不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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剣鬼 闘技祭準備編

再戦 〈ゲイン〉

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「まさかこいつとまた戦わされる羽目になるとは……」
「頑張ってくださいね。この世界では死ぬことはないですけど、切られたら痛いですから」
「分かってるよ!!」


レナは退魔刀と反鏡剣を構え、外の世界で初めて遭遇した強敵と向かい合う。吸血鬼であるゲインはレナと相対した時と同じ格好をしており、手元には紅色の刃の刀を握りしめていた。レナが戦闘態勢に入った途端、彼に向けて剣を振り翳す。


「何のっ!!」


振り落とされた剣をレナは反鏡剣で弾き返し、反対の腕の退魔刀を振り抜くが、ゲインは後方に跳んで回避する。それを確認したレナはこちらの世界でも魔法が扱える事を確認し、限界強化と重撃剣を施して攻撃を仕掛ける。


「疾風撃!!」
『受け流し』


ゲインは横薙ぎに振り払われた退魔刀を刀で受け流し、それを確認したレナは反対の腕に握りしめた反鏡剣を突き刺そうとした時、ゲインが喋った事に気付く。


「あれ、こいつ喋れるの?」
「喋れますよ。最も彼は私が生前の情報を頼りに作り出した人形です。だから生前の時の様に話す事も出来ますし、技も扱えます」
『そういう事さ。まさか、こうして君と再び巡り合えるとはね』
「うわ、何か声が気持ち悪いんだけど……」


レナと相対するゲインはまるで本物の様に話しかけ、刀に頬を当てながらレナを見つめる。依然と遭遇した時よりも熱のある視線を感じ取り、レナは薄気味悪い感覚を味わうが、ゲインは恍惚の表情を浮かべながられにレナに語り掛ける。


『素晴らしい……!!まさかあの少年がここまで育つとは……!!惜しむのは彼女に会えず死んだ事だが、代わりに君という素晴らしい敵に巡り合えた!!さあ、殺しあおうじゃないか!!』
「こいつ、こんな性格だったっけ?」
「あれ?調整ミスりましたかね……まあ、この人を実験台に好きにやっちゃって下さい」
「分かったよ……またぶっ飛ばしてやる!!」


退魔刀と反鏡剣を構えながらレナは両腕に力を籠め、加速剣撃を発動させて踏み込む。事前に危機を感じ取ったのか、ゲインは表情を一変させて距離を取ろうとした。


『おっと、近づかないよ』
「ちっ!!」
『前とは別人のようだね……立派になったものだ』


ゲインはレナの腐敗石の粉を浴びて冷静さを欠いてしまい、実力は完全に勝っていたにも関わらずに敗北してしまった。しかし、今現在のレナは何度も死線を潜り抜けた事で成長しており、一流の剣士と言っても過言ではない。しかし、ゲインもレナと同様に「剣鬼」に至った存在である事も事実である。


『なら、僕も最初から本気で行こうじゃないか』
「っ……!?」


レナは異常なまでの威圧を感じ取り、背後に危機感を感じて剣を構えると、縮地のスキルを発動させて瞬間移動のように接近したゲインの姿があり、剣を振り翳す。


「疾風剣」
「くうっ!?」


凄まじい速度で剣が振り下ろされ、危うくレナは首を切り落とされる所だったが、反鏡剣で受ける事に成功した。そのまま彼は後方に跳ぼうとしたが、先にゲインが足払いを行い、レナを押し倒す。


『無駄だよ」
「うわっ!?」


身体を掴まれた状態でレナは地面に倒され、ゲインは剣を突き刺そうとするが、咄嗟にレナは退魔刀を手首の力だけで振り抜いてゲインを振り払う。


「このぉっ!!」
『おおっ!?』


普通の剣士ならば抵抗できずに殺されていた体勢かもしれないが、レナの重撃剣は手元の重力を操作する戦技であり、手首さえ動かせれば剣を振り抜く事も出来る。予想外の体勢からの反撃にゲインは後方に回避するが、レナは大剣を振り抜いた勢いを利用して起き上がり、今度は逃さずに反対の剣を突き刺す。


「シズネ直伝、乱れ突き!!」
『ほうっ!!』


シズネから教わった戦技を発動させ、ゲインに向けて剣を突き刺す。覚えておいて損はないという理由でシズネから教わったが、大剣では相性が悪かったので反鏡剣でしか繰り出すことが出来ない。覚えたてなのでシズネと比べると攻撃速度も遅く、攻撃回数も3回程度だが、ゲインは突き出された刃を上半身を反らして回避する。


「旋……風!!」
『くうっ!?』


今度こそ加速剣撃で強化させた一撃を放ち、通常時よりも凄まじい速度で振り払われた退魔刀がゲインに迫り、剣で受ける事は出来ないと判断したゲインは縮地を発動させて回避を行い、レナの背後に移動を行う。


『これで終わりだ……』
「うらぁっ!!」
『なにぃっ!?』


だが、レナはゲインが背後に移動するのを見越して退魔刀を振り抜き、勢いを殺さずに背後のゲインに向けて刃を放つ。反撃のために敢えて接近した事が仇となり、ゲインは迫りくる刃に対し、目つきを鋭くさせる。


『があっ!!』
「っ……!?」


退魔刀が空振りし、レナはゲインの姿が消えた事に気付き、縮地を連続して回避したのかと考えたが、大剣の重量に違和感を抱く。彼が刀身に視線を向けると、そこには両腕を組んで刃の上に立つゲインの姿が存在した。


「なっ……」
『本当に成長したようだね……だが、そこまでだ』


ゲインは瞳を怪しく光り輝かせ、レナに向けて剣を突き刺そうとした時、咄嗟にレナは退魔刀を手放して反鏡剣を振り抜く。


「このっ!!」
『無駄だよ』


だが、ゲインは刃の上から跳躍すると振り抜かれた反鏡剣の刃を紙一重で回避し、レナの右腕に剣を振り落とす。ところが予想外にも彼の剣はレナの身体に触れた瞬間に跳ね返されてしまう。


『なっ!?』
「舐めるなっ!!」


そのまま彼はレナの腕を切り落とす勢いで剣を振り抜いたが、レナの肉体に「紅色の魔力」が全身を包み、刃を阻む。ホネミンから教わった「魔鎧術」によって致命傷を避けたレナは反鏡剣を手放し、ゲインの顔面に拳を叩きこんだ。


「うらぁっ!!」
『ぐはぁっ!?』


勢いよく殴りつけられたゲインが鼻血を噴き出しながら地面に倒れこみ、腕を抑えながらもレナはゲインの一撃を受け切った事に安堵する。
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