4 / 270
第1章 冒険者編
103.異世界への旅立(2)
しおりを挟む
地下牢の前まで戻って来た私は、とりあえず石礫で、壁に描かれた魔法陣をすべて破壊した。すると、土壁のあった面は、黒い金属がむき出しとなった。
「賢者サビオ、私です」
黒い金属の壁を叩きながら、声にならない思いを伝えようとした。
「モドッテクルノガ、ハヤスギルナ?」
賢者サビオの声が、頭の中で響いた。どうも、思念伝達ができるようだ。
「スキル 思念伝達LV1を習得しました」
そこで私はこれまでの報告をし、疑問に思っていることを聞いてみた。
すると、
・魂を封印した状態で、他者に魔法陣を破壊されると、魂は蒸発してしまう。
・光魔法で、バリアを作れば、自分を守ることができる。光魔法LV5でホブゴブリンの攻撃は防げる。
・バリアは持続的にMPを消費する。MPが50を割るとバリアは消滅する。
・MPの自動回復では、バリアを維持することは現在のLVでは難しい。
・HPやMPを回復するポーションを使えば、対応ができる。
・青いポーションを1回使うことで、MPを100回復できる。ただし、同じ効果を得るためには60秒待たなければならない。これは光魔法で作ることが出来る。
・赤いポーションを1回使うことで、HPを100回復できる。ただし、同じ効果を得るためには60秒待たなければならない。これは光魔法で作ることが出来る。
・アイテムボックス(木製)でアイテムを24個収納できる。これは闇魔法で作ることが出来る。
・闇魔法LV5で時空転移魔法を使うことができる。ただし、魔力量に応じて移動できる距離が決まっている。
まず、ポーションを入れるためのガラス瓶を20個作ることにした。
土魔法で、細かな砂をバケツ1杯程度作成し、それを用いてガラス瓶を20個作った。
1つ上の階で、ポーション作成に必要な草を集め、地下牢の前に積み上げた。
まず、赤のポーションを作成し、ガラス瓶に収めた。これを10回繰り返した。
同じように青のポーションを10個作った。
次に廊下に落ちている木材を用いて、アイテムボックスを1個作った。それに、先ほどの20個のポーションを入れた。
【ステータス】
種族:土人形
職業:無職
LV(レベル):15
HP(最大体力量):600
MP(最大魔力量):1500
魔法:土魔法(LV7)、火魔法(LV3)、水魔法(LV3)、風魔法(LV7)、
光魔法(LV5)、陰魔法(LV5)
スキル:採取(LV7)、鑑定(LV7)、思念伝達(LV2)、探索(LV5)、回避(LV5)、
格闘(LV6)、弓(LV6)
次に半径1mのバリアを作り、維持させる練習をした。
最初にバリアを作る時にMP500を消費し、1分間維持するのに、更にMP500を使った。
これでは全く役に立たない。繰り返し練習して、消費するMPを減らす必要がある。少なくとも1分間で、MP100程度の減りにならないとだめだ。
休んでMPを回復しながら、何度も、何度も、バリアを作り、維持する練習をした。
1週間たった時に、光魔法LV10までになり、目標とした1分間でMP100の減り迄になった。
MP(最大魔力量)も2000になった。これで、10分は余裕で戦える。
いよいよ洞窟へ突入だ。
まず、洞窟の前に立っている見張りのホブゴブリン2匹を弓で倒した。
洞窟の中に入る前に探索で、様子を調べた。
チャンピオンゴブリンは、洞窟の一番奥にいる。そこまではおよそ200mある。
その周りに、ホブゴブリン5匹が控えている。
その他のホブゴブリンは、4・5匹ずつ固まっていた。ホブゴブリンは、全部で30匹になっていた。
40~50mごとにホブゴブリンが4・5匹いることになる。
今の私は、弓で50m先のホブゴブリンを倒すことができるので、小走りで移動しながら、見つけたホブゴブリンを弓で倒していった。
ついに、洞窟の一番奥のチャンピオンゴブリンの前まで到達した。ここまでに、5分を使った。MPは500消費したが、その都度青のポーションを飲んだので、まだ、MPは1500残っている。
弓で、ホブゴブリンを2匹倒した。3匹のホブゴブリンとチャンピオンゴブリンが、私を目指して襲ってくる。再度弓を使い2匹のホブゴブリンを倒した。
土魔法で、ホブゴブリンとチャンピオンゴブリンの間に1mほどの土壁を作った。チャンピオンゴブリンが土壁を潰す僅かな時間で、最後のホブゴブリンを弓で倒した。
残るはチャンピオンゴブリンだけだ。
チャンピオンゴブリンの前に土魔法で穴を作り、体制を崩させた。すかさず、弓を3本放った。2本は、剣で防がれたが、1本は右腕に命中した。
次に、光魔法で光球をチャンピオンゴブリンの目の前に作り、暫く周りが見えなくした。
