23 / 270
第3章 従魔編
304.革細工職人との出会い
しおりを挟む
賢者サビオに怒られてしまったが、何が悪かったのか、未だに分からない。
考えても仕方がないので、先に進むことにした。取り敢えず、「思えばいい」ので頭の中で、「種族を隠蔽したい」と念じた。スキル鑑定で、見てみると確かに、「(隠蔽)」と表示された。
でも、これでは、隠蔽してますよって、言っていることと同じだよ。
まあ、ゴーレムと表示されるよりはましかなぁ。何とかして、スキル隠蔽のレベルアップをはからなければね。
今日は、店の開店準備をして、ジュナに特級アイテムボックスを納品しに行く予定だ。
いつも通り、「営業中」の札をドアノブにぶら下げてから、普通の道具屋に行った。
「すまません。ジュナ、いますか?」
「あら、テラ、どうしたの」
「今日は、納品に来ました。これが、今月分です」
「仕事が早いね。やっぱり、若いね」
「仕事の速さは、若さとは関係ないですよ」
「そうかなぁ。やっぱり、若いね」
「支払いは、商業IDに入れて貰えますか?」
「へぇ、商業IDも持っているの」
「どうして、おかしい?」
「そんなことはないけど、まだ、10歳ぐらいだよね。テラは」
「そうだよ。悪い?」
「うーん。考えちゃうね。私、いくつに見える?」
「お姉さんって、感じだから、22才かな」
「ほぉー、いい線言ってるね。23歳だよ」
「そうなんだ。最近、年齢がよく分からない。自分の年齢も、よく分からない」
「ボケるには、早いよ」
「そうだね」
「それじゃ、今回の料金だよ。金貨4000枚ね」
「また、来月、お願いします」
「それじゃ、またね」
私達は、ジュナと別れた後、革細工職人のコプトの家に行った。
「こんにちは、邪魔するよ」
「おぉ、テラじゃないか。今日はどうしたんだ」
「コプトが酔ってないか、見に来たんだよ」
「あれから、飲んじゃいないよ。今日も、一つ仕事を仕上げたんだ」
「これか。よく出来てるね。これ、売るとするといくらで売るの?」
「そうだな。金貨10枚かな。でも、今は売れないから。腕が訛らないように作っているだけさ」
「そうなんだ。そしたら、これ貰っていってもいい?」
「どうして、そうなるんだ」
「だって、練習でしょ。だから、売り物じゃないって」
「練習だけど、ちゃんと作っているよ。だから、商品だよ」
「そうか、仕方ないな。それじゃ、金貨10枚でもらうよ」
「えぇ、いいのか?」
「いいよ、コプトの名前を出さずに売るよ。構わない?」
「別にいいよ。売れるなら、嬉しい」
「それじゃ、また、作っておいてね」
「よし、任せとけ」
「バイバイ」
私達は、革細工師の家を出て、転移魔法で移動して、店に戻った。
私は、無人販売用の機械に商品を補充して、商業ギルドに向かった。
「リンダ、こんにちは。時間ある?」
「今は、暇よ。もうすぐすると、冒険者達が帰って来るから、忙しくなるけど、後1時間ぐらい、大丈夫よ」
「ちょっと、見て欲しい物があるんだ」
「どれどれ、革細工だね。高級品か。こんなもの、どうしたの?」
「うん、買って来たの。それで、損したかなぁって、思って、リンダに見て欲しいの」
「そうか、鑑定してあげるよ。トレーに置いてみて」
「はい、置いたよ」
「フーン、結構上等な物ね。金貨20枚でなら、引き取れるよ。どうする?」
「そうか、やっぱりね」
「どういうこと、損したの?」
「リンダ、逆だよ。儲けたよ」
「えぇー、そうなんだ。テラは、目利きも出来るのね」
「そんなことは、ないよ。だから、自信なかったもの。それで、リンダに相談したんだよ」
「そうか、それで、どうする。売るの?」
「商業ギルドは、これを買ってどうするの、教えて貰ってもいい?」
「皆知っていることだから、いいよ」
「そしたら、教えて」
「ここの商店で売るか、他の街・国で売るか、どちらかね。
それは、物によるの。他の街・国で不足している物なら、そちらに持っていくし。
この街での需要が多い物なら、この街で売るよ」
「そうか。この革細工は、どっち?」
「この街でも売れるけど、他の国に持っていく方が高いだろうね。
多分金貨30枚以上で売れそうよ。でも、輸送費が掛かるから、実際は、どれだけ儲かるか分からないわ」
「リンダは、この商業ギルドで働いて長いの?」
「私? そうねぇ、もう、5年になるかな」
「それって、長い方なの?」
「難しいね。女性としては長い方ね。皆結婚して止めていくから」
