神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》

5話 蹂躙の始まりと準備の待ち時間

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「貴様、魔王コルダールじゃな」

「なんだジジイ、この俺に勝手に話しかけてんじゃねぇよ」

「コルダール様、お気を付け下さい。
  その男は20年前、我が軍に甚大な被害を与えた黒らぅ!」

  グラーの言葉が終わる前にコルダールはグラーの胸ぐらを掴み上げる。

「おい、貴様、雑魚の分際でこの俺に『気をつけろ』と言ったのかぁ?」

「い、いえ、私は!あ!がぁ!あぁぁあ!」

  コルダールがグラーと目を合わせた瞬間、グラーの身体が石になって行く。
 身体を麻痺させる石化の魔眼では無い。
  身体を完全な石に変える石化の邪眼だ。
  コルダールが石になったグラーを投げ捨てる。
  地面に叩きつけられたグラーは砕け散った。

「仲間まで手に掛けるか、外道め」

「フン、仲間?知ねぇなぁ、すり寄って来るから利用してやっただけだ。
  だいたい貴様らの様な雑魚共に手間取っている様な奴なんて居てもいなくても同じだろぉ?」

「ほう、わしらを雑魚だと」

「あん、人間なんてどいつもこいつも大して違いなんてないだろぉ?
  ああ、そうだ、ここに来る前に潰した村には面白い人間が居たな」

「面白い人間じゃと?」

「ああ、女を庇ってこの俺に斬りかかって来たのさぁ。
  だからよぉ、俺はその男以外の村人を全員石にしてやったのさ。
  最後に男の目の前で女を石にしてやった時の顔と言ったら、クックッ見ものだったぜぇ」

「………………貴様には外道と言う言葉すら生温いのぉ」
  
「はっ!知らねぇよぉ、どうせこの村の奴は全員死ぬんだからなぁ!」

  コルダールが両手を広げフリジオを挑発する。
  
「舐めるなよ!」

「魔王、覚悟!」

  バルとリンダが左右から同時に剣を振るう。

「おいおい、あぶねぇなぁ」

  コルダールは右手でバルの剣を、左手でリンダの剣を受け止める。

「ん?」

  ガッ!
  何処からか飛来した赤い矢羽の矢がコルダールの顔に突き立つ。
  しかし、鏃はコルダールには傷1つ付いていなかった。
  コルダールは高速で飛来する矢を口で受け止めていた。

「バル、リンダ、退がりな!」

  ラーナの声にバルとリンダは剣を捨てて飛び退く。
  
「砂よ 纏え 絡め 堅固なる戒め 砂の牢獄サンド・ジェイル

  ラーナの操る砂がコルダールの四肢を拘束する。

「黒き雷雲よ 天の怒りよ 降り注げ 裁きの黒らブラック・レ

  フリジオが自身の最大威力の魔法を放とうとした時、フリジオの身体に衝撃が走った。

「うぐぅ!」

  コルダールの持つ邪眼の1つだろう。
  身体には傷1つ無いが、身体を真っ二つに引き裂かれた様な痛みがフリジオを襲った。

「村長!」

「フリジオ殿!」

「おいおい、よそ見かよぉ~」

  バルとリンダは元とは言え一流の冒険者だった。
  フリジオに気を取られたのはほんの一瞬だったのだが、砂で拘束されていた筈のコルダールが目の前に迫っていた。
  
「ごぉは!」

「きゃっ!」
 
「バル!リンダ!」

「人の心配なんて、してる場合かぁ?」

「ぐぁ!」

  ラーナを蹴り飛ばしたコルダールは自分の頭を狙い飛んで来た3本の矢を受け止める。

「そこかぁ」

  コルダールは村の端の木の上に陣取っていたメルビンに急接近すると、メルビンの襟首を掴み広場の方に投げ飛ばした。

「ぐぁぁあ!」

「はっはっは、いいぞぉ、少し楽しくなって来たぜぇ」

「この化け物が!」

  村人の1人が振り下ろした巨大な戦斧を片手で受け止めたコルダールは邪眼で村人を石に変える。

「はっは~!さぁ最後まで残るのは誰だぁ?」


  魔王コルダールの蹂躙が始まった。


===========================


「お久しぶりですわ、ユウ先生」

「お久しぶりです」

  わたしはレブリック公爵領にあるレブリック商会の商館の一室でレブリック商会会頭のシアさんと再会しました。

「それで、手紙にはリュウガ王国の要人の治療を依頼したいと有りましたが、どんな病気なのですか?」

「それが、詳しい事は分からないのです。
  日に日に体力が落ち、今では自分で起き上がる事も出来ないのだとか……」

「そうですか……まぁ、行って診断しなければ分かりませんね」

「そうですね、どうかよろしくお願いします。
  今日は部屋を用意しましたのでお休み下さい」

「いえ、まだ日も高いですし、このまま出発します」

「え、このままですか?」

  シアさんが驚いて居ますが、今はまだ昼前です。
  今から出てもおかしく有りません」

「ここからリュウガ王国まではどれ位の距離なのですか?」

「船で7日から10日と言ったところでしょうか?」

「ならオリオンなら数日で着くはずです。
  途中に休めるくらいの岩場や小島はありますか?」

「はい、いくつかの小島は、わたくしの商船でも補給地として使っています」

  これなら問題有りませんね。
  まぁ、オリオンなら数日くらい飛び続ける事も可能ですが休憩はあった方が良いですからね。
  わたしが席を立とうとすると、シアさんが慌てて止めます。

「わ、分かりました。
  準備をしますので1時間だけお待ち下さい」

  おっと、そうですよね。
  わたしが向こうへ行った際、シアさんの紹介である事を示す手紙や書類、許可書などを用意して貰わないといけません。
  わたしは席に座りなおしました。

「分かりました。
  では、少し待たせて頂きますね」

「はい、すぐに用意致します」

  そう言うとシアさんは部屋を出て行きました。
  
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