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第47話 ズースの町の冒険者ギルド
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ズースの町に着いた俺たちは冒険者ギルドを探すため馬車を降りて町中に入っていく。
悪名高き盗賊団、【紅蓮の牙】の討伐隊を結成するため参加希望者はギルドに集まる手はずになっていたのだった。
「それにしてもジュエル王女の手綱さばきは見事でしたよ」
「それはありがとうございます。幼い頃からの乗馬経験がスタンス様のお役に立ってなによりです……あ、スタンス様、あれではないですか?」
スライムを抱きかかえたジュエル王女が遠くを見つめる。
ジュエル王女の視線の先にはギルドらしき大きな建物があった。
俺たちはその建物に近付いていく。
「そうですね、ここみたいです」
剣や鎧を装備した冒険者たちが出入りしているので間違いないだろう。
それは茶色い外観でかなり大きく立派な建物だった。
コロンが一人で働いている村はずれのちっこいギルドとは雲泥の差だ。
中に入ると冒険者たちが一斉にこっちを見てくる。
うわ、なんかみんな殺気立ってるなぁ。
ギルドの中はピリピリした空気が漂っていた。
「お二人も紅蓮の牙の討伐隊に参加ご希望の方ですか?」
ギルドの職員らしき女性がにこやかに話しかけてくる。
「あ、えーっと俺はそうですけど彼女は違います。ただの付き添いです」
「そうですか……あっ可愛らしいスライムですね。テイマーさんですか?」
「テイマー?」
ジュエル王女は初めて聞いたであろうテイマーという単語に首を傾げた。
「あー違います。彼女は冒険者ではないので……」
「そうでしたか、すみません。それではお名前を登録しますのであちらの受付カウンターにどうぞ」
「はい」
女性の指示に従い俺とジュエル王女は受付カウンターに進む。
受付カウンターには行列が出来ていた。
俺たちはその最後尾に並んだ。
「この方たちみなさん冒険者なのですか?」
「多分そうだと思いますよ」
興味深そうにきょろきょろと周りを見回しているジュエル王女。
すると、
「おっ、姉ちゃんも討伐隊に加わるのか?」
「お姉さん美人だねぇ」
周りにいた男の冒険者二人組に声をかけられる。
「いえ、わたくしはこちらのスタンス様のお供でついてきただけです」
「なんだ? スタンス様?」
「へー、女連れなんていい身分じゃねぇかお前」
ぶしつけに俺をにらみつけてくる男たち。
「……いや――」
「おい、なんとか言えよ」
「すかしてんじゃねぇぞ!」
口を開こうとした瞬間俺の胸ぐらを掴んでくる。
はぁ……こういう奴らがいるから冒険者のイメージが悪くなるんだ、まったく。
「……手を放してくれるか。服が伸びる」
「なんだとてめぇ!」
「謝れお前っ!」
男たちは顔をぐっと寄せてくる。
近い。つばがかかる。
こいつら今さら謝っても引いてはくれないだろうなぁ。
大体何に対して謝ればいいんだ?
