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都市崩壊編
地下通路からの脱出
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――各地で振動の影響で被害が広がる中、地下通路内からカイとシュンを抱えた状態のレナは空間魔法を駆使して地上へと抜け出し、どうにかダインとウルと合流を果たす。
「ふうっ……重かった。空間魔法の移動法が無ければ地下通路に置いてくるしかなかったよ」
「れな、大丈夫か……うわ、また揺れ出したぞ!?」
「ウォオンッ!!」
地面に振動が走る度に街の各所から土煙が舞い上がり、既にいくつかの建物は崩壊していた。こちらの世界で十数年も過ごしているがレナはこれまでに「地震」を体験した事はなく、地球と比べたらこちらの世界は地震その物が起きる事が少ない可能性がある。
地震が少ない事で建物の耐震性の重要性が知れ渡っておらず、激しい振動が襲う度に街に崩壊の波が広がる。このままでは非常に危険であり、最悪の場合は何万人もの犠牲者が生まれてしまう。
「お、おい!!早く逃げようぜっ!?こんなのどうしようもないよ!!」
「それは賛成したいけど……多分、下の奴が簡単には逃がしてくれないと思う」
「クゥ~ンッ……」
感知能力を持つレナと人間よりも感覚が優れている魔獣のウルは冒険都市の地中から接近する存在を感じ取り、仮に冒険都市を抜け出す事が出来ても地中を進む生物が見逃すかは分からない。だが、ただ一つだけ言える事は今回の地震の正体も王妃が関わっている事だけである。
(アイリス……駄目だ、やっぱり通じない)
アイリスと交信しようにも反応はなく、本格的に不味い状況で彼女と相談も出来ない状態に陥ったレナは拳を地面に叩きつける。彼女と交信出来ない理由はレナの近くに「転生者」が存在するとしか考えられず、心当たりがあるとすればレナと同じ転生者である「ホネミン」しか考えられない。
(さっきから色々と移動しているのに交信が出来ないのが気になる……仮にホネミンが捕まって街中に居るとしても、どうして王妃はホネミンを捕まえたんだ?)
ホネミンとレナ達が接触している事は王妃にも知られていないはずであり、仮に彼女の正体が既に気付かれていたとしても街に送り込む理由がない。しかも先ほどからレナは色々な場所を転々と移動しているにも関わらずにアイリスと交信を取れない事を考えてもアイリスとの交信を阻害する存在はレナの近くに常に存在し続けている事になる。
(いや、そもそも本当にホネミンは捕まったのか?何か、重要な事を見落としている気がする……)
レナはホネミンが自分の近くに存在するから交信が出来ないのではないかと考えていたが、それにしては気にかかる点が多く、本当に彼女が街に存在するのか疑問を抱く。
(まさか、ホネミン以外に転生者がこの街に居る?それならアイリスが存在に気付かなかったとしてもおかしくはないけど……)
アイリスが認知できるのはあくまでもこの世界の住民だけのため、地球からの転生者の存在は確認する事が出来ない。レナの場合はアイリスの魂の一部が付与しているので彼女と交信は出来るが、同じ転生者であるホネミンに関してはアイリスも情報を得る事は出来ない。
(でも、このタイミングで転生者がこの街に訪れるなんて有り得るのか?いや、今は考えていても仕方ない……皆と合流しないと)
出来る限りの一般人を救い出し、安全な街へ逃げ出す事が最優先と考えたレナはまず氷雨のギルドに向かう事にした。氷雨には優秀な冒険者が数多く、マリアも存在する。仮に王妃の勢力が氷雨に襲撃を仕掛けていたとしても一か所に留まっていても仕方ないため、危険を犯してでもギルドに向かう事にした。
「ウル、それにダインも聞いて。俺は氷雨のギルドに向かうべきだと思う。そこに行けば他の皆とも会えるかも知れないし、今の状況も分かるかもしれない」
「そ、そうだな……怖いけど、行くしかないよな」
「ウォンッ!!」
「けど、その前にこの人たちを起こさないと……」
ダインとウルの承諾を得たレナは気絶しているカイとシュンに視線を向け、既に回復魔法によって治療は施されているが意識は目覚めていない。多少手荒になるがレナは叩き起こそうとした時、唐突にダインが悲鳴を上げた。
「うわぁあああっ!?」
「ダイン!?」
「ガアアッ!!」
ダインの悲鳴とウルの鳴き声が同時に響き、何事かとレナは振り向くと二人から離れた地面の一部が盛り上がり、やがて動物の爪のような物が出現した。それを確認したウルはダインの服を噛んで引き寄せ、レナの元まで下がる。
「何だ……!?」
「こ、この爪の形……まさか!?」
「ウォンッ……!!」
盛り上がった地面から露出した「巨大な爪」は徐々に地中の中に戻り、完全に消え去ると今度はレナ達の反対方向に向けて隆起が移動を開始する。恐らくは地中の中で巨大な生物が地下を移動しており、その様子を見たレナは放置出来ないと判断して追跡を決意した。
