそうなのにゃ。
 良太も基本いいやつなのにゃから、誠実に頑張れば、もしかしたら美女をゲットできるかもしれにゃいのにゃ♪」
 トラミちゃんがドヤ顔で僕に笑いかけてくれている…。

 こうして、僕の新たな学園生活は始まったのだった。
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