300 / 2,091
闘技祭 決戦編
タザン
しおりを挟む
「なんか凄くキャラの濃い人が出てきたな……皆は知ってる?」
「私は名前ぐらいしか聞いた事がないわね」
「俺もだ」
「僕は名前すら聞いたことないよ」
タザンに関してはレナ以外の3人もよく知らないらしく、獣人族の間では有名な人物らしいが、わざわざ身体を鍛えるために鉄球付きの枷を身に付けている時点で変人である事は間違いない。しかし、格闘家としては一流なのかその筋肉は見事な物であり、体毛が濃いという点を除けば筋肉好きの方にはたまらない肉体だろう。
「あの恰好を見る限り、明らかに格闘家の職業ね。それに猿型の獣人族というのも珍しいわね」
「猿と言うかゴリラだと思うけど」
この世界にゴリラが存在するのかは不明だが、タザンの動向を見る限りではゴリラが擬人化したようにしか見えず、パフォーマンスが派手と言う理由でレナはプロレスラーを見ている気分に陥る。しかし、その一方でレナは会話に夢中で紹介を聞き逃した選手が一人存在する事に気付き、最後の選手に視線を向けた。
「そう言えばあと一人は誰なの?」
「ほら、あそこにいる奴だよ」
「あの顔は……特に見た事がないわね」
4人目の選手に関しては傭兵と思われる中年男性であり、同じく傭兵であるシズネが顔を知らない時点で有名な人物ではない可能性が高い。それでも試合に出場できる時点で相当な実力者のはずだが、男性は疲れた表情を浮かべながら既に西側の黒柱に待機していた。
「なんか冴えないおっさんにしか見えないな……本当に戦えるのかあれ?」
「ダイン、見た目で人を判断してはいけない」
「でも、確かに覇気が感じられないわね。というより、やる気があるように見えないわね」
「試合前に何かあったのかな?」
名簿を確認する限り、男性の名前は「ダン」という傭兵だと判明する。名簿には名前しか記されていないので選手の詳細情報までは分からないが、レナは何故か男性を見て違和感を感じる。
「あの人……」
『それでは試合を始めます!!最終試合……開始ぃっ!!』
レナが男性に感じた違和感を他の人間に話す前にラビットの試合開始の合図が行われた。最初に動いたのはタザンであり、両手に取り付けた鉄球を振り回しながら駆け抜ける。
「うほおおおおっ!!」
試合場の中央に移動するとタザンは上空に跳躍し、勢いよく鉄球を地面に叩きつける。一体何十キロ存在するのか鉄球が地面に衝突した瞬間に軽い振動が走り、土煙を舞い上げる。他の三人は土煙に隠れたタザンに警戒したように身構えると、煙の中から鉄球が飛び出してきた。
「ぬうっ!?」
「うおおおおっ!!」
最初にタザンが狙ったのはジイらしく、鎖付きの鉄球が迫る。ジイは接近する鉄球に対して鉄槌で受け止めるが、そのあまりの衝撃に身体が仰け反ってしまう。その隙を逃さぬとばかりにタザン本人が姿を現し、もう片方の鉄球を今度は頭上から振り下ろす。
「うほぉっ!!」
「うおおっ!?」
咄嗟にジイはその場を転がって鉄球を回避したが、上空から接近してきた鉄球は地面に衝突した瞬間に地割れを作り上げる。その馬鹿げた威力にジイは冷や汗を流し、身体を起き上げると逃げ出す。
「こりゃいかん……一時撤退じゃ!!」
「逃さんぞぉっ!!」
逃走を開始したジイに対してタザンは両手の鉄球を振り回し、追撃を加えようとした。しかし、そんな彼の背後から接近する影が存在した。
「っ……!!」
「うほっ!?」
タザンがジイに集中している間に背後から接近していたダンが腰に装着していた斧を振り翳し、背中から斬りかかる。しかし、タザンは咄嗟に両手の鎖の鎧を利用して刃を受け止め、金属音が試合場に鳴り響く。
「ぐぬぬっ……ふんっ!!」
鎖と斧という変わった武器で鍔迫り合いが続くが、タザンは両腕の力瘤を肥大化させ、力尽くで斧の刃を弾き返す。手持ちの武器を弾かれた傭兵は地面に尻餅をついてしまい、その隙を逃さずにタザンは蹴りつけた。
「ぬぅんっ!!」
「っ……!?」
腹部を勢いよく蹴りつけられた傭兵は十数メートル先まで吹き飛ばされ、派手に転倒しながら倒れこむ。その様子を目撃した観客は悲鳴を上げるが、攻撃を仕掛けたタザンは眉を顰める。
「うほぉっ……?」
タザンは男性を蹴りつけた右足に視線を向け、いつの間にか自分の足首に赤色のような物体が付いている事に気付き、疑問を抱く。しかし、右足に取りついた物を確認する暇もなく、前方に存在したアルミナが接近している事に気付いた。
「行くぞ筋肉だるま君!!」
「むぅっ!!正面から来るとは……気に入ったぞっ!!」
魔術師でありながら杖を背中に背負った状態で接近してきたアルミナに対し、タザンは両腕の鉄球を振り回しながら正面から迎え撃つ体勢に入る。しかし、その姿を見たアルミナは笑みを浮かべ、両手を左右に広げて驚くべき魔法を発動させた。