感想覧から指摘があり、ホネミンの閑話は1話にまとめました。
「ふうっ……重かった。空間魔法の移動法が無ければ地下通路に置いてくるしかなかったよ」
「れな、大丈夫か……うわ、また揺れ出したぞ!?」
「ウォオンッ!!」
地面に振動が走る度に街の各所から土煙が舞い上がり、既にいくつかの建物は崩壊していた。こちらの世界で十数年も過ごしているがレナはこれまでに「地震」を体験した事はなく、地球と比べたらこちらの世界は地震その物が起きる事が少ない可能性がある。
地震が少ない事で建物の耐震性の重要性が知れ渡っておらず、激しい振動が襲う度に街に崩壊の波が広がる。このままでは非常に危険であり、最悪の場合は何万人もの犠牲者が生まれてしまう。
「お、おい!!早く逃げようぜっ!?こんなのどうしようもないよ!!」
「それは賛成したいけど……多分、下の奴が簡単には逃がしてくれないと思う」
「クゥ~ンッ……」
感知能力を持つレナと人間よりも感覚が優れている魔獣のウルは冒険都市の地中から接近する存在を感じ取り、仮に冒険都市を抜け出す事が出来ても地中を進む生物が見逃すかは分からない。だが、ただ一つだけ言える事は今回の地震の正体も王妃が関わっている事だけである。
(アイリス……駄目だ、やっぱり通じない)
アイリスと交信しようにも反応はなく、本格的に不味い状況で彼女と相談も出来ない状態に陥ったレナは拳を地面に叩きつける。彼女と交信出来ない理由はレナの近くに「転生者」が存在するとしか考えられず、心当たりがあるとすればレナと同じ転生者である「ホネミン」しか考えられない。
(さっきから色々と移動しているのに交信が出来ないのが気になる……仮にホネミンが捕まって街中に居るとしても、どうして王妃はホネミンを捕まえたんだ?)
ホネミンとレナ達が接触している事は王妃にも知られていないはずであり、仮に彼女の正体が既に気付かれていたとしても街に送り込む理由がない。しかも先ほどからレナは色々な場所を転々と移動しているにも関わらずにアイリスと交信を取れない事を考えてもアイリスとの交信を阻害する存在はレナの近くに常に存在し続けている事になる。
(いや、そもそも本当にホネミンは捕まったのか?何か、重要な事を見落としている気がする……)
レナはホネミンが自分の近くに存在するから交信が出来ないのではないかと考えていたが、それにしては気にかかる点が多く、本当に彼女が街に存在するのか疑問を抱く。
(まさか、ホネミン以外に転生者がこの街に居る?それならアイリスが存在に気付かなかったとしてもおかしくはないけど……)
アイリスが認知できるのはあくまでもこの世界の住民だけのため、地球からの転生者の存在は確認する事が出来ない。レナの場合はアイリスの魂の一部が付与しているので彼女と交信は出来るが、同じ転生者であるホネミンに関してはアイリスも情報を得る事は出来ない。
(でも、このタイミングで転生者がこの街に訪れるなんて有り得るのか?いや、今は考えていても仕方ない……皆と合流しないと)
出来る限りの一般人を救い出し、安全な街へ逃げ出す事が最優先と考えたレナはまず氷雨のギルドに向かう事にした。氷雨には優秀な冒険者が数多く、マリアも存在する。仮に王妃の勢力が氷雨に襲撃を仕掛けていたとしても一か所に留まっていても仕方ないため、危険を犯してでもギルドに向かう事にした。
「ウル、それにダインも聞いて。俺は氷雨のギルドに向かうべきだと思う。そこに行けば他の皆とも会えるかも知れないし、今の状況も分かるかもしれない」
「そ、そうだな……怖いけど、行くしかないよな」
「ウォンッ!!」
「けど、その前にこの人たちを起こさないと……」
ダインとウルの承諾を得たレナは気絶しているカイとシュンに視線を向け、既に回復魔法によって治療は施されているが意識は目覚めていない。多少手荒になるがレナは叩き起こそうとした時、唐突にダインが悲鳴を上げた。
「うわぁあああっ!?」
「ダイン!?」
「ガアアッ!!」
ダインの悲鳴とウルの鳴き声が同時に響き、何事かとレナは振り向くと二人から離れた地面の一部が盛り上がり、やがて動物の爪のような物が出現した。それを確認したウルはダインの服を噛んで引き寄せ、レナの元まで下がる。
「何だ……!?」
「こ、この爪の形……まさか!?」
「ウォンッ……!!」
盛り上がった地面から露出した「巨大な爪」は徐々に地中の中に戻り、完全に消え去ると今度はレナ達の反対方向に向けて隆起が移動を開始する。恐らくは地中の中で巨大な生物が地下を移動しており、その様子を見たレナは放置出来ないと判断して追跡を決意した。
感想覧から指摘があり、ホネミンの閑話は1話にまとめました。
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