「リンダは、結婚しないの?」
「良い人が居たら、結婚するよ。どうして?」
「なんとなく、聞いてみただけ」
「今日は、どうもありがとう。色々、教えて貰って、勉強になった」
「それじゃ、また、来るね」
私達は、商業ギルドを出て、店に戻った。ドアノブの札を「休業中」に変更して、地下室に行った。
現在は、地下室の下にもう一階隠し地下室を作っている。それと、地下牢の前の工房もある。
でも、今後、他の街にも店を進出させることを考えると手狭になるかもしれない。
そこで、更に地下を作ることにした。つまり、地下3階と地下4階だ。そこは、商品を置く倉庫にする予定だ。
そうだ、スピアに、地下牢前の工房を見せていなかった。
「スピア、おいで」
「はい」
私は、スピアの腰にしがみ付き、転移魔法で地下牢前の工房に移動した。
「ここは、スピア、始めてね。上の階も見ておいて」
「うん。見てくる」
スピアは、工房や草原を見て回った。
「しっかり、覚えておいてね。どこに何があるか。今度は、一人で来て貰うかも知れないから」
「うん。覚える」
スピアは、可愛い。今日の仕事は一応完了したので、店に戻って、寝ることにした。
「スピア、おいで、帰って寝るよ」
今日も、スピアに添い寝してもらうんだ。私は、嬉しくて、にやけてしまった。
考えても仕方がないので、先に進むことにした。取り敢えず、「思えばいい」ので頭の中で、「種族を隠蔽したい」と念じた。スキル鑑定で、見てみると確かに、「(隠蔽)」と表示された。
でも、これでは、隠蔽してますよって、言っていることと同じだよ。
まあ、ゴーレムと表示されるよりはましかなぁ。何とかして、スキル隠蔽のレベルアップをはからなければね。
今日は、店の開店準備をして、ジュナに特級アイテムボックスを納品しに行く予定だ。
いつも通り、「営業中」の札をドアノブにぶら下げてから、普通の道具屋に行った。
「すまません。ジュナ、いますか?」
「あら、テラ、どうしたの」
「今日は、納品に来ました。これが、今月分です」
「仕事が早いね。やっぱり、若いね」
「仕事の速さは、若さとは関係ないですよ」
「そうかなぁ。やっぱり、若いね」
「支払いは、商業IDに入れて貰えますか?」
「へぇ、商業IDも持っているの」
「どうして、おかしい?」
「そんなことはないけど、まだ、10歳ぐらいだよね。テラは」
「そうだよ。悪い?」
「うーん。考えちゃうね。私、いくつに見える?」
「お姉さんって、感じだから、22才かな」
「ほぉー、いい線言ってるね。23歳だよ」
「そうなんだ。最近、年齢がよく分からない。自分の年齢も、よく分からない」
「ボケるには、早いよ」
「そうだね」
「それじゃ、今回の料金だよ。金貨4000枚ね」
「また、来月、お願いします」
「それじゃ、またね」
私達は、ジュナと別れた後、革細工職人のコプトの家に行った。
「こんにちは、邪魔するよ」
「おぉ、テラじゃないか。今日はどうしたんだ」
「コプトが酔ってないか、見に来たんだよ」
「あれから、飲んじゃいないよ。今日も、一つ仕事を仕上げたんだ」
「これか。よく出来てるね。これ、売るとするといくらで売るの?」
「そうだな。金貨10枚かな。でも、今は売れないから。腕が訛らないように作っているだけさ」
「そうなんだ。そしたら、これ貰っていってもいい?」
「どうして、そうなるんだ」
「だって、練習でしょ。だから、売り物じゃないって」
「練習だけど、ちゃんと作っているよ。だから、商品だよ」
「そうか、仕方ないな。それじゃ、金貨10枚でもらうよ」
「えぇ、いいのか?」
「いいよ、コプトの名前を出さずに売るよ。構わない?」
「別にいいよ。売れるなら、嬉しい」
「それじゃ、また、作っておいてね」
「よし、任せとけ」
「バイバイ」
私達は、革細工師の家を出て、転移魔法で移動して、店に戻った。
私は、無人販売用の機械に商品を補充して、商業ギルドに向かった。
「リンダ、こんにちは。時間ある?」
「今は、暇よ。もうすぐすると、冒険者達が帰って来るから、忙しくなるけど、後1時間ぐらい、大丈夫よ」
「ちょっと、見て欲しい物があるんだ」
「どれどれ、革細工だね。高級品か。こんなもの、どうしたの?」
「うん、買って来たの。それで、損したかなぁって、思って、リンダに見て欲しいの」
「そうか、鑑定してあげるよ。トレーに置いてみて」
「はい、置いたよ」
「フーン、結構上等な物ね。金貨20枚でなら、引き取れるよ。どうする?」
