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放浪編
ネズミの策略
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「たくっ……やっと見つけたか、待たせやがって」
ベンチから立ち上がった片腕が義手の大男は虎型の獣人族らしく、欠伸をしながら試合場に向かう。彼の姿を見て他の試合場に集まっていた選手たちも興味を惹かれ、レナの立つ試合場に注目が集まる。
「おっ、新人狩りのキラが出るのか!!これは見ものだぜ!!」
「よし、キラに銀貨3枚だ!!」
「俺は4枚だ!!」
「ガキに誰か賭けないと賭けは成立しないぞ!!」
試合場の中でも有名な人物なのか囚人達はこぞってキラに賭けようとするが、試合の元締めも行う兵士が注意を行う。その間にもキラは試合場に移動すると、レナの姿を見て鼻で笑う。
「ふん……話には聞いていたが、本当にガキじゃねえか」
「あれ、俺の事を知ってるの?」
「ああ、俺はある奴等から金で雇われてお前の事を探してたんだよ。結構な前金を貰っているんでな……そこの情報屋も雇ってお前の居場所を探させていたんだよ」
「何だと?」
「おや、依頼人は一人じゃないと言ってませんでした?」
キラの言葉にゴンゾウはネズミに振り返ると、彼は悪びれもせずに笑みを浮かべ、ゴロウ一家だけではなくキラにも依頼金を受け取ってレナの存在を探していたことを白状する。そしてレナを見つけ出したキラは自分の依頼主から提示された仕事の内容を伝えた。
「悪いがお前の命はここまでだ。俺の依頼人はどうやらお前に生きていてもらうと困るらしいんでな」
「はあ?」
「まあ、悪く思うなよ。抵抗せずに大人しくしていればすぐに楽にしてやるからよ……恨むんなら俺の依頼主を恨みな」
「おい!!試合前の私語は慎め!!八百長は許さんぞ!!」
理不尽なキラの言い分にレナは言い返す前に兵士が注意を行い、試合の準備を行う。囚人達の賭けは成立したのか10人程度の観客が集まり、兵士の用意した籠の中に自分の賭け金を支払う。
「よし、俺は10秒持つに銀貨2枚だ!!」
「俺は大穴の30秒だ!!」
「だったら俺は5秒も持たないに賭けるぜ!!」
どうやら試合内容はキラが勝利すると確信しているのか、囚人達はレナの勝利に賭けずにキラが試合開始からどの程度の時間で勝利するのかを賭けの対象に決めたらしい。完全に誰もがレナが勝利するとは考えておらず、キラが敗北するとは予想していなかった。
「それでは僕も賭けさせてもらいましょうかね」
「何?お前も賭けるつもりか?」
「僕の仕事はもう終わったので、ここから先は自由に過ごさせてもらいます」
この事態を巻き込んだネズミも賭博に参加するつもりらしく、彼は小袋を取り出すと籠の中に大量の銀貨を支払い、だいたい囚人達が賭けた金額と同程度の銀貨を入れる。
「……そうですね、ここは銀貨30枚でどうでしょうか」
「30枚だと!?お前、正気か!?」
「ちっ、一体何秒に賭けるんだ?」
「いえ、僕が賭けるのは……」
「おい、試合を始めるぞ!!」
ネズミが言葉を言い切る前に兵士は観客の囚人達を下がらせ、試合場で向かい合う二人に声を掛ける。今回の試合の内容は武器の使用禁止、他者からの協力、場外に出たら敗北という基本的な規則のみとして戦うように念入りに注意を行う。
「いいか、もしも反則行為を見かければその場で懲罰房行きだ!!試合の出場料も没収するからな!!」
「はいはい、分かった分かった」
「……問題ないです」
「よし、では枷の鎖を外してやる。動くなよ」
兵士は二人の元に近づくと、両手と両足の枷に繋がっている鎖を取り外す。どうやら試合の際には鎖の部分だけは解外されるらしく、ある程度の自由を取り戻す。こうも簡単に鎖が外された事にレナは驚くが、これで鎖のせいで発動が出来なかった戦技も発動出来るようになった。
「試合を開始する!!鐘が鳴った瞬間に試合が開始だ!!」
兵士は机の上に置かれたボクシングやプロレスなどでよく見かけるゴングに向けて金槌を構えると、二人が戦闘態勢に入った直後に鐘の音を鳴り響かせた。
「試合、開始ぃっ!!」
「おら、行くぞガキ!!」
「っ……」
