神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

閑話 転移者のお嬢さんと我輩

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  現在、我輩は狭い箱の中で待機中である。
  我輩は、前世、地球の日本で暮らす大学生であった。
  そして、病気を患い、他界した後、どこまでも続く白い部屋で神をなのる者にこの世界に転生させて貰ったのだ。
  この世界で産まれた我輩は、なに不自由無く暮していた。
  しかし、我輩は知ってしまったのだ。
  この世界では民を守る存在である筈の貴族や傲慢な商人などが悪事の限りを尽くし、多くの人々が、犠牲になっている事を。
  そして、我輩には力があった。
  生前、好きだった某怪盗の3代目の様に華麗でニヒルでユーモラスな怪盗に成れるだけの力が。
  そして、我輩は怪人108面相を名乗り、悪事を働く貴族共を成敗して行った。
  金品は被害に合っていた者や孤児院など渡し、悪事の証拠を使い、たとえ貴族であろうと断罪される様にした。
  そんな我輩はカルバンの街の貴族、カーネス子爵を次のターゲットにした。
  予告状を出した我輩はいろいろと探りを入れていたのだが、今回1つだけ予定外の自体が起こってしまった。
  それは、Aランク冒険者漆黒のユウが防衛に加わっている事である。
  流石に、いままでAランク冒険者と闘ったことは無いのである。
  更に不味いのは彼女は恐らく我輩と同じ日本人だと言うことである。
  確認した訳では無いがあの容姿に調べた限りの経歴を考えるとまず間違いないのである。
  日本人の容姿そのままと言う事は我輩やもう1人の転生者だと思われるレブリックの才女とは違い、『転移』によってこの世界に来たと言う事である。
  理由は分からないがまぁ、分かりやすくて良いのである。
  さて、そろそろであるな。
  我輩は『協力者』の手引きで侵入したここから飛び出すと光と炎で派手に存在をアピールしたのである。
  すると庭にいた冒険者達は我輩を捕らえようと群がってくるが、我輩はそんな奴らをステッキで打ち倒して行く。
  そして、あらかたの冒険者を打ち倒すと最後に残っていたお嬢さんに声をかけた。

「さて、あとはお嬢さんだけだが……どうだね、我輩を通してはくれないか?」

「面白いジョークです」

  やはり、そう簡単にはいかないのである。
  我輩はお嬢さんと会話をしながら間合いを計った。
  そして、お嬢さんの間合い、ギリギリで足を止めるとお嬢さんが話しかけてきた。

「投降する気はありませんか?
  テレサ様は悪い様にはしないと思いますよ?」

「そうであるな、恐らく、表向きには処刑されたと発表し、子飼いの隠密として、好遇して貰えるだろうな」

「そうですね。
  悪い話ではないと思いますよ?」

「だが断る!」

   我輩のぶっ込みにお嬢さんは唖然としているのである。
  ネタが通じるとは楽しい物である。

「たしかに悪い話ではない様だが、我輩は誰かに縛られるのは御免である。
  我輩は自由を愛するのだよ。
  同郷であるお嬢さんなら我輩の気持ちも分かって貰えると思うのだがな」

「同郷……やはり貴方も日本人でしたか」

「肯定である。
  怪人108面相と名乗っていたのだから、この世界に来ている我輩以外の2人の日本人に気づかれていると考えるのが当然である。
  そして、日本人の容姿は目立つので丸わかりである」

  もちろんこの名前はもと日本人に気付かれれ事を前提にしてつけた名前である。
  そして、日本人の容姿についてはお嬢さん以外は転移者ではなく、転生者であるのであまり関係が無い話なのであるが、わざわざ伝えることでも無いのである。

「わたし達以外のもう1人は知っているのですか?」

「うむ、接触はしていないが、知っている」

  これも嘘では無いのである。
  我輩、個人としては交流があるが、怪人108面相としては一切関わりは無いのである。

「 どこに居るのですか?」

「それは……自分で探すのである!」

  我輩はステッキを鋭く突き出した。

「わっと⁉︎」

「そろそろ、予告の時間なのである。
  お嬢さんには悪いが、お話はここまでである」

「いえいえ、遠慮する事はないですよ。
  ゆっくりとお話しましょう、領主様の屋敷の地下牢で。
  カツ丼……は無理ですがお刺身ならわたしのアイテムボックスに魚が沢山ありますし、わたしの手製のお醤油とお味噌も有りますよ?」

「なんと⁉︎
  醤油と味噌を自作したのであるか!」

  衝撃の事実を告げられたのである。
  我輩もこの世界で醤油と味噌は探し回ったがついに見つける事は出来なかったのである。
  ちなみに米は見つけたのである。
  最近、レブリックの才女によって交流が出来た東の島国で細々と作られていた。
  見つけた時には感動で涙を流した物である。
  しかし、まさか、醤油と味噌を自作するとは、あまりの衝撃に地の口調が出そうだったのである。
  衝撃から戻った我輩はステッキを突き出す。

ガキン
「我輩にも醤油と味噌を分けて貰えないか?」

キキン
「それが攻撃しながら言うセリフですか⁉︎」

ゴッ
「時間が無いのである。
  故に交渉と戦闘を同時に進めるのである」

キン
「斬新な考え方ですね」

ガス
「先進的と言って欲しいのである」

  会話を続けながらもお嬢さんは、我輩の攻撃を受け止め魔法を躱す。

ヒュッ
「いくらで売ってくれるかね?」

ボッ
「ん~お金には困っていないのですよね」

「ならばコレならどうだ?」

「何ですか、それ?」

  お嬢さんから距離を取った我輩はアイテムボックスからひと抱え程ある水晶があしらわれた置物を取り出したのである。

「コレは高級品ハイクオリティのマジックアイテム、《安らぎの水晶》である」

「安らぎの水晶?」

「このマジックアイテムの効果を一言で説明するとエアコンである」

「なるほど、分かりやすいですね」

「この水晶を起動すると、温度、湿度などを快適な状態にしてくれるのである」

「おお、凄いです!」

  うむ、この素晴らしいマジックアイテム価値が分かってくれた様ある。
  
「この安らぎの水晶と醤油、味噌を交換して欲しいのである」

「いいでしょう、では現在わたしが作った醤油と味噌の半分と新しく作った物を1樽でどうでしょう?
  新しく作った樽はあと半年くらいで完成します」

「うむ、交渉成立である」

  我輩は武器をアイテムボックスに収めた後、マジックアイテムと醤油、味噌を交換したのである。
  ついに我輩の元に米、味噌、醤油が揃ったのである。
  こんなに嬉しい事は無い!
  我輩は上機嫌にお嬢さんに声をかけるのである。

「これで心置き無くお嬢さんを倒せるのである」

「こちらのセリフですよ」

  第2ラウンド開始である!












  
  
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