神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

1話 神様とわたし

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  何処までも続く白い空間にわたしは
立っていました。

  いつから此処に居たのか何故此処に居るのか思い出せません。
  しかし、心は落ちついているし、頭も冷静、こんな状況なのに全くパニックになっていない自分に少し違和感を覚えます。

「やぁ急に呼び出して済まないね」

  いつの間にか目の前に男性が立っていました。
  男性…多分男性だと思います。
  その男性?は少し目線を離せば顔を忘れてしまいます。
  しっかりと見えている筈なのに霞がかかった様な不思議な人物でした。

「楠木 優香さん、残念ながら君は2025年3月25日03時46分に、就寝中の心臓発作により死亡しました」

  なんと!どうやらわたしは死んでしまったらしいです。
  では、何故此処にいるのでしょうか?
  彼は何者なのでしょうか?
  疑問は尽きませんが、わたしには、この状況に心当たりがあります。

  高校に入学したばかりの頃、事故で両親を亡くして、ショックでしばらく引きこもっていた時に現実逃避で幼馴染に借りて、読み始めたファンタジー小説の類いです。

  心の整理がついて、両親の為にも頑張って生きて行こうと決めてからもその手の作品は大好きです。
  小説でのセオリー通りならわたしが死んだのは神様のミスとか言うのが定番です。

「確かに僕は君達人間が神と呼ぶ存在だけれど、君の死はもともと決まっていたもので、僕は何もしていないよ」

  ちがった!! 
  恥ずかしい!!
  状況からして、てっきりお詫びに異世界転移の流れだと思いました。

「僕のミスではないけれど君に異世界に行って貰いたいと言うのは合ってるよ」

  マジですか!?
  え? 
  マジ? 
  わたしは勇者とか聖女とかそんな感じなのですか?

「いや確かに邪神とか居るけどそっちはちゃんと勇者が居るから大丈夫だよ。
  君に転移して貰いたいのは、まぁ、僕の趣味みたいな感じかな」

  趣味!?
  驚愕の事実が発覚です。
  ビックリマークが止まりません!!

「なんか最近僕達の間で異世界転移が流行っててね。僕もやってみようかなって思ってさ」

  神々の間では異世界転移がブームらしいです。

「地球の特に日本の作品は人気でね。
  品薄でなかなか手に入らないんだよ」

  さすが日本のサブカルチャーです。
  クールジャパンですね。

「向こうの世界に行っても、特にやらなければならない事とかは無いから、君の好きに生きてくれればいいよ。
  そして向こうの世界の文化に少しだけでも良い影響が出てくれたら嬉しいね」

  どうやら本当に使命とか目的とかは無いようです。
  となると後はお待ちかねのチートタイムでしょうか?
  最近は、チートなしで転生とかも多いので少し心配です。
  わたしにはハーブの知識とか、ミリタリ知識とかは有りませんよ?

「あぁ 安心してくれ。
  ちゃんと用意してある」

  おぉ!良かった。
  どうやらチートは貰えるようです。
  神様は、CDケースの様な箱から2枚のカードを取り出しました。
  あのカードがチートと何か関係があるのでしょうか?

「はい、これ持って」

  神様はわたしに2枚のカードを手渡してきました。
  カードには【人気スキル・知識セット】【スキル《武芸百般》】と書かれています。
  この怪しいカードがチートと何か関係があるのでしようか?

!?

  突然カードが燃え上がり灰がわたしの身体の中に吸い込まれて行きました。
  その瞬間わたしの頭の中に異世界の常識や習慣、手に入れたスキルや魔法の使い方などの知識が流れ込んで来ました。
  まるで、初めから知っていた事を思い出した様な不思議な感覚です。

「これで君にスキルや知識を付与できたはずだ。
  ステータスを開いてごらん」

  わたしは神様の指示どおりステータスを開きます。
  どうすればステータスを開く事が出来るのかわたしは知っているのです。実に奇妙な感覚です。

楠木 優香  21歳

死者

魔法適正 【水】 【木】 【闇】

料理人《調理》《味覚強化》《解体術》

スキル
・速読術
・家事
・基本礼法

付与スキル
・アイテムボックス【時間停止】
・異世界言語
・マッピング
・危機察知
・鑑定
・身体強化
・魔力増加
・精神強化
・異常状態耐性
・武芸百般

  わたしのステータスが空中に表示されます。
  ちなみに異世界の人々はステータスを開く事はできず、自分のステータスを知るには教会に行って、御告げを聞かなければならない様です。 
  神様の説明によると、スキルと言うのはわたしが元々持っていた技術や知識が調整されたもので、付与スキルと言うのが神様から貰ったスキルのようです。
  料理人と言うのは職業スキルと言って複数のスキルを身につけることで得られる物らしいです。
  コレを得ると特定のスキルの効果上昇や新たなスキルの獲得などの恩恵があるようです。

「後はこれだね」

  神様の前にスロットマシーンが現れました。

「このスロットのリールは左から職業スキル、特殊魔法、マジックアイテムに成っている。
  それぞれ1つ君に付与するよ」

  なんと更にスキルを頂ける様です。
  わたしはスロットマシーンの横にあるレバーを引きました。
  するとスロットマシーンのリールが凄いスピードで回り始めました。
  とても目で追えるスピードではなかったので適当に押すしか有りません。

!  !  !

・薬師
・召喚魔法
・夜天のローブ

  スロットの結果このスキルとアイテムを頂きました。

「ではそろそろ転移してもらうよ」

  神様がそう言うとわたしの意識は朦朧としてきました。

「神様、色々とお世話になりました」

  わたしは薄れて行く意識の中なんとか神様にお礼を言う事が出来ました。

「2度目の人生を楽しんでくれ」

  その言葉を聞きわたしは意識を手放しました。
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