神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》

28話 道中の再会

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  空の旅は順調に進み、レブリック公爵家で一泊した後、王都に向けて進んでいます。
  街道沿いに飛んでいるとわたしの視界にいつもの光景が飛び込んで来ました。
  商人さんの馬車を襲う盗賊の姿です。
  盗賊は10人、商人さんの護衛は前に出て剣を構えた冒険者が2人、商人さんを背後に庇い、前衛の2人を補助しているフードを被った魔法使いが1人です。

「盗賊の数が多いですね。
  シアさん、少し寄り道します」

「はい、盗賊は商人の敵ですわ。
  わたくしも戦います」

  わたしとシアさんが武器を取り出すと、オリオンは急降下し、盗賊を1人掴んだ後再び空高くまで上昇します。
  あの高さから落下すれば命は無いでしょう。 
  わたし達は盗賊と交代するように着地し、戦闘に加わりました。

「な、なんだ、今のは!」

「一体、なにがぎゃぶ」

  雷鳴の鉈が盗賊の鼻から上を切り飛ばしました。
  混乱しているうちに数を減らしましょう。
  シアさんもわたしと同じ考えに至ったのか、メイスで盗賊を討伐して行きます。
  護衛の冒険者も好機だと判断したようで、防御重視だった戦い方から、積極的な攻めに転じています。
  わたしとシアさんが戦闘に加わった事で数で包囲し、ジリジリと削っていた盗賊の数はどんどんと減って行き、程なくして討伐が完了しました。
  周囲の安全を確保すると、前衛で戦っていた2人の冒険者が近付いて来ます。
  
「すみません、助かりました」

「いえいえ、たまたま通り掛っただけですから」

  冒険者の2人とやり取りをしていると、もう1人の魔法使いの冒険者と商人さんもやって来ました。
  
「助けて頂き、ありがとうございました」

  フードをとった魔法使いと商人さんにもお礼を言われ、お礼をという話になりました。
  別に良いのですが少しだけ礼金を貰っておきます。
  ここでタダにしてしまうと、『前、冒険者がタダで助けてくれた』と言う良くない前例を作る事になってしまうと、シアさんが、小声で教えてくれました。
  そこまでは考えていませんでしたね。
  その後、冒険者達と商人さんに別れを告げ、再び空へと飛び上がるのでした。


===========================


  道中、何度か魔物との戦闘はあったが、盗賊などに襲われる事もなく無事、目的地の街に到着した。
  カートは剣も魔法扱え、前衛が2人になった事で連携も安定した。
  目的地に着いたのは昼前だったので、依頼人の商人から報酬を貰い、今日の内に隣の村まで移動する事にした。
  マーリンやカートと共に魔物を討伐しながら街道を進んで行った。
  昼食と休息を取り、移動を始めて少しした時、始めに気づいたのはカートだった。

「なぁ、なんか焦げ臭くないか?」

「え、そう?」

「いや、確かに何が燃えてる様な……」

  俺達は小走りで小さな丘を超えると、村から黒い煙が立ち上っているのが見えた。

「大変だ、村がオークに襲われてるぞ!」

「行くぞ、村人を守るんだ!」

「疾風よ 我らに駆け抜ける力を 疾駆付与スピードエンチェント

  マーリンの付与を受け、俺達は駆け出した。
  村に近づくとオークと戦っている人達がいるのが分かった。
  戦っているのは立派な鎧と剣を装備した5、6人の男たちだった。
  男たちの練度は高く、どう見ても村人や冒険者でない。
  揃いの鎧を着て、同じ紋章が入った盾を持っている事から、騎士ではないかと思う。
  騎士達は強く、オークの猛攻を物ともしない。
  しかし、時折、オークアーチャーが火矢を放ち、村の建物に火を付けている。
  早く討伐しなければならない。

「俺達も行くぞ!」

「ああ」

「騎士達にも付与魔法を掛けるわ」

  俺は近くに居たオークに斬り掛った。

「紅蓮」

  カートの剣から生み出された炎がオークを飲み込む。

「風よ 炎よ 猛き戦士たちに 駆け抜ける翼を 悪を断ち切る刃を 多重上級付与デュアルハイエンチェント

「これは……付与魔法か!」

「君達は冒険者だな、助力に感謝する」

「皆、冒険者達と協力してオークを討伐せよ」

  俺達は数十分に渡る戦いの末オークを討伐することが出来た。
  指揮を執っていた騎士がこちらにやって来た。

「君達のお陰で速やかに討伐する事が出来た、感謝する」

「いえ、それより他の場所は大丈夫でしょうか?」

「ああ、問題ない。
  我々は別動部隊なんだ。
  本隊がオークの本隊と戦っている。
  村人も村の集会所に避難し、騎士が護衛している」

「そうですか」

「我々もこれから本隊と合流する。
  君達も一緒に来てくれないか?
  もちろん、報酬も約束する」

「分かりました」

  俺達は騎士達と共に村の反対側に移動した。
  そこには俺達が戦った以上の数のオークの死体があったがすでに戦いは終わっているようで、怪我をした騎士が手当を受けたりしている。
  俺達を連れて来た騎士が連絡を走らせた様で、すぐに騎士達を率いて来た指揮官がやって来るそうだ。
  
「かなり練度の高い騎士達だな」

「一体どこの騎士だろう?」

  俺とカートは首を捻ったが、マーリンはその疑問の答えを知っている様だ。

「彼らの盾に紋章があるでしょ。
  アレ、王家の紋章よ」

「「え⁉︎」」

  俺とカートが驚きの声を上げた時、マーリンは片膝をつき頭を下げていた。

「済まないな、待たせてしまった」

  略式の礼を取った騎士達の間からやって来たのは鎧を身に付けた俺とそう年も変わらない男だった。
  しかし、騎士達やマーリンの態度、王家の紋章から王族だろうと当たりをつけ、慌ててマーリンを真似て膝をつく。

「楽にせよ」

  俺達は男の言葉を聞き、立ち上がる。

「ん?
  なんだ、マーリンじゃないか」

「お久しぶりでございます。
  レオンハルト殿下」

  殿下……ってことは皇太子じゃないか⁉︎
  と言うかマーリンは皇太子殿下と知り合いなのか⁉︎
  俺とカートの驚きと戸惑いはますます加速するのだった。
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