「私は名前ぐらいしか聞いた事がないわね」
「俺もだ」
「僕は名前すら聞いたことないよ」
タザンに関してはレナ以外の3人もよく知らないらしく、獣人族の間では有名な人物らしいが、わざわざ身体を鍛えるために鉄球付きの枷を身に付けている時点で変人である事は間違いない。しかし、格闘家としては一流なのかその筋肉は見事な物であり、体毛が濃いという点を除けば筋肉好きの方にはたまらない肉体だろう。
「あの恰好を見る限り、明らかに格闘家の職業ね。それに猿型の獣人族というのも珍しいわね」
「猿と言うかゴリラだと思うけど」
この世界にゴリラが存在するのかは不明だが、タザンの動向を見る限りではゴリラが擬人化したようにしか見えず、パフォーマンスが派手と言う理由でレナはプロレスラーを見ている気分に陥る。しかし、その一方でレナは会話に夢中で紹介を聞き逃した選手が一人存在する事に気付き、最後の選手に視線を向けた。
「そう言えばあと一人は誰なの?」
「ほら、あそこにいる奴だよ」
「あの顔は……特に見た事がないわね」
4人目の選手に関しては傭兵と思われる中年男性であり、同じく傭兵であるシズネが顔を知らない時点で有名な人物ではない可能性が高い。それでも試合に出場できる時点で相当な実力者のはずだが、男性は疲れた表情を浮かべながら既に西側の黒柱に待機していた。
「なんか冴えないおっさんにしか見えないな……本当に戦えるのかあれ?」
「ダイン、見た目で人を判断してはいけない」
「でも、確かに覇気が感じられないわね。というより、やる気があるように見えないわね」
「試合前に何かあったのかな?」
名簿を確認する限り、男性の名前は「ダン」という傭兵だと判明する。名簿には名前しか記されていないので選手の詳細情報までは分からないが、レナは何故か男性を見て違和感を感じる。
「あの人……」
『それでは試合を始めます!!最終試合……開始ぃっ!!』
レナが男性に感じた違和感を他の人間に話す前にラビットの試合開始の合図が行われた。最初に動いたのはタザンであり、両手に取り付けた鉄球を振り回しながら駆け抜ける。
「うほおおおおっ!!」
試合場の中央に移動するとタザンは上空に跳躍し、勢いよく鉄球を地面に叩きつける。一体何十キロ存在するのか鉄球が地面に衝突した瞬間に軽い振動が走り、土煙を舞い上げる。他の三人は土煙に隠れたタザンに警戒したように身構えると、煙の中から鉄球が飛び出してきた。
「ぬうっ!?」
「うおおおおっ!!」
最初にタザンが狙ったのはジイらしく、鎖付きの鉄球が迫る。ジイは接近する鉄球に対して鉄槌で受け止めるが、そのあまりの衝撃に身体が仰け反ってしまう。その隙を逃さぬとばかりにタザン本人が姿を現し、もう片方の鉄球を今度は頭上から振り下ろす。
「うほぉっ!!」
「うおおっ!?」
咄嗟にジイはその場を転がって鉄球を回避したが、上空から接近してきた鉄球は地面に衝突した瞬間に地割れを作り上げる。その馬鹿げた威力にジイは冷や汗を流し、身体を起き上げると逃げ出す。
「こりゃいかん……一時撤退じゃ!!」
「逃さんぞぉっ!!」
逃走を開始したジイに対してタザンは両手の鉄球を振り回し、追撃を加えようとした。しかし、そんな彼の背後から接近する影が存在した。
「っ……!!」
「うほっ!?」
タザンがジイに集中している間に背後から接近していたダンが腰に装着していた斧を振り翳し、背中から斬りかかる。しかし、タザンは咄嗟に両手の鎖の鎧を利用して刃を受け止め、金属音が試合場に鳴り響く。
「ぐぬぬっ……ふんっ!!」
鎖と斧という変わった武器で鍔迫り合いが続くが、タザンは両腕の力瘤を肥大化させ、力尽くで斧の刃を弾き返す。手持ちの武器を弾かれた傭兵は地面に尻餅をついてしまい、その隙を逃さずにタザンは蹴りつけた。
「ぬぅんっ!!」
「っ……!?」
腹部を勢いよく蹴りつけられた傭兵は十数メートル先まで吹き飛ばされ、派手に転倒しながら倒れこむ。その様子を目撃した観客は悲鳴を上げるが、攻撃を仕掛けたタザンは眉を顰める。
「うほぉっ……?」
タザンは男性を蹴りつけた右足に視線を向け、いつの間にか自分の足首に赤色のような物体が付いている事に気付き、疑問を抱く。しかし、右足に取りついた物を確認する暇もなく、前方に存在したアルミナが接近している事に気付いた。
「行くぞ筋肉だるま君!!」
「むぅっ!!正面から来るとは……気に入ったぞっ!!」
魔術師でありながら杖を背中に背負った状態で接近してきたアルミナに対し、タザンは両腕の鉄球を振り回しながら正面から迎え撃つ体勢に入る。しかし、その姿を見たアルミナは笑みを浮かべ、両手を左右に広げて驚くべき魔法を発動させた。
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。