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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第3部《交錯する戦場》
14話 グリント帝国新人兵士 ククイ
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ククイは初めての戦場の空気に飲まれていた。
グリント帝国の兵士の4男として生まれたククイは、成人すると父や長男、次男と同じ兵士になった。
商人となった3男以外は皆、兵士である。
見習いを卒業し、帝都第3兵士隊に新兵として配属されたのは、つい数ヶ月前のことであった。
そこにこの戦争である。
ククイはグリント帝国の兵士として出兵した。
初めは同期の新兵達と手柄を立て出世する、敵将の首を取って騎士になるなどと息巻いていたものだ。
しかし、実際に戦争が始まり血と鉄の匂いが充満し始めた頃にはそんな気概は消え失せて、ただ生き残る為だけに必死に戦っていた。
すでに同期の新兵の中からも戦死した者も居る。
ククイは同じ隊の長兄と兄の同期である先輩と共に最前線でたたかっていた。
「はっ!」
「やぁ!」
3人は訓練でもチームを組んでおり、連携の練度も十分だった。
2日目の朝から戦い、太陽が頂点に達しても戦い続けていた。
「ぐぁぁあ!」
すぐ横に居た別の隊の兵士が悲鳴を上げて崩れ落ちる。
目の前に居たのは無骨な鎧に身を包み、肉厚な大剣を手にした魔族だった。
「ぬぉりゃあ!」
咆哮と共に大剣を大きく振るうと、周囲にいた連合軍の兵士や冒険者が一撃で命を落として行く。
「くっ、強いぞ!」
「遊撃の冒険者に任せて退くんだ!」
魔族の中にいる特出した強者の相手には遊撃に選ばれた冒険者が当たるとの通達があったのだ。
兄の指示でククイと先輩は撤退に移ろうとする。
「逃がさん!」
撤退しようとした気配に気が付いたのか魔族は鋭い踏み込みで迫って来た。
「う、うぁあ!」
ククイは思わず悲鳴を上げ、死を覚悟する。
ギンッ!
しかし、死は一向に訪れる事はなかった。
魔族の刃を受け止めてくれた人が居たのだ。
彼は全身鎧に身を包み、分厚い盾を手にしている。
鎧の冒険者はククイ達を背に庇い大剣を持った魔族を睨みつけた。
「俺はAランク冒険者鉄壁のジェノス、この俺が相手だ!」
「面白い、魔王グレース様の配下グラトンだ。
かかって来い!」
お互いに名乗りを上げた2人は激しく戦い始めた。
その姿を目にしたククイの胸に、憧れと悔しさが込み上げてくる。
それは、強さへの憧憬と弱い自分の不甲斐なさだった。
2人の強者の戦いは鉄壁のジェノスの勝利に終わった。
周囲を鋭く見回すジェノスに一言礼を言おうとククイが一歩近づいた時だった。
「破砕弾」
ジェノスの鎧が粉々に砕けたのだ。
しかも、砕けた鎧の破片は死の礫となって周囲の兵士や冒険者の命を奪って行く。
腹に大穴を開けたジェノスはその場に崩れ落ちる。
それを成したのは大柄な魔族の男だった。
「我こそは魔王グレース!
さぁ、人間の兵士達よ、我が首を掲げ英雄となる者はいないか?
我こそはという者は我が前に立つがよい」
大柄な魔族は自らを魔王と名乗った。
あまりの衝撃にククイは気が遠くなる思いだった。
「ククイ!ククイ!しっかりしろ!」
ククイは兄の声に意識を戻す。
「あ、兄……さん……ごぼっ……」
ククイは口から血を吐き出す。
目線をズラせば自分の身体が血塗れになっている事に気付く。
そしてすぐ近くには顔の上半分が吹き飛んでしまった先輩の姿があった。
「む、若き人間の兵よ、これも戦場の理りだ。許せ」
グレースは腰から剣を引き抜きククイとククイを抱き上げる兄を目掛けて振り下ろす。
ギンッ!
しかし、またもや乱入する者が居た。
「こいつの相手は私がするわ。
あなたはその子を救護所に連れて行きなさい」
「……は、はい!」
乱入者の言葉に返事を返した兄は、ククイの身体を支えて急いで救護所に向かった。
グレースはすでに興味はないとばかりに、急いでその場から離れる2人の兵士に手出しはしなかった。
グレースの視線は乱入して来た女に注がれている。
「娘、尋常ならざる使い手と見受けるが、何者だ?」
「Sランク冒険者リゼッタよ」
その言葉を聞いた魔王グレースは歓喜の声を上げる。
「そうか!
