錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

文字の大きさ
106 / 270
 第12章 魔法学院(見学)編

1203.テラの憂鬱

しおりを挟む
 私は、思念伝達で、レンゲーに連絡を入れた。

 「テラだけど、今、時間はある?」

 「はい、大丈夫です」

 「以前、依頼した件はどうなった?」

 「港湾の改善計画は実施段階に移行しています。
 それから、軍隊の配置計画は、立案が終わりました。基地の増設と機能移転は、これからです。
 最後に、ソーロン帝国とミーヤ国の連合艦隊への対応については、新規の武器を考えています。
 今、設計を依頼しています。完成すれば、テラにも、依頼したいことがありますので、その時は、お願いします」
 
 「はい、分かった。引き続きよろしくね」

 私は、思念伝達を切った。もう少し、慌てないといけないが、概ね順調だ。

 次に、思念伝達で、シロッコスに連絡を入れた。

 「テラだよ。シロッコス、少し、頼みたいことがあるの。いいかな?」

 「何でしょうか」

 「以前、巫女の話を聞いたのでけど、光魔法が使えるって、本当?」

 「はい、本当です。我々の巫女は、光魔法が得意です。逆に、光魔法が使えない巫女はいません」

 「そうか、その巫女を仲間にできないかな? もちろん、戦場に連れて行くつもりはないよ。
 医療機関での治療にあたって欲しいんだ」
 
 「巫女に病院での治療に当たれということですか? 神殿ではないですよね」

 「君たちの宗教に関与するつもりは、ないよ。君たちの宗教は尊重するよ。だから、巫女が今まで通りの宗教活動を行っても、構わないし、寧ろ援助するよ」

 「分かりました。説得してみます。でも、期待はしないでください。巫女の気持ちはよくわからないので」

 「いいよ。慌てることはないからね。ゆっくりと時間を掛けて、説得してみてくれ」

 「はい、了解しました」

 私は、思念伝達を切った。

 あぁ、しまった。家族の移住のことを確認するのを忘れていた。

 まあ、家族の事は、私がとやかく言う問題でもないね。時間と共に解決するだろう。放っておくに限るね。

 私達は、1時間目の授業に備えて、教室へ移動した。

 教室の中には、いつものメンバーが居た。何故か、今日は、3人が並んで座っていた。

 私達は、指定席に向かた。シジン魔法学院の見学以来なんだ。気不味くなっている。

 私は、会釈だけして。前を通り過ぎようとした。レイカがこちらを見て、睨んでいる。気づかない振りをして、移動し続けた。

 「やれやれ、だね。何かしたかな?」

 「うん。しなかった」
 
 「そうだよね。スパア、してないよね」

 「うん。していない」

 まあ、こちらも、時間が解決してくれるだろう。だって、時間だけは、多分、半永久的にあるだろうから。でも、これじゃ、賢者サビオと同じ気持ちになってしまうだろうな。ひょっとすると、賢者サビオ以上に寂しくなるのかもしれないね。賢者サビオは、地下牢に居たから、見なくて済んでいるからね。

 いつか、スピアともお別れ、そんな時がくるのだろうね。そろそろ、自分の将来を真剣に考える時期かもね。恋愛も、より悲しくなる材料かもしれないね。
 
 あれ、授業が終わったようだ。考え事をしていたら、いつの間にか寝ていたようだ。

 「スピア、私、寝てた?」

 「うん。寝てた」

 「何の授業だったんだろう。そう言えば、自分自身の時間割も作っていなかった。ひょっとして、私は、受講申請も出していなかったかな? これは、すぐに確かめないと、進級どころじゃないね」

 私達は、急いで、魔法学院の事務室に行った。

 「すみません。私は、テラと言いますが、何か、手続きで忘れていることはありませんか?」

 「あらら、今頃、変な事をいう学生が来たよ」

 「入学のしおりは読みましたか?」

 「多分、制服と部屋以外には、何も貰っていないと思います」

 「それでは、学生証も貰っていないの」

 「はい、何も貰っていません」

 「ちょっと、待っていなさいよ」

 「はい、すみません」

 係のおばさんは、書類を探している。どうも、私の入学書類がないようだ。自分でも出した記憶がない。

 「テラさん、あなたの書類が見つからないわ。本当に、合格したの? 入学試験の受験番号は?」

 「えぅ、受験番号? 入学試験?」

 私は、事務室を飛び出して、学院長室をノックした。

 「テラです。失礼します」

 学院長室に飛び込むと、ミュー先生とシルバが何やら、深刻な顔で、見つめあっていた。

 「あら、テラ、呼んでいないよ」
 
 「いえ、自分できたよ」

 「何かあったの。慌てていたようだけど」

 私は、シルバの傍に駆け寄って、耳元で囁いた。

 「私、魔法学院に入学出来ているの?」

 「大丈夫よ。テラは、魔法学院の生徒よ」

 「でも、事務室に私の書類がないって。それに、学生証も、貰っていないよ」

 「当たり前でしょ。あなたの身分を書いて出すの? テラ伯爵って、書くわけ?」

 「そうだね。できないね。そしたら、私は、卒業できないの?」

 「心配しなくていいよ。私が学院長なんだから。でも、学生証はすぐに作るね。うっかりしてた」

 「それから、受講申請は、いらないの?」

 「あぁ、それもいるね。テラは、担任の先生は誰?」

 「担任? 初めて聞くよ」

 「そうか、それも忘れていたか」

 シルバは、私とひそひそ話を止めて、大きな声で、ミュー先生に声を掛けてた。

 「ミュー先生、先生は今、何人の生徒の担任をされていますか?」

 「私は、レイカ、一人です」

 「それじゃ、悪いけど、この、テラの担任もお願いします」

 「はい、わかりました」

 「テラ、今後はミュー先生に学校関係の事は、すべて相談してね」

 「ミュー先生、テラは書類の不備があったようなので、後で対応をお願いします」

 「はい、わかりました」

 「テラは、授業に行っていいよ」

 「はい、わかりました」
 
 また、シルバに借りが出来てしまった。でも、これって、誰のせい? 私のせいかな?
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~

枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。 同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。 仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。 ───────────── ※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。 ※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。 ※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~

ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。 絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。 彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。 営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。 「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」 転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。 だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。 ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。 周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。 「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」 戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。 現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。 「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」 これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。

処理中です...