神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》

20話 切り札

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  わたしは水天の靴に魔力を込めると、足場を無視してカイさんへと駆け寄ります。

「へぇ、水上を走れるのか!」

「行きますよ!」

  ガッ!

  わたしが小手調べで振り下ろした水龍の戦斧をカイさんはトライデントを両手で支え、受け止めました。
  手首を返し振り上げ、振り下ろし、身体を回転させた横薙ぎへと繋ぎます。
  それをトライデントを巧みに操り弾き、受け止め、受け流したカイさんは、お返しとばかりにトライデントを突き出して来ます。
  上段の突きを屈んで躱し、すかさず放たれた下段の突きをバク転で回避します。
  わたしの着地……着水にタイミングを合わせた足払いを水龍の戦斧で止めると、反動を殺さずに逆側から仕掛けられた薙ぎ払いを左手に召喚した雷鳴の鉈で受け止めます。
  わたしが雷鳴の鉈の効果を発動する為、魔力を込めると、それを察知したカイさんが跳びのきました。
  そのまま別の足場へと飛び移り、わたしから距離を取りました。

「あぶねぇな、その鉈もマジックアイテムだろ」

「よく気づきましたね。
  このフィールドはわたしの武器との相性が良いのですよ」

  わたしが雷鳴の鉈を振ると、生み出された雷がカイさんへと襲いかかります。

「水よ 我が身を守れ ウォーターシールド」

  水面から浮かび上がった水が盾となりカイさんを雷きら守りました。
  水属性魔法は水を生み出す事も出来ますが、実際に存在する水を使う事で少ない魔力で強力な魔法を使用する事が可能です。

「水よ 槍となれ ウォーターランス」

  ですが水属性魔法が使えるのはカイさんだけでは有りません!

「全ての命の 源たる水よ 我が意のままに」

  水の触手を作りカイさんのウォーターランスを受け止めました。

「甘いぜ!」

「⁉︎」

  なんと、わたしの支配下にあった水が魔力ごとコントロールを奪われました。
  大きく、速く強化されたウォーターランスが迫ります。
  水龍の戦斧と雷鳴の鉈を送還すると、双斧を召喚します。
  白雪姫スノーホワイトを振るい、ウォーターランスを凍らせて叩き落としました。
  どうやらカイさんは水属性魔法に特化させた鍛え方をしている様です。
  上位属性の氷や他の属性を習得せずにひたすら水属性を極めたのでしょう。
  水属性の魔力コントロールがわたしよりも圧倒的に優れています。
  雷鳴の鉈の雷を有効な土属性魔法や風属性魔法を使わずにわざわざ水属性魔法で盾を作り出したのは他に手がなかったからだと思います。

「水よ 秘めたる暴威を晒せ コーラルストーム」

  カイさんの魔法によって作られた4本の小さな竜巻がわたしに向かって来ました。
  流石二つ名持ちのAランク冒険者です。
  出し惜しみをして勝てる相手では有りませんね。
  わたしはいくつかある切り札の1つを切ることにしました。

「契約により 扉を開く 羽ばたく雷光を我が元に 召喚サモン雷鳥サンダーバード

「キュー」

  召喚したオリオンの足に捕まり竜巻の影響がない場所へと移動します。
  正直、オリオンを召喚するのは卑怯かなっと思っていました。
  しかし、ルールでは従魔の召喚は禁止されていませんからね。
  勝てば官軍です!
  少し観客の方を見ると初めて目にしたAランクと言う高ランクの魔物に、観客と実況は、大興奮です。

「従魔までいるのかよ」

「ふっふっふ、わたしの頼もしい相棒です」

  状況は圧倒的にわたしが有利です。
  航空戦力の有る無しとは、それ程までに重要な要素なのです!
  ルール上、空中での行動は会場であるコロシアムの高さ、約20メートルに足りないくらいの高さまでOKです。

「おもしれぇ!
  契約により扉を開く 大海の覇者を我が元に 召喚サモン海龍リバイアサン!」

  おう!
  なんと言う事でしょう。
  カイさんも召喚魔法で従魔を召喚したのです。
  巨大なプールが小さく見える程の巨体を持つ中位竜種、リバイアサンです。
  その大きさは全長20メートル以上、胴回りは3メートルくらいでしょうか?
  前に戦ったナーガと違って手足は完全に退化しており、小さなヒレが有るだけです。
  リバイアサンの頭に乗ったカイさんはわたしと同じ高さまで持ち上げられました。

「さぁ、行くぞ漆黒!」
  
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