【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

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第39話 レベル1982

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神秘の聖水の効果が出ている間はとにかくレベル上げにいそしんだ。
獲得経験値が10倍というものすごい効果をみすみす見逃す手はないからだ。
その結果、俺は最終的にレベルが1982にまで達していた。

さらに新たな呪文をまた一つ習得した。
その呪文の名はダークホール。
消費MP150であらゆる物体を吸い込んで消失させてしまう、小型のブラックホールのようなものを生み出すことが出来る呪文だった。

モンスター相手に試しに使用してみたところ、モンスターはあっという間にダークホールに吸収され次の瞬間、跡形もなく消え去った。
だがどうやら倒したことにはならないようで、倒した時に得られるはずの経験値は得られなかった。
さらに使用者である俺も吸い込まれそうな感覚があった。
吸い込まれた先がどこに行き着くのかわからない以上、間違っても俺自身が吸い込まれるわけにはいかない。
それらの点から使い道が難しそうな呪文だと判断した俺はひとまずダークホールは使わずに温存しておくことに決めた。


そして翌日――

「ふぁ~あ」

あくびをしながら伸びをする。
さらに近くに流れていた川で顔を洗うと、俺は朝食を済ませてから身支度を整えた。

今の俺はこの島に来た時とは服装がだいぶ異なっている。
初めの頃は入学式の時に来ていたスーツを自分で洗濯しながらどうにか過ごしていたのだが、さすがに三ヶ月もの間モンスターと戦い続けていると俺のスーツは次第にボロボロになっていった。
なのでモンスターから手に入れた装備品に何度か着替えていたのだ。
そして今現在の俺は昨日、島トカゲから入手したばかりの竜の装束に身を包んでいたのだった。

この三日間、沢山のモンスターを倒したおかげで俺は竜の装束以外にも結構な数のアイテムを入手していた。
その中には<時知らずのバッグ>というショルダーバッグタイプのアイテムもあった。
時知らずのバッグは中に入れた物が腐敗しないというなかなか便利なアイテムだったので、スマホから一度具現化させたアイテムを再度保管することも可能になっていた。
それによって飲み水や食材の無駄を減らすことが出来るようになったのは、この島で生き抜いていくにあたってこの先かなり有利に働くだろう。


☆ ☆ ☆


ショルダーバッグを背負った俺は高台から下りて川沿いを歩いていく。
川の水はそのままでは飲み水として使えないが、それでもすぐ近くに水があるというのは安心する。
それに水源の近くにはモンスターも集まりやすい。
なのでレベル上げの観点からも川沿いに進んでいった方がいいのではと考えたわけだ。

実際、道中モンスターが何匹も俺の前に現れた。
それらを俺は一匹残らず返り討ちにしながら突き進んでいった。

だが水のあるところに集まるのは何もモンスターだけではないようで、しばらく歩いていると前方に複数の人影をとらえた。
あまり人との接触を好まない俺はその場で立ち止まる。
幸いまだ彼女らとは距離があったので、俺はきびすを返し別のルートを進むことに――
「おいっ、なんだ貴様はっ!」
――しようとしたのだが、彼女らのうちの一人が俺を見て声を張り上げた。

「えっ?」

まさか唐突にしかも女性から貴様呼ばわりされるとは思っていなかったので俺は面食らってしまう。
そんな俺の反応など一切気にする様子もなく、女性たちは近付いてきて俺を取り囲んだ。

「な、なんですかっ……?」
思わず敬語になってしまう俺。
相手は見た目からして同級生でまず間違いないだろうに。

「貴様、誰の許可を取ってこの地に出入りしているんだっ!」
背の高い女子学生が俺に向かって声を荒らげる。
俺より頭一つ分はでかい女子学生だった。

「いや、許可って言われても……」
「ここは広本様の領土なのよっ」
「勝手に入るなんていい度胸してるじゃんかっ」
その女子学生に続くように、気の強そうな女子学生と小太りの女子学生も俺に言葉を浴びせてきた。

「広本様の領土……? 何言ってるんだ?」
「とにかくあたしたちについてきてもらうぞっ! 貴様の処遇は広本様に決めてもらうからなっ!」
「は? ちょっと待ってくれ」
「窪田、そっちの腕ちゃんと持ってっ」
「わかってるって。ほら、抵抗しないでよっ」

俺は両腕を二人の女子学生に掴まれてしまう。
わけがわからない。
なんなんだ一体……?

正直女子学生たちの腕を振りほどくことなど能力的には造作もなかったが、三人の異様な雰囲気に圧倒されていた俺は元来の消極的な性格が顔を出し、なし崩し的に彼女らに従うのだった。
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