この際ウォーターボールで気絶させてやるか。
そう思った時だった。
『いじめはよくないんだよっ』
ジュエル王女の胸元にいたスライムが声を上げた。
「なんだ今の声?」
「誰だ今言った奴!」
『ぼくだよ。ぼくが言ったんだ』
スライムはぴょんと飛び跳ねると床に下り立った。
「なんだぁ? まさかこいつが喋ったのか?」
「んなバカなことあるわけねぇだろ」
男たちはスライムを見下ろしながら口にする。
おいスライム、その辺でやめとけ。
喋るスライムなんてこういう奴らの格好のターゲットだぞ。
だがスライムはなおも口を動かす。
『ぼくは喋れるスライムだよ。人間もモンスターも弱い者いじめはよくないよっ』
「おい、マジかよ。喋るスライムだぜ!」
「ぜってぇ高く売れるぞこいつ!」
そう言うなり男たちはスライムを掴み上げた。
『うわわっ』
「あなたたちスライムさんを売るだなんてなんてひどいことを。スライムさんを放してあげてくださいっ」
ジュエル王女が男たちに声を上げる。
……うーん、耳が痛い。
「もう依頼なんてどうでもいいぜ。こいつ売ってぱあーっと遊ぼうぜ」
「ついでにこのお姉さんも連れてくかっ、けけっ」
「きゃっ」
スライムとジュエル王女を脇に抱える男たち。
やれやれ……世間知らずの王女とスライムは手がかかる。
「ウォーターボール!」
俺は水で出来たボールを男たちの顔にくっつけた。
「ごぼぼっ!?」
「ごぼがわっ!?」
男たちは息が出来なくて顔についた水をとろうと必死に手で払うが、まったくとれないでいる。
まあ、そういう魔法だからな。
十秒ほどで男たちは気を失い床に倒れた。
「スライムさんっ」
『ジュエルっ』
ジュエル王女とスライムは床に倒れた男たちの横でぎゅっと抱き合う。
「スタンス様ありがとうございました。また助けていただいて」
『今のスタンスがやったの? スタンスって弱くないんだね、ありがとうね』
一人と一匹は抱き合いながら俺を見上げて言った。
しまった。またもモンスターであるスライムを助けてしまった。
とその時、
「次の方どうぞ~」
受付の女性が何事もなかったかのように声を発した。
「あの、そこの二人なんですけど……」
「はい、見ていましたよ。本来は冒険者さん同士の喧嘩は御法度なんですけど、さっきのはそちらの男性方が悪いので今回は大目に見ます。そちらの方たちは冒険者免許の剥奪となりますから二度と会うことはないでしょう」
「そ、そうですか。どうも」
「ではこちらにお名前と冒険者ランクを……」
こういうことがよくあるのか受付の女性は床に倒れている男たちを意に介さず淡々と仕事をこなしていく。
「はい、書きました」
「冒険者ランクA、クロード・ディスタンス様ですね、うん? クロード・ディスタンス様?」
受付の女性が首を傾げ何やら考え込むそぶりを見せた。
「どうかしました?」
「いえ……では一時間後に町の入り口に集合ですので遅れないようにしてください」
「わかりました」
俺はギルド中の視線を一身に集めつつジュエル王女とスライムを引き連れギルドをあとにした。
悪名高き盗賊団、【紅蓮の牙】の討伐隊を結成するため参加希望者はギルドに集まる手はずになっていたのだった。
「それにしてもジュエル王女の手綱さばきは見事でしたよ」
「それはありがとうございます。幼い頃からの乗馬経験がスタンス様のお役に立ってなによりです……あ、スタンス様、あれではないですか?」
スライムを抱きかかえたジュエル王女が遠くを見つめる。
ジュエル王女の視線の先にはギルドらしき大きな建物があった。
俺たちはその建物に近付いていく。
「そうですね、ここみたいです」
剣や鎧を装備した冒険者たちが出入りしているので間違いないだろう。
それは茶色い外観でかなり大きく立派な建物だった。
コロンが一人で働いている村はずれのちっこいギルドとは雲泥の差だ。
中に入ると冒険者たちが一斉にこっちを見てくる。
うわ、なんかみんな殺気立ってるなぁ。
ギルドの中はピリピリした空気が漂っていた。
「お二人も紅蓮の牙の討伐隊に参加ご希望の方ですか?」
ギルドの職員らしき女性がにこやかに話しかけてくる。
「あ、えーっと俺はそうですけど彼女は違います。ただの付き添いです」
「そうですか……あっ可愛らしいスライムですね。テイマーさんですか?」
「テイマー?」
ジュエル王女は初めて聞いたであろうテイマーという単語に首を傾げた。
「あー違います。彼女は冒険者ではないので……」
「そうでしたか、すみません。それではお名前を登録しますのであちらの受付カウンターにどうぞ」
「はい」
女性の指示に従い俺とジュエル王女は受付カウンターに進む。
受付カウンターには行列が出来ていた。
俺たちはその最後尾に並んだ。
「この方たちみなさん冒険者なのですか?」
「多分そうだと思いますよ」
興味深そうにきょろきょろと周りを見回しているジュエル王女。
すると、
「おっ、姉ちゃんも討伐隊に加わるのか?」
「お姉さん美人だねぇ」
周りにいた男の冒険者二人組に声をかけられる。
「いえ、わたくしはこちらのスタンス様のお供でついてきただけです」
「なんだ? スタンス様?」
「へー、女連れなんていい身分じゃねぇかお前」
ぶしつけに俺をにらみつけてくる男たち。
「……いや――」
「おい、なんとか言えよ」
「すかしてんじゃねぇぞ!」
口を開こうとした瞬間俺の胸ぐらを掴んでくる。
はぁ……こういう奴らがいるから冒険者のイメージが悪くなるんだ、まったく。
「……手を放してくれるか。服が伸びる」
「なんだとてめぇ!」
「謝れお前っ!」
男たちは顔をぐっと寄せてくる。
近い。つばがかかる。
こいつら今さら謝っても引いてはくれないだろうなぁ。
大体何に対して謝ればいいんだ?