お主があの『至高の冒険者』か!
素晴らしい、この俺にその力を見せてみろ!」
グリント帝国の兵士の4男として生まれたククイは、成人すると父や長男、次男と同じ兵士になった。
商人となった3男以外は皆、兵士である。
見習いを卒業し、帝都第3兵士隊に新兵として配属されたのは、つい数ヶ月前のことであった。
そこにこの戦争である。
ククイはグリント帝国の兵士として出兵した。
初めは同期の新兵達と手柄を立て出世する、敵将の首を取って騎士になるなどと息巻いていたものだ。
しかし、実際に戦争が始まり血と鉄の匂いが充満し始めた頃にはそんな気概は消え失せて、ただ生き残る為だけに必死に戦っていた。
すでに同期の新兵の中からも戦死した者も居る。
ククイは同じ隊の長兄と兄の同期である先輩と共に最前線でたたかっていた。
「はっ!」
「やぁ!」
3人は訓練でもチームを組んでおり、連携の練度も十分だった。
2日目の朝から戦い、太陽が頂点に達しても戦い続けていた。
「ぐぁぁあ!」
すぐ横に居た別の隊の兵士が悲鳴を上げて崩れ落ちる。
目の前に居たのは無骨な鎧に身を包み、肉厚な大剣を手にした魔族だった。
「ぬぉりゃあ!」
咆哮と共に大剣を大きく振るうと、周囲にいた連合軍の兵士や冒険者が一撃で命を落として行く。
「くっ、強いぞ!」
「遊撃の冒険者に任せて退くんだ!」
魔族の中にいる特出した強者の相手には遊撃に選ばれた冒険者が当たるとの通達があったのだ。
兄の指示でククイと先輩は撤退に移ろうとする。
「逃がさん!」
撤退しようとした気配に気が付いたのか魔族は鋭い踏み込みで迫って来た。
「う、うぁあ!」
ククイは思わず悲鳴を上げ、死を覚悟する。
ギンッ!
しかし、死は一向に訪れる事はなかった。
魔族の刃を受け止めてくれた人が居たのだ。
彼は全身鎧に身を包み、分厚い盾を手にしている。
鎧の冒険者はククイ達を背に庇い大剣を持った魔族を睨みつけた。
「俺はAランク冒険者鉄壁のジェノス、この俺が相手だ!」
「面白い、魔王グレース様の配下グラトンだ。
かかって来い!」
お互いに名乗りを上げた2人は激しく戦い始めた。
その姿を目にしたククイの胸に、憧れと悔しさが込み上げてくる。
それは、強さへの憧憬と弱い自分の不甲斐なさだった。
2人の強者の戦いは鉄壁のジェノスの勝利に終わった。
周囲を鋭く見回すジェノスに一言礼を言おうとククイが一歩近づいた時だった。
「破砕弾」
ジェノスの鎧が粉々に砕けたのだ。
しかも、砕けた鎧の破片は死の礫となって周囲の兵士や冒険者の命を奪って行く。
腹に大穴を開けたジェノスはその場に崩れ落ちる。
それを成したのは大柄な魔族の男だった。
「我こそは魔王グレース!
さぁ、人間の兵士達よ、我が首を掲げ英雄となる者はいないか?
我こそはという者は我が前に立つがよい」
大柄な魔族は自らを魔王と名乗った。
あまりの衝撃にククイは気が遠くなる思いだった。
「ククイ!ククイ!しっかりしろ!」
ククイは兄の声に意識を戻す。
「あ、兄……さん……ごぼっ……」
ククイは口から血を吐き出す。
目線をズラせば自分の身体が血塗れになっている事に気付く。
そしてすぐ近くには顔の上半分が吹き飛んでしまった先輩の姿があった。
「む、若き人間の兵よ、これも戦場の理りだ。許せ」
グレースは腰から剣を引き抜きククイとククイを抱き上げる兄を目掛けて振り下ろす。
ギンッ!
しかし、またもや乱入する者が居た。
「こいつの相手は私がするわ。
あなたはその子を救護所に連れて行きなさい」
「……は、はい!」
乱入者の言葉に返事を返した兄は、ククイの身体を支えて急いで救護所に向かった。
グレースはすでに興味はないとばかりに、急いでその場から離れる2人の兵士に手出しはしなかった。
グレースの視線は乱入して来た女に注がれている。
「娘、尋常ならざる使い手と見受けるが、何者だ?」
「Sランク冒険者リゼッタよ」
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「そうか!
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素晴らしい、この俺にその力を見せてみろ!」
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