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4話 2日目
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部下が出来て二日目、川野は順調に成長しとった。
取り立ての時も
「田中さぁん」
ドンドン
「いるんじゃろ?お金払わなあかんで?こちとら商売なもんで、はらってもらえにゃ困るんでな~。」
脅しの時も
「宮木~おいっ!」
ドンドン
「子供もこさえて幸せかもしらんけど、どーしてここまで来ることが出来たんか、わすれとらんか?」
「…塩田~?いつまでも払わんのなら何が起こるかワシはしらんよ?」
「…あーあ、兄さんの仕事場がめちゃくちゃになるかもしれんのう」
「…もしかしたらあんさんが世話になっとるアケミちゅうオンナにもなんか悪いことが起こるかもしれんなあ。」
「…」
川野は律儀にメモを取りながらワイを観察していた。
これはメモ取るもんでもないやろに
「川野もやってみい」
そういうと「私はまだまだなので」と言って目をそらした。
暴力に慣れていないのかはたまた嫌っているのかはわからないが、近く川野には一人で金の取り立てにでも行ってもらおうかと思った。
なんか、こいつなら出来そうやと感じるし。
川野は昨日よりも仕事ができるようになっていた。
頑張っとる部下にはコーヒーでも入れてやろうやないか。
このうちに恩でも売れたら最高なんやけどなあ。そう思いながらインスタントコーヒーを選ぶ。
この会社には社長の趣味で本格的なコーヒー機器が存在している。
まあ、味にそういった興味のない雪間は簡単なインスタントのコーヒーを入れ、テキトーに選んだマグカップにそれを注いだ。
「あいつなら上手くやるかもしらんな」
頭に浮かぶのはメモを取る川野の姿だった。
「まあ、嫌いやないし、バカじゃないからええかもな」
入れ替わりの激しいグレーの世界は多少世渡りがうまくないと、うまくいかない。
人がいなくなるのに、入ってこない人材、入ってきてもそれは新人で到底自分のしている仕事を任せられるとは思わなかった。
顔の皮が厚そうで、仕事が出来て、川野は出世できるだろう。
「うまくやりーよ」
そう言って川野のデスクにコーヒーを置くと
「ありがとうございます」と優男の顔で笑った。
これならやっぱし女に困る事はねーな...と思いながら自分のデスクに戻る。
「雪間さん、気に入ったようですなあ」
同僚の笹野が口をはさむ。
「ある程度や。ワイは楽が出来そうやで」
「私にしわ寄せがこんようにしてくださったらええですわ」
雪間は割と屑だった。
流れて流れてたどり着いたはこの業界。
頼る親もいなければ、頼られる友もいない根無し草。
肌寒い夜には心優しいオンナに肌を温めてもらいに行っていた。
仕事がなくなると人間終わるな。
…そう思って生きていたから仕事にはある程度忠実だった。
取り立ての時も
「田中さぁん」
ドンドン
「いるんじゃろ?お金払わなあかんで?こちとら商売なもんで、はらってもらえにゃ困るんでな~。」
脅しの時も
「宮木~おいっ!」
ドンドン
「子供もこさえて幸せかもしらんけど、どーしてここまで来ることが出来たんか、わすれとらんか?」
「…塩田~?いつまでも払わんのなら何が起こるかワシはしらんよ?」
「…あーあ、兄さんの仕事場がめちゃくちゃになるかもしれんのう」
「…もしかしたらあんさんが世話になっとるアケミちゅうオンナにもなんか悪いことが起こるかもしれんなあ。」
「…」
川野は律儀にメモを取りながらワイを観察していた。
これはメモ取るもんでもないやろに
「川野もやってみい」
そういうと「私はまだまだなので」と言って目をそらした。
暴力に慣れていないのかはたまた嫌っているのかはわからないが、近く川野には一人で金の取り立てにでも行ってもらおうかと思った。
なんか、こいつなら出来そうやと感じるし。
川野は昨日よりも仕事ができるようになっていた。
頑張っとる部下にはコーヒーでも入れてやろうやないか。
このうちに恩でも売れたら最高なんやけどなあ。そう思いながらインスタントコーヒーを選ぶ。
この会社には社長の趣味で本格的なコーヒー機器が存在している。
まあ、味にそういった興味のない雪間は簡単なインスタントのコーヒーを入れ、テキトーに選んだマグカップにそれを注いだ。
「あいつなら上手くやるかもしらんな」
頭に浮かぶのはメモを取る川野の姿だった。
「まあ、嫌いやないし、バカじゃないからええかもな」
入れ替わりの激しいグレーの世界は多少世渡りがうまくないと、うまくいかない。
人がいなくなるのに、入ってこない人材、入ってきてもそれは新人で到底自分のしている仕事を任せられるとは思わなかった。
顔の皮が厚そうで、仕事が出来て、川野は出世できるだろう。
「うまくやりーよ」
そう言って川野のデスクにコーヒーを置くと
「ありがとうございます」と優男の顔で笑った。
これならやっぱし女に困る事はねーな...と思いながら自分のデスクに戻る。
「雪間さん、気に入ったようですなあ」
同僚の笹野が口をはさむ。
「ある程度や。ワイは楽が出来そうやで」
「私にしわ寄せがこんようにしてくださったらええですわ」
雪間は割と屑だった。
流れて流れてたどり着いたはこの業界。
頼る親もいなければ、頼られる友もいない根無し草。
肌寒い夜には心優しいオンナに肌を温めてもらいに行っていた。
仕事がなくなると人間終わるな。
…そう思って生きていたから仕事にはある程度忠実だった。
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