錬金術師の召喚魔法 ゴーレム擬きで世界征服?

無似死可

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 第16章 魔法学院(夏休み)編

1601.セダン魔法学院

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 前期末考査も無事終わった。

 魔法学院の前期末考査も終了して、夏休みに入った。以前、シルバが夏休みに他国の魔法学院を見学に行ってもらうと言っていたが、その日程が決まったそうだ。今度は、イーキ王国の都市セダンにある魔法学院だ。名前もそのまま、セダン魔法学院と言う。

 今回のメンバーも前回を同じになる予定だとシルバから、聞かされている。2日後には、馬車で出発する。結構急な日程だ。それと、旅行中にその後の日程を連絡してくるという話だ。この夏休みは結構潰れそうだ。

 私は、レイカと魔法学院の自分の部屋で、旅行の準備をしていた。私自身の準備は、全くいらないが、レイカが私に準備の手伝いをするように言って来たので、何故か、私の部屋で、レイカの旅行の準備をしている。

 「レイカ、これも持っていくの?」

 「そうだよ。そこにある物は、すべて、入れてね」

 私は、言われてまま、アイテムボックスに品物を放り込んでいった。このアイテムボックスは、100個しかアイテムを入れることができない。そのため、もう、2個目のアイテムボックスを用意している。

 「レイカ、まだ、あるの?」

 「後、もう少しよ」

 「どうして、こんなに持っていくの? 行った先で買ってもいいよ」

 「折角持っているのに、何故、買うのよ」

 「そうだね。でも、持っていくものをもっと、絞った方が良くない?」

 「テラ、どうして、あなたは、そんなに荷物が少ないのよ。おかしいよ」

 「着替えが2,3着あればいいよ。後は、制服で過ごすし」

 「向こうで、何があるか分からないのよ。パーティーとか」

 「そうかもしれないけど、その時に考えるよ」

 「明日、もう一日あるよ。残りは明日でも、いいんじゃない?」

 「もう少しだから、待っていてよ」

 「うん。分かった」

 もう、待つより仕方がない。私は、諦めて、ベッドの上の荷物が無い所に座った。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 今日は、セダン魔法学院に出発する日だ。前回と同様、魔法学院の玄関前に集合だ。

 すでに、馬車は到着しており、お客が乗り込むのを待っている。いつでも出発できそうだ。

 私達が、玄関に行くと、シルバとミュー先生の姿が見えた。だが、他の生徒がいない。

 「「おはようございます」」

 「テラ、レイカ、ご苦労様です。夏休みというのに、申し訳ありません」

 「いえ、シルバ学院長のお役に立てて嬉しいです」

 「テラ、お世辞でも、嬉しいわ」

 「ところで、他の生徒がまだ、来ていないようですが、遅れているのですか?」

 「いえ、これで、全員ですよ」

 「あれ、前回は、ルカやオウカが一緒だったのですが、今回は、どうして、私達2人だけですか?」

 「少し、家庭の事情で、ルカとオウカは、今回、参加しません」

 シルバは、これ以上聞くなという顔をしていた。所謂、一身上の都合ということか。

 「わかりました。見学の内容は、前回と同じと考えてよろしいか?」

 「テラの言うとおり、前回同様、しっかりと、見学してきてください。それから、引率の先生は、前回と同じく、ミュー先生にお願いしています。よろしいですね」

 「「はい」」

 口では、はいと言っているが、レイカの顔は、正直だ。嫌だという顔をしている。これじゃ、誰もが気が付くと思うよ。

 私は、ミュー先生をあまり見ないようにしていた。また、レイカを刺激してしまうからだ。

 「それでは、お願いしますね」
 
 シルバは、ミュー先生に声を掛けた。シルバは、ミュー先生に期待しているようだ。他の先生とは対応が違っている。この引率でも、もっと年輩の教師もいるのに、なぜか、ミュー先生に依頼している。

 私達の荷物が馬車に積み込まれた。私達3人が乗り込むと、馬車は走り出した。

 「ミュー先生、また、一緒に旅行ですね」

 「そうね。今回は、大人しくしてね」

 私の隣に座っているレイカが、私を睨んでいる。どうも、話をするだけでも、だめみたいだ。

 私は、レイカの顔を覗き込んだ。おっと、睨みつけられた。レイカの目が怖い。今回は、すぐに終わるような旅でないだけに、用心しないと大変だ。

 「レイカは、イーキ王国に行ったことはあるの?」
 
 話すことがないので、当たり障りのない話題を振ってみた。

 「テラ、私がどこへも行っていないことは知っているよね」

 しまった、失敗だ。何も考えずに話すという、悪い癖が出てしまった。とんだ、藪蛇だ。

 「あっ、そうだったね。うっかりしてたよ。ゴメンね」

 この旅行で、私は、何回謝らないといけないのか、気が遠くなってきた。

 私は、目を閉じて、寝ている振りをすることにした。

 「ねえ、テラ、何、寝た振りしているの。ちゃんと、目を開けなさいよ」

 「ちょっと、疲れたから、目を閉じていただけだよ」

 レイカは、急に私の頭を掴んで、自分の膝の上に押し当てた。強制膝枕だ。ミュー先生も見ているのに、レイカは、何を考えているんだ。

 「レイカさん、そういうことは、2人の時だけにしてね」

 ミュー先生が注意した。見て見ぬふりをすると思っていたのに、意外だった。

 「はい、わかりました」

 レイカは、素直にミュー先生に従った。これでも、レイカは、ミュー先生を教師と思っているようだ。

 馬車は、気不味いまま、ミヤーコ王国に着いた。今日は、ここで、1泊する。前回同様の高級ホテルに1人1部屋があてがわれた。今回も、豪勢だ。

 夕食を3人で済ませてから、各自部屋で休むことになった。今回は、3部屋が横並びで、真ん中の部屋にレイカが寝ることになった。

 私は、賢者サビオの忠告に従ってから、ベッドでも全く眠く無らなくなっていた。

 私は、スキル探索で、この3部屋の様子を調べてみた。すると、ミュー先生は、既にベッドに入って、寝ているようだ。レイカは、服を着替えている。寝るだけなのに、なにをしているのか、一生懸命に、自分に合う服を探している。

 特に、問題なさそうなので、私も、寝ることにした。

 隣の部屋で大きな声がしたので、目が覚めた。あれ、隣はレイカの部屋なのに、何故声が聞こえるのか、不思議になった。また、スキル探索で、調べてみた。すると、レイカの部屋にミュー先生もいた。もともとのミュー先生の部屋は、当然だが、誰もいない。ベッドに入って、寝ていると思っていたのに、何故、起き上がって、ミュー先生は、レイカの部屋に行ったのだろう。

 少し、耳を澄ませて、話し声を聞いてみた。どうも、ミュー先生は、レイカに私と付き合わないように説得しているようだ。でも、レイカが納得していなくて、大声をだしたようだ。

 私が部屋に行っても余計話が拗れそうなので、成り行きを見守ることにした。

 どうも、レイカとミュー先生は、教師と生徒と言う関係だけではなさそうだ。以前から、レイカのことを知っていて、担任を申し出たようだ。それ故、私との関係を終わらせようとしているみたいだ。

 ミュー先生は、私の事をシルバから聞いているので、余計にレイカの事が心配になったのだろう。

 でも、当の本人は、自分の立場など、頓着していない。いつでも捨てれる。
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