368 / 2,091
都市崩壊編
地竜の咆哮
しおりを挟む
「こうなったら……やるしかない!!」
「レナ!?何する気だ!?」
「あいつを止める!!」
地面に着地したレナは真っ先に地面の隆起に向かい、地中を潜る相手を止めるためにレナは右手に魔力を集中させ、地面に掌を押し当てて魔法を発動させた。
「止まれっ!!」
土砂を操作する初級魔法の「土塊」を支援魔法の「付与強化」によって最大限にまで効果を上昇させ、強力な重力を地面に送り込む。移動していた土砂の隆起が唐突に停止すると、徐々に盛り上がっていた箇所が凹み始める。
「くうっ……!!」
「止めろレナ!!それ以上やればお前が……うわぁっ!?」
魔力を送り続ける事で徐々に顔色が悪くなったレナを見てダインが止めようとした時、地面に大きな亀裂が誕生した。そして亀裂の隙間からゆっくりと赤茶色の巨大な物体が姿を現し、最初にそれを見たレナ達が想像したのは「亀の甲羅」だった。
「何だっ……!?」
「お、おい……これってまさか!?」
地上に出現した「甲羅」を想像させる岩石の塊の下から今度は分厚い四肢が亀裂の中から抜け出すと、今度は蜥蜴の頭を想像させる大きな頭部が出現した。亀の化物のような生物は周囲の建物を崩壊させながら出現すると、ゆっくりと首を動かす。
――オァアアアアアッ……!!
都市中どころか周辺地域一帯に響き渡る程の咆哮を放ちながら姿を現した「地竜」は完全に亀裂から抜け出すと、周囲の状況を確かめるように首を見渡す。その光景を両手で耳を抑えながらレナとダインは唖然と見上げ、全長が20メートルを確実に超える巨大生物の登場に驚愕を隠せない。
「こいつは……!?」
「あ、有り得ない……こいつは地竜だ!!土竜の成体だ!?」
『オオオオッ……!!』
地竜は自分の足元に存在するレナとダインの存在に気付いた様子もなく、亀のように分厚い足を動かして移動を再開した。地竜が地面に足を踏みしめる度に振動が走り、地割れが生じるため、慌ててレナとダインは踏みつぶされる前に距離を取る。
「何でこんな怪物が街中に……」
「ダイン!!こいつの弱点は!?」
「弱点って……まさか戦う気か!?」
「ここで食い止めないと大勢の被害が出る!!」
戦闘準備を始めるレナにダインは信じられない表情を浮かべるが、地竜の進行方向には大勢の民衆が避難している黒虎のギルドが存在するため、民衆が異変に気付いて他の場所に避難を開始するまでの時間を稼ぐ必要があった。
「ダイン!!弱点は知らないの!?」
「み、水だよ!!ゴーレムや土竜のようにこいつは水を浴びると外殻が脆くなるはずだと本には書いていたけど……」
「水か……くそっ!!」
ダインの知識によれば地竜の外殻は水に弱いらしいが、生憎とレナが扱う魔法の中で純粋な水だけを生み出す魔法はない。氷塊の魔法はあくまでも氷の塊しか生み出せず、火球の魔法を組み合わせて氷塊を溶かして水を生み出す方法もあるのだが時間が掛かり過ぎてしまう。
(こいつをどうにか川辺がある方向に誘導させれば……いや、これだけの巨体だと全身に水を浴びせるのは無理だ)
街に流れる川を利用して地竜の肉体を濡らす方法も考えたが、コトミンのように水の精霊魔法が扱えなければ川の水を地竜の全身に注ぐ事は難しい。それでも対抗手段があるとすれば水辺に地竜を引き寄せるしかなく、レナは注意を引くために攻撃魔法を発動させた。
「火炎刃!!」
『ッ……!?』
レナの掌から放たれた三日月状の火炎の刃が地竜の頭部に衝突し、爆発を引き起こす。一瞬だけ地竜の進行が止まったが、顔面の右半分に黒煙を舞い上げながら地竜は首を動かしてレナに視線を向ける。
『オアアッ……!!』
「……レナ、これ怒らせただけだよね」
「かもしれない……うわぁっ!?」
攻撃を受けた地竜は右前脚を振り翳し、レナとダインを踏み潰そうとした。咄嗟にレナは「瞬動術」を発動させてダインを抱えた状態で空中に回避すると、先ほどまで二人が立っていた場所に地竜の足が踏みつけられる。その威力はすさまじく、足が地面に沈み込むだけでは留まらずに周囲に地割れを生じさせ、街の建物を傾けさせた。
「不味い……ここで戦うと被害が大きすぎる!!」
「ちょ、レナ!!前を見ろ!?」
空中に跳躍中のレナは地竜の圧倒的な物量攻撃に焦りを抱くと、抱えられているダインが自分達の危険をレナに伝える。ダインの言葉を聞いてレナは何事かと前方に視線を向けると、地竜の巨大な岩面が接近している事に気付く。
『ウァアアアッ!!』
「嘘っ!?」
「やばいやばいやばいっ!?」
地竜は巨大な顎を開いて二人を飲み込もうと顔を接近させ、慌ててレナは瞬動術を発動させて空中を蹴り上げるように移動を行う。
「しっかり掴まっててダイン!!」
「うわぁあああっ!?」
『オアアッ……!!』
足の裏から衝撃波を生み出しながらレナはダインを抱えた状態で場所を移動すると、地竜の顔面が通り過ぎて近くの建物に噛みつく。煉瓦製の建物を易々と噛み砕きながら地竜は残骸を飲み込む。
「レナ!?何する気だ!?」
「あいつを止める!!」
地面に着地したレナは真っ先に地面の隆起に向かい、地中を潜る相手を止めるためにレナは右手に魔力を集中させ、地面に掌を押し当てて魔法を発動させた。
「止まれっ!!」
土砂を操作する初級魔法の「土塊」を支援魔法の「付与強化」によって最大限にまで効果を上昇させ、強力な重力を地面に送り込む。移動していた土砂の隆起が唐突に停止すると、徐々に盛り上がっていた箇所が凹み始める。
「くうっ……!!」
「止めろレナ!!それ以上やればお前が……うわぁっ!?」
魔力を送り続ける事で徐々に顔色が悪くなったレナを見てダインが止めようとした時、地面に大きな亀裂が誕生した。そして亀裂の隙間からゆっくりと赤茶色の巨大な物体が姿を現し、最初にそれを見たレナ達が想像したのは「亀の甲羅」だった。
「何だっ……!?」
「お、おい……これってまさか!?」
地上に出現した「甲羅」を想像させる岩石の塊の下から今度は分厚い四肢が亀裂の中から抜け出すと、今度は蜥蜴の頭を想像させる大きな頭部が出現した。亀の化物のような生物は周囲の建物を崩壊させながら出現すると、ゆっくりと首を動かす。
――オァアアアアアッ……!!