この際ウォーターボールで気絶させてやるか。
そう思った時だった。
『いじめはよくないんだよっ』
ジュエル王女の胸元にいたスライムが声を上げた。
「なんだ今の声?」
「誰だ今言った奴!」
『ぼくだよ。ぼくが言ったんだ』
スライムはぴょんと飛び跳ねると床に下り立った。
「なんだぁ? まさかこいつが喋ったのか?」
「んなバカなことあるわけねぇだろ」
男たちはスライムを見下ろしながら口にする。
おいスライム、その辺でやめとけ。
喋るスライムなんてこういう奴らの格好のターゲットだぞ。
だがスライムはなおも口を動かす。
『ぼくは喋れるスライムだよ。人間もモンスターも弱い者いじめはよくないよっ』
「おい、マジかよ。喋るスライムだぜ!」
「ぜってぇ高く売れるぞこいつ!」
そう言うなり男たちはスライムを掴み上げた。
『うわわっ』
「あなたたちスライムさんを売るだなんてなんてひどいことを。スライムさんを放してあげてくださいっ」
ジュエル王女が男たちに声を上げる。
……うーん、耳が痛い。
「もう依頼なんてどうでもいいぜ。こいつ売ってぱあーっと遊ぼうぜ」
「ついでにこのお姉さんも連れてくかっ、けけっ」
「きゃっ」
スライムとジュエル王女を脇に抱える男たち。
やれやれ……世間知らずの王女とスライムは手がかかる。
「ウォーターボール!」
俺は水で出来たボールを男たちの顔にくっつけた。
「ごぼぼっ!?」
「ごぼがわっ!?」
男たちは息が出来なくて顔についた水をとろうと必死に手で払うが、まったくとれないでいる。
まあ、そういう魔法だからな。
十秒ほどで男たちは気を失い床に倒れた。
「スライムさんっ」
『ジュエルっ』
ジュエル王女とスライムは床に倒れた男たちの横でぎゅっと抱き合う。
「スタンス様ありがとうございました。また助けていただいて」
『今のスタンスがやったの? スタンスって弱くないんだね、ありがとうね』
一人と一匹は抱き合いながら俺を見上げて言った。
しまった。またもモンスターであるスライムを助けてしまった。
とその時、
「次の方どうぞ~」
受付の女性が何事もなかったかのように声を発した。
「あの、そこの二人なんですけど……」
「はい、見ていましたよ。本来は冒険者さん同士の喧嘩は御法度なんですけど、さっきのはそちらの男性方が悪いので今回は大目に見ます。そちらの方たちは冒険者免許の剥奪となりますから二度と会うことはないでしょう」
「そ、そうですか。どうも」
「ではこちらにお名前と冒険者ランクを……」
こういうことがよくあるのか受付の女性は床に倒れている男たちを意に介さず淡々と仕事をこなしていく。
「はい、書きました」
「冒険者ランクA、クロード・ディスタンス様ですね、うん? クロード・ディスタンス様?」
受付の女性が首を傾げ何やら考え込むそぶりを見せた。
「どうかしました?」
「いえ……では一時間後に町の入り口に集合ですので遅れないようにしてください」
「わかりました」
俺はギルド中の視線を一身に集めつつジュエル王女とスライムを引き連れギルドをあとにした。
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※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
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