「そうか、やっぱりね」
「どういうこと、損したの?」
「リンダ、逆だよ。儲けたよ」
「えぇー、そうなんだ。テラは、目利きも出来るのね」
「そんなことは、ないよ。だから、自信なかったもの。それで、リンダに相談したんだよ」
「そうか、それで、どうする。売るの?」
「商業ギルドは、これを買ってどうするの、教えて貰ってもいい?」
「皆知っていることだから、いいよ」
「そしたら、教えて」
「ここの商店で売るか、他の街・国で売るか、どちらかね。
それは、物によるの。他の街・国で不足している物なら、そちらに持っていくし。
この街での需要が多い物なら、この街で売るよ」
「そうか。この革細工は、どっち?」
「この街でも売れるけど、他の国に持っていく方が高いだろうね。
多分金貨30枚以上で売れそうよ。でも、輸送費が掛かるから、実際は、どれだけ儲かるか分からないわ」
「リンダは、この商業ギルドで働いて長いの?」
「私? そうねぇ、もう、5年になるかな」
「それって、長い方なの?」
「難しいね。女性としては長い方ね。皆結婚して止めていくから」
「リンダは、結婚しないの?」
「良い人が居たら、結婚するよ。どうして?」
「なんとなく、聞いてみただけ」
「今日は、どうもありがとう。色々、教えて貰って、勉強になった」
「それじゃ、また、来るね」
私達は、商業ギルドを出て、店に戻った。ドアノブの札を「休業中」に変更して、地下室に行った。
現在は、地下室の下にもう一階隠し地下室を作っている。それと、地下牢の前の工房もある。
でも、今後、他の街にも店を進出させることを考えると手狭になるかもしれない。
そこで、更に地下を作ることにした。つまり、地下3階と地下4階だ。そこは、商品を置く倉庫にする予定だ。
そうだ、スピアに、地下牢前の工房を見せていなかった。
「スピア、おいで」
「はい」
私は、スピアの腰にしがみ付き、転移魔法で地下牢前の工房に移動した。
「ここは、スピア、始めてね。上の階も見ておいて」
「うん。見てくる」
スピアは、工房や草原を見て回った。
「しっかり、覚えておいてね。どこに何があるか。今度は、一人で来て貰うかも知れないから」
「うん。覚える」
スピアは、可愛い。今日の仕事は一応完了したので、店に戻って、寝ることにした。
「スピア、おいで、帰って寝るよ」
今日も、スピアに添い寝してもらうんだ。私は、嬉しくて、にやけてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~
ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。
絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。
彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。
営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。
「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」
転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。
だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。
ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。
周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。
「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」
戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。
現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。
「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」
これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる