神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》

108話 世界樹の洞

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  鱗粉の毒を受けていたハイエルフの戦士達を治療してから数日、わたし達は戦いの用意を整えて世界樹の根元にやって来ました。
  世界樹の根が張り出しているのですが、兎に角デカイです。
  わたし達が立っている根の1つでさえ高さは100数メートルは有ります。
  コレでも小さい方です。
  討伐目標の蛾の魔物は名前の分からない魔物でしたが、便宜上グレートモスと呼ぶ事に成りました。
  グレートモスは世界樹の洞の中に巣食っているそうです。
  こちら側の戦力はわたしとリゼさん、セシルさん率いる戦士団が6名です。
  残りの戦士団約100名は鱗粉に対する耐性がないので、蛾の魔物が逃げ出さない様に距離をとって魔法で援護をすることになりました。
  世界樹の根の上に居たわたし達の所に、セシルさんと前線にでる耐性持ちの戦士達がやって来ました。

「ユウ、戦士達の治療、ありがとな。
  薬師の連中がお前の技能を賞賛していたぞ」

「ふふん、凄いでしょ」

  何故かリゼさんは腰に手を当て胸をはります。

「何でお前が自慢気なんだよ?」

「ふふふ、薬師歴数100年のベテランに褒められるとは嬉しいですね」

  談笑をしている内に周囲にハイエルフの戦士達も集まって来ました。

 「ではリゼ、ユウ準備は良いか?」

「ええ」

「行きましょう」

  わたし達に確認をとったセシルさんはハイエルフの戦士達に向き直ります。

「戦士達よ、あの忌まわしい虫けらから我らの聖樹を取り戻すぞ!」

「「「「 応!!! 」」」」

  セシルさんの鼓舞にハイエルフの戦士達が勇ましい雄叫びを上げます。
  昨日の作戦会議で聞いたのですが、セシルさんには『統率』と言うスキルがあるそうです。
  自らが率いる集団の能力を引き出すスキルらしいです。

「あ、そうだ」

  わたしは戦闘に向かう集団が視界に入る位置に移動しました。

  くわっ!

  あまり使う機会が無く、すっかり忘れていましたが、わたしも有効なスキルを持っていたのです。

「ん?」

「なんだ?」

  ハイエルフの戦士達がざわざわし始めました。

「ユウちゃん、何したの?」

「鼓舞の魔眼です。
  発動した時に視界に居た人の力を強化する魔眼ですよ」

「驚いたわ、そんな魔眼を持っていたの?」

「かなり珍しい魔眼だな。
  どれくらい強化されるんだ?」

「さぁ?
  なにぶん、実戦で使うのは初めてですからね。
  まぁ、弱くはならない筈ですから試して見てください。
  効果時間は個人差が有りますがだいたい3時間くらいです」

  今まで使う機会が無かったので詳しくは分かりません。
  効果時間はリリや孤児院の子達に試して貰って判断しました。
  セシルさんは強化の具合を確かめる様に何度が素振りをした後、みんなを見回します。

「行くぞ!」

  セシルさんを先頭に世界樹を駆け上がって行きます。
  ハイエルフ達やリゼさんは世界樹の樹皮の僅かな凹凸を足場にして、当然の様に駆けていますが、コレはかなりの集中力が必要です。
  限られた選択肢の内、最も丈夫な足場を一瞬で見極めます。
  常に最善手を打ち続ける事が出来なければあっという間に真っ逆さまです。
  世界樹を登る事しばらく、ようやくこの登り方に慣れて来た頃、セシルさんが『止まれ』とハンドサインを出しました。
  世界樹の樹皮に捕まり身体を固定したわたし達にセシルさんは上を指差し、合図を送ります。
  彼が指差す方に視線をやると世界樹の幹に大きな洞が開いているのが見て取れました。

「ここからは耐性持ちの戦士とリゼとユウだけで行く。
  残りは周囲に散開、遊撃に当たれ」

  ハイエルフの戦士達は、素早く散らばると洞を包囲する様に配置に着きます。
  それを確認したセシルさんは残っていたわたし達に指示を出します。

「よし、行くぞ」

  わたし達は幹を駆け上り、洞へと到達しました。
  とうとうわたし達の目の前に現れたのは全表10メートルはあろうかと言う毒々しい巨大な蛾です。
  キモいです!
  グレートモスは地に付けていた身体を起こしわたし達を睨みつけました。
  …………多分ですが。
  複眼なのでよく分かりません。

「ギョエェェエ!!!」

  グレートモスが甲高い声で威嚇して来ます。
  よく知りませんが蛾って鳴くんでしょうか?
  謎です。
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