都市中どころか周辺地域一帯に響き渡る程の咆哮を放ちながら姿を現した「地竜」は完全に亀裂から抜け出すと、周囲の状況を確かめるように首を見渡す。その光景を両手で耳を抑えながらレナとダインは唖然と見上げ、全長が20メートルを確実に超える巨大生物の登場に驚愕を隠せない。
「こいつは……!?」
「あ、有り得ない……こいつは地竜だ!!土竜の成体だ!?」
『オオオオッ……!!』
地竜は自分の足元に存在するレナとダインの存在に気付いた様子もなく、亀のように分厚い足を動かして移動を再開した。地竜が地面に足を踏みしめる度に振動が走り、地割れが生じるため、慌ててレナとダインは踏みつぶされる前に距離を取る。
「何でこんな怪物が街中に……」
「ダイン!!こいつの弱点は!?」
「弱点って……まさか戦う気か!?」
「ここで食い止めないと大勢の被害が出る!!」
戦闘準備を始めるレナにダインは信じられない表情を浮かべるが、地竜の進行方向には大勢の民衆が避難している黒虎のギルドが存在するため、民衆が異変に気付いて他の場所に避難を開始するまでの時間を稼ぐ必要があった。
「ダイン!!弱点は知らないの!?」
「み、水だよ!!ゴーレムや土竜のようにこいつは水を浴びると外殻が脆くなるはずだと本には書いていたけど……」
「水か……くそっ!!」
ダインの知識によれば地竜の外殻は水に弱いらしいが、生憎とレナが扱う魔法の中で純粋な水だけを生み出す魔法はない。氷塊の魔法はあくまでも氷の塊しか生み出せず、火球の魔法を組み合わせて氷塊を溶かして水を生み出す方法もあるのだが時間が掛かり過ぎてしまう。
(こいつをどうにか川辺がある方向に誘導させれば……いや、これだけの巨体だと全身に水を浴びせるのは無理だ)
街に流れる川を利用して地竜の肉体を濡らす方法も考えたが、コトミンのように水の精霊魔法が扱えなければ川の水を地竜の全身に注ぐ事は難しい。それでも対抗手段があるとすれば水辺に地竜を引き寄せるしかなく、レナは注意を引くために攻撃魔法を発動させた。
「火炎刃!!」
『ッ……!?』
レナの掌から放たれた三日月状の火炎の刃が地竜の頭部に衝突し、爆発を引き起こす。一瞬だけ地竜の進行が止まったが、顔面の右半分に黒煙を舞い上げながら地竜は首を動かしてレナに視線を向ける。
『オアアッ……!!』
「……レナ、これ怒らせただけだよね」
「かもしれない……うわぁっ!?」
攻撃を受けた地竜は右前脚を振り翳し、レナとダインを踏み潰そうとした。咄嗟にレナは「瞬動術」を発動させてダインを抱えた状態で空中に回避すると、先ほどまで二人が立っていた場所に地竜の足が踏みつけられる。その威力はすさまじく、足が地面に沈み込むだけでは留まらずに周囲に地割れを生じさせ、街の建物を傾けさせた。
「不味い……ここで戦うと被害が大きすぎる!!」
「ちょ、レナ!!前を見ろ!?」
空中に跳躍中のレナは地竜の圧倒的な物量攻撃に焦りを抱くと、抱えられているダインが自分達の危険をレナに伝える。ダインの言葉を聞いてレナは何事かと前方に視線を向けると、地竜の巨大な岩面が接近している事に気付く。
『ウァアアアッ!!』
「嘘っ!?」
「やばいやばいやばいっ!?」
地竜は巨大な顎を開いて二人を飲み込もうと顔を接近させ、慌ててレナは瞬動術を発動させて空中を蹴り上げるように移動を行う。
「しっかり掴まっててダイン!!」
「うわぁあああっ!?」
『オアアッ……!!』
足の裏から衝撃波を生み出しながらレナはダインを抱えた状態で場所を移動すると、地竜の顔面が通り過ぎて近くの建物に噛みつく。煉瓦製の建物を易々と噛み砕きながら地竜は残骸を飲み込む。
12
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。