土魔法で石礫を右足に集中させた。チャンピオンゴブリンの右足から緑色の液体がドロリと流れ落ちる。
「グァーッ」
チャンピオンゴブリンの咆哮が洞穴の中で響き渡る。再度、光魔法で光球をチャンピオンゴブリンの目の前に作ったが、目を閉じられて、効果はなかった。
そこで、水魔法で、チャンピオンゴブリンの足元をぬかるみに変えて、動きを止めた。チャンピオンゴブリンは、膝の少し下まで、泥の中に埋まり、うまく動けないようだ。
更に水魔法で、チャンピオンゴブリンと私までの間をすべて泥に変えた。チャンピオンゴブリンに攻撃されるまでの時間を稼いだ私は、弓での攻撃・石礫・火球を交互に繰り出し、攻撃を継続した。
攻撃しながら、1分ごとにポーションを飲み、MPを回復させていった。
MPが残り200となったとき、ようやくチャンピオンゴブリンは、前のめりに倒れ、拳大の魔石が飛び出した。
魔石を吸収した後、私は大の字になって寝転んで、HPとMPの回復を図った。
【ステータス】
種族:土人形
職業:無職
LV(レベル):20
HP(最大体力量):800
MP(最大魔力量):1500
魔法:土魔法(LV10)、火魔法(LV7)、水魔法(LV5)、風魔法(LV7)、
光魔法(LV6)、陰魔法(LV5)
スキル:採取(LV10)、鑑定(LV10)、思念伝達(LV4)、探索(LV7)、、回避(LV7)、
格闘(LV6)、弓(LV10)
称号:小鬼英雄殺し
「賢者サビオ、私です」
黒い金属の壁を叩きながら、声にならない思いを伝えようとした。
「モドッテクルノガ、ハヤスギルナ?」
賢者サビオの声が、頭の中で響いた。どうも、思念伝達ができるようだ。
「スキル 思念伝達LV1を習得しました」
そこで私はこれまでの報告をし、疑問に思っていることを聞いてみた。
すると、
・魂を封印した状態で、他者に魔法陣を破壊されると、魂は蒸発してしまう。
・光魔法で、バリアを作れば、自分を守ることができる。光魔法LV5でホブゴブリンの攻撃は防げる。
・バリアは持続的にMPを消費する。MPが50を割るとバリアは消滅する。
・MPの自動回復では、バリアを維持することは現在のLVでは難しい。
・HPやMPを回復するポーションを使えば、対応ができる。
・青いポーションを1回使うことで、MPを100回復できる。ただし、同じ効果を得るためには60秒待たなければならない。これは光魔法で作ることが出来る。
・赤いポーションを1回使うことで、HPを100回復できる。ただし、同じ効果を得るためには60秒待たなければならない。これは光魔法で作ることが出来る。
・アイテムボックス(木製)でアイテムを24個収納できる。これは闇魔法で作ることが出来る。
・闇魔法LV5で時空転移魔法を使うことができる。ただし、魔力量に応じて移動できる距離が決まっている。
まず、ポーションを入れるためのガラス瓶を20個作ることにした。
土魔法で、細かな砂をバケツ1杯程度作成し、それを用いてガラス瓶を20個作った。
1つ上の階で、ポーション作成に必要な草を集め、地下牢の前に積み上げた。
まず、赤のポーションを作成し、ガラス瓶に収めた。これを10回繰り返した。
同じように青のポーションを10個作った。
次に廊下に落ちている木材を用いて、アイテムボックスを1個作った。それに、先ほどの20個のポーションを入れた。
【ステータス】
種族:土人形
職業:無職
LV(レベル):15
HP(最大体力量):600
MP(最大魔力量):1500
魔法:土魔法(LV7)、火魔法(LV3)、水魔法(LV3)、風魔法(LV7)、
光魔法(LV5)、陰魔法(LV5)
スキル:採取(LV7)、鑑定(LV7)、思念伝達(LV2)、探索(LV5)、回避(LV5)、
格闘(LV6)、弓(LV6)
次に半径1mのバリアを作り、維持させる練習をした。
最初にバリアを作る時にMP500を消費し、1分間維持するのに、更にMP500を使った。
これでは全く役に立たない。繰り返し練習して、消費するMPを減らす必要がある。少なくとも1分間で、MP100程度の減りにならないとだめだ。
休んでMPを回復しながら、何度も、何度も、バリアを作り、維持する練習をした。
1週間たった時に、光魔法LV10までになり、目標とした1分間でMP100の減り迄になった。
MP(最大魔力量)も2000になった。これで、10分は余裕で戦える。
いよいよ洞窟へ突入だ。
まず、洞窟の前に立っている見張りのホブゴブリン2匹を弓で倒した。
洞窟の中に入る前に探索で、様子を調べた。
チャンピオンゴブリンは、洞窟の一番奥にいる。そこまではおよそ200mある。
その周りに、ホブゴブリン5匹が控えている。
その他のホブゴブリンは、4・5匹ずつ固まっていた。ホブゴブリンは、全部で30匹になっていた。
40~50mごとにホブゴブリンが4・5匹いることになる。
今の私は、弓で50m先のホブゴブリンを倒すことができるので、小走りで移動しながら、見つけたホブゴブリンを弓で倒していった。
ついに、洞窟の一番奥のチャンピオンゴブリンの前まで到達した。ここまでに、5分を使った。MPは500消費したが、その都度青のポーションを飲んだので、まだ、MPは1500残っている。
弓で、ホブゴブリンを2匹倒した。3匹のホブゴブリンとチャンピオンゴブリンが、私を目指して襲ってくる。再度弓を使い2匹のホブゴブリンを倒した。
土魔法で、ホブゴブリンとチャンピオンゴブリンの間に1mほどの土壁を作った。チャンピオンゴブリンが土壁を潰す僅かな時間で、最後のホブゴブリンを弓で倒した。
残るはチャンピオンゴブリンだけだ。
チャンピオンゴブリンの前に土魔法で穴を作り、体制を崩させた。すかさず、弓を3本放った。2本は、剣で防がれたが、1本は右腕に命中した。
次に、光魔法で光球をチャンピオンゴブリンの目の前に作り、暫く周りが見えなくした。
土魔法で石礫を右足に集中させた。チャンピオンゴブリンの右足から緑色の液体がドロリと流れ落ちる。
「グァーッ」
チャンピオンゴブリンの咆哮が洞穴の中で響き渡る。再度、光魔法で光球をチャンピオンゴブリンの目の前に作ったが、目を閉じられて、効果はなかった。
そこで、水魔法で、チャンピオンゴブリンの足元をぬかるみに変えて、動きを止めた。チャンピオンゴブリンは、膝の少し下まで、泥の中に埋まり、うまく動けないようだ。
更に水魔法で、チャンピオンゴブリンと私までの間をすべて泥に変えた。チャンピオンゴブリンに攻撃されるまでの時間を稼いだ私は、弓での攻撃・石礫・火球を交互に繰り出し、攻撃を継続した。
攻撃しながら、1分ごとにポーションを飲み、MPを回復させていった。
MPが残り200となったとき、ようやくチャンピオンゴブリンは、前のめりに倒れ、拳大の魔石が飛び出した。
魔石を吸収した後、私は大の字になって寝転んで、HPとMPの回復を図った。
【ステータス】
種族:土人形
職業:無職
LV(レベル):20
HP(最大体力量):800
MP(最大魔力量):1500
魔法:土魔法(LV10)、火魔法(LV7)、水魔法(LV5)、風魔法(LV7)、
光魔法(LV6)、陰魔法(LV5)
スキル:採取(LV10)、鑑定(LV10)、思念伝達(LV4)、探索(LV7)、、回避(LV7)、
格闘(LV6)、弓(LV10)
称号:小鬼英雄殺し
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~
ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。
絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。
彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。
営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。
「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」
転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。
だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。
ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。
周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。
「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」
戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。
現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。
「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」
これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる