神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

53話 経過観察とわたし

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  ガルフさんに戦斧を注文した後、貴族街へ向かいます。
  戦斧が出来上がるまで数日かかるそうです。
  ちなみに、あの砕けてしまった魔鋼の戦斧の柄ですがガルフさんに考えがあるそうなので預けています。
  新しい戦斧が出来るまでは依頼は受けないつもりです。
  貴族街と平民街の間には簡易的な門があり、門番の衛兵が立っています。
  軽くチェックは受けたりはしますけど、別に平民が入ってはいけないと言う事はないのです。
  しかし、普通は用事が無ければわざわざ貴族街に入る平民は少ないそうです。

「貴族街に何か用事かな、お嬢ちゃん?」

  …………完全に子供扱いですね。
  もう諦めました。
  わたしはギルドカードと辺境伯様に貰った辺境伯家の紋章が入ったメダルを取り出すと衛兵に見える様に差し出し、名前と用件を伝えます。

「わたしはBランク冒険者のユウと申します。
  辺境伯家に用事が有ります」

「し、失礼いたしました。どうぞ、お通り下さい」

  わたしの身元を確認すると急に緊張し、丁寧に接して来ました。
  辺境伯様がなにか伝えていたのでしょうか?
  わたしは衛兵にお礼を言い、辺境伯家を目指します。
  しばらく歩くと、砦の様な厳つい建物が見えて来ました。
  
「こんにちは、薬師のユウです。
ユーリア様の経過観察に来ました」

「これはユウ様、直ぐお取り次ぎ致します」

  2人いた門番の内、若い方の門番が屋敷の方へ駆けて行きました。
  数分後、門番はシルバさんと共に戻って来ました。

「ユウ様、お待たせ致しました。
  どうぞ、中にお入り下さい」

「ありがとうございます」

  シルバさんに続いて屋敷に入ります。

「その後、ユーリア様の様子は如何ですか?」

「はい、ユウ様の治療のお陰ですっかり元気になられて、今では毎日、魔法の鍛錬を重ねていらっしゃいます」

「おぉ、魔法が使えていると言う事は経過も良好な様ですね」

「また、ユーリアお嬢様の元気なお姿を見る事ができるとは、これ程嬉しい事は有りません」

  シルバさんの目は涙で潤んでいます。
  シルバさんはユーリア様が産まれた時から辺境伯家に仕えているらしいですし、自分の娘の様な気持ちなのでしょう。

「こちらでお待ち下さい。
  直ぐにフレイド様が参ります」

  前回、来た時と同じ応接室に通されました。
  やはり、お茶とお菓子を食べながら20分程待ちます。
  まぁ、事前に来ると伝えて無かったわたしが非常識でしたね。
  今度からは、ちゃんとアポイントメントを取るとしましょう。

トントン
  ノックの音が部屋に飛び込んだあと、入り口の近くに控えていたメイドさんがドアを開け、辺境伯様達を招き入れます。
  わたしは立ち上がり、頭を下げ、急な来訪を謝罪しました。

「お久し振りです、フレイド様。
  突然来訪し、申し訳ありません」

「いやいや、気にしないでくれ。
  ユウ殿ならいつでも歓迎するよ」

「いらっしゃいませ、ユウ様。
  本日はユーリアの経過を見て頂けるとお聴きしましたが?」

「はい、ユーリア様の治療が終わってそろそろ3ヶ月程になりますので1度検査をと思いまして」

「よ、よろしくお願いします、ユウ様」

  見た感じユーリア様は元気そうですね。

「アレからまだ3ヶ月しか経っていないがユウ殿はなかなか派手に活躍しているそうじゃないか」

「ははは、何れも巻き込まれたり、場に流されたり、しただけですよ」

「それであっと言う間にBランクに上がったのだからそれはもう君の実力だの思うがね」

「Bランク冒険者だなんて、凄いですね」

「いえ、Bランク冒険者と言ってもギルドマスターにはボコボコにされましたけどね」

「あ~、リゼッタか、まぁ、アレは別格だろ。
  私も腕には覚えが有るが、彼女には勝つどころか、善戦すら出来そうもない」

「ははは、では、そろそろユーリア様の検査をさせて頂きますね」

「お願い致します」

  わたしはいつかの様にユーリア様の血液を採取し検査薬に混ぜて反応を観察します。
  検査薬は淡い光を放ちました。

「ユーリア様の血液中の魔力は正常です。
  普通の高位魔法使いくらいの量ですよ」

「そうか、異常はないか」

「良かったわね、ユーリア」

「はい、お父様、お母様」

  ユーリア様以上にフレイドとミッシェル様が嬉しそうです。
  そして、2人の後ろでシルバさんも安堵の息を吐いていました。
  その時、不意にミッシェル様が顔色を悪くし急に席を立ちました。
  メイドに連れられ部屋を出ていったミッシェル様を見て、わたしはフレイド様に尋ねます。

「ミッシェル様は体調を崩されているのですか?」

「ああ、どうもここ最近、体調が優れないようでな、医者からは胃腸薬を貰っているのだがあまり効いていない様なのだ。
  ユウ殿、もし良ければ少し見てやってくれないか?」

「はい、もちろん」

  わたしとフレイド様が話しているとミッシェル様が戻って来ました。
  早速、ミッシェル様の脈や体温などを計り、診断スキルを使います。

  これは!!
  ん~、間違い有りませんね。

「フレイド様、ミッシェル様、それにユーリア様とシルバさんも落ち着いて聞いてください」

「ど、どうしたのだ、ユウ殿、まさか妻の身に何か!」

「な、何が分かったのでしょうか?」

「……ごく」

「お、奥様」

「フレイド様、落ち着いて下さい。
  ミッシェル様は……妊娠されてます」

  その後、辺境伯家は上を下への大騒ぎでした。
  しっかりと落ち着く様に言ったのに……


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