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第98話 【魔物島】の中央部
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北原姉妹と別れてから十日が経っていた。
俺は気が向いた時にチャットルームをのぞくのだが、そうすると決まって北原姉妹からの俺に宛てた応援メッセージのようなものが書き込まれている。
気恥ずかしいし、なんて返せばいいのかわからないので返信こそしないが、俺は時折りそれを眺めて元気をもらっていた。
また、俺が大勢の命を救ったことが島にいる者全員に伝わったようで、俺に対して非難の声を上げる者はいなくなっていた。
もちろんそれは表面上のことだけであって、内心では俺のことをよく思っていない者はまだいるかもしれないが、少なくとも表立って俺を非難する者は姿を消した。
そのおかげで俺は心身ともに充実しているし、これまで以上に【魔物島】の攻略に力を入れることが出来た。
それと喜ばしいことが一つ。
それはようやく【魔物島】を俺が一周することが出来たという事実だった。
四ヶ月ほどを要し、途中寄り道などしたが、俺は最初に目覚めた砂浜に戻ってくることが出来ていた。
それでもまだ【魔物島】の中央部など、足を踏み入れていない場所はある。
そこで俺は今日一日はゆっくり休んで、明日から今度は島の中央部目指して進もうと決めていた。
☆ ☆ ☆
そこからさらに半月が経過して、俺はメタムンとともに【魔物島】の中央部へとたどり着くことが出来た。
そこには俺が今までに見たことのないモンスターがわんさといた。
強さも桁違いで、おそらくレベル1000以上はないと話にならないようなモンスターばかりだった。
そして今も俺の正面にはギガントマンモスという巨大なモンスターがいて、その巨体を揺らしながら俺に迫ってきていた。
『パオオォォーーン!!』
木々をなぎ倒し一直線に向かってくるギガントマンモス。
俺はそんなギガントマンモスを見据えつつ「リリース!」と口にする。
全身に力がみなぎってきた俺はギガントマンモスを迎え撃った。
『パオオォォーーン!!』
「このっ!」
ギガントマンモスの額に俺のパンチが命中する。
しかしギガントマンモスも簡単には倒れない。
『パオオォォーーン!!』
長い鼻で空中にいた俺を弾き飛ばすと、壁に激突した俺に向かって猛突進を仕掛けてきた。
『善っ!!』
メタムンの声が森の中にこだまする。
「うぐっ……だ、大丈夫だメタムンっ。お、俺なら無事だっ」
『善っ! よかったーっ!』
俺はとっさにリリースを重ね掛けして、ギガントマンモスの猛突進を真正面から受け止めていたのだった。
『パオオォォーッ……!?』
「いつまでも調子に乗ってるなよっ……このヤローっ!」
俺はギガントマンモスの鼻をむんずと掴むと、思いきり空高く投げ飛ばした。
ギガントマンモスは雲を突き抜け、その姿が見えなくなる。
そしておよそ一分後、
ズドオオォォォーーーン!!!
上空からものすごいスピードで落下してきたギガントマンモスは、地面にぶち当たるなりクレーターのような大穴を開け、その生涯を荒々しく閉じたのだった。
俺は気が向いた時にチャットルームをのぞくのだが、そうすると決まって北原姉妹からの俺に宛てた応援メッセージのようなものが書き込まれている。
気恥ずかしいし、なんて返せばいいのかわからないので返信こそしないが、俺は時折りそれを眺めて元気をもらっていた。
また、俺が大勢の命を救ったことが島にいる者全員に伝わったようで、俺に対して非難の声を上げる者はいなくなっていた。
もちろんそれは表面上のことだけであって、内心では俺のことをよく思っていない者はまだいるかもしれないが、少なくとも表立って俺を非難する者は姿を消した。
そのおかげで俺は心身ともに充実しているし、これまで以上に【魔物島】の攻略に力を入れることが出来た。
それと喜ばしいことが一つ。
それはようやく【魔物島】を俺が一周することが出来たという事実だった。
四ヶ月ほどを要し、途中寄り道などしたが、俺は最初に目覚めた砂浜に戻ってくることが出来ていた。
それでもまだ【魔物島】の中央部など、足を踏み入れていない場所はある。
そこで俺は今日一日はゆっくり休んで、明日から今度は島の中央部目指して進もうと決めていた。
☆ ☆ ☆
そこからさらに半月が経過して、俺はメタムンとともに【魔物島】の中央部へとたどり着くことが出来た。
そこには俺が今までに見たことのないモンスターがわんさといた。
強さも桁違いで、おそらくレベル1000以上はないと話にならないようなモンスターばかりだった。
そして今も俺の正面にはギガントマンモスという巨大なモンスターがいて、その巨体を揺らしながら俺に迫ってきていた。
『パオオォォーーン!!』
木々をなぎ倒し一直線に向かってくるギガントマンモス。
俺はそんなギガントマンモスを見据えつつ「リリース!」と口にする。
全身に力がみなぎってきた俺はギガントマンモスを迎え撃った。
『パオオォォーーン!!』
「このっ!」
ギガントマンモスの額に俺のパンチが命中する。
しかしギガントマンモスも簡単には倒れない。
『パオオォォーーン!!』
長い鼻で空中にいた俺を弾き飛ばすと、壁に激突した俺に向かって猛突進を仕掛けてきた。
『善っ!!』
メタムンの声が森の中にこだまする。
「うぐっ……だ、大丈夫だメタムンっ。お、俺なら無事だっ」
『善っ! よかったーっ!』
俺はとっさにリリースを重ね掛けして、ギガントマンモスの猛突進を真正面から受け止めていたのだった。
『パオオォォーッ……!?』
「いつまでも調子に乗ってるなよっ……このヤローっ!」
俺はギガントマンモスの鼻をむんずと掴むと、思いきり空高く投げ飛ばした。
ギガントマンモスは雲を突き抜け、その姿が見えなくなる。
そしておよそ一分後、
ズドオオォォォーーーン!!!
上空からものすごいスピードで落下してきたギガントマンモスは、地面にぶち当たるなりクレーターのような大穴を開け、その生涯を荒々しく閉じたのだった。
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