試合開始の合図と同時にキラが動き出し、手始めにレナの顔面に向けて蹴りを突き出す。普通の人間ならば反応できずに即死は免れない威力を誇る蹴りだったのだろうが、突き出された足刀に対してレナは首を逸らして回避する。
「なかなかいい反応じゃねえか!!だが、今度は避けられるかな!?」
「うわっ!?」
「気を付けろレナ!!それは連脚だ!!」
今度は残像が生み出す程の速度で次々と左足を繰り出してきたキラに対し、慌ててレナは両腕を交差して攻撃を防ぐ。それを見たゴンゾウがキラに放つ蹴りの正体を見抜き、レナに注意を行う。
「その戦技は長くは発動できないが、槍騎士の乱れ突きと違って体力が続く限りは連続攻撃を続けられる!!防御に専念しろ!!」
「そういう事だ!!うららららっ!!」
「くっ……」
シズネやミナが使用する「乱れ突き」の戦技とは異なり、キラが放つ蹴りは彼の体力が続く限りは無数の連撃を浴びせる事が可能のため、あらゆる方向から蹴りが襲い掛かる。防御の上から損傷を蓄積させるように打ち込まれる蹴り技にレナは眉をしかめ、徐々に両腕に痣が広がっていく。
「いくら優れた魔術師だろうと、ここまで近づければお前等に対抗手段はない事は承知済みなんだよ!!とっととくたばりやがれ……!?」
更に蹴りの速度を増してレナに攻撃を仕掛けるキラだは笑い声をあげるが、徐々に左足に広がる感覚に違和感を覚えた。
ベンチから立ち上がった片腕が義手の大男は虎型の獣人族らしく、欠伸をしながら試合場に向かう。彼の姿を見て他の試合場に集まっていた選手たちも興味を惹かれ、レナの立つ試合場に注目が集まる。
「おっ、新人狩りのキラが出るのか!!これは見ものだぜ!!」
「よし、キラに銀貨3枚だ!!」
「俺は4枚だ!!」
「ガキに誰か賭けないと賭けは成立しないぞ!!」
試合場の中でも有名な人物なのか囚人達はこぞってキラに賭けようとするが、試合の元締めも行う兵士が注意を行う。その間にもキラは試合場に移動すると、レナの姿を見て鼻で笑う。
「ふん……話には聞いていたが、本当にガキじゃねえか」
「あれ、俺の事を知ってるの?」
「ああ、俺はある奴等から金で雇われてお前の事を探してたんだよ。結構な前金を貰っているんでな……そこの情報屋も雇ってお前の居場所を探させていたんだよ」
「何だと?」
「おや、依頼人は一人じゃないと言ってませんでした?」
キラの言葉にゴンゾウはネズミに振り返ると、彼は悪びれもせずに笑みを浮かべ、ゴロウ一家だけではなくキラにも依頼金を受け取ってレナの存在を探していたことを白状する。そしてレナを見つけ出したキラは自分の依頼主から提示された仕事の内容を伝えた。
「悪いがお前の命はここまでだ。俺の依頼人はどうやらお前に生きていてもらうと困るらしいんでな」
「はあ?」
「まあ、悪く思うなよ。抵抗せずに大人しくしていればすぐに楽にしてやるからよ……恨むんなら俺の依頼主を恨みな」
「おい!!試合前の私語は慎め!!八百長は許さんぞ!!」
理不尽なキラの言い分にレナは言い返す前に兵士が注意を行い、試合の準備を行う。囚人達の賭けは成立したのか10人程度の観客が集まり、兵士の用意した籠の中に自分の賭け金を支払う。
「よし、俺は10秒持つに銀貨2枚だ!!」
「俺は大穴の30秒だ!!」
「だったら俺は5秒も持たないに賭けるぜ!!」
どうやら試合内容はキラが勝利すると確信しているのか、囚人達はレナの勝利に賭けずにキラが試合開始からどの程度の時間で勝利するのかを賭けの対象に決めたらしい。完全に誰もがレナが勝利するとは考えておらず、キラが敗北するとは予想していなかった。
「それでは僕も賭けさせてもらいましょうかね」
「何?お前も賭けるつもりか?」
「僕の仕事はもう終わったので、ここから先は自由に過ごさせてもらいます」
この事態を巻き込んだネズミも賭博に参加するつもりらしく、彼は小袋を取り出すと籠の中に大量の銀貨を支払い、だいたい囚人達が賭けた金額と同程度の銀貨を入れる。
「……そうですね、ここは銀貨30枚でどうでしょうか」
「30枚だと!?お前、正気か!?」
「ちっ、一体何秒に賭けるんだ?」
「いえ、僕が賭けるのは……」
「おい、試合を始めるぞ!!」
ネズミが言葉を言い切る前に兵士は観客の囚人達を下がらせ、試合場で向かい合う二人に声を掛ける。今回の試合の内容は武器の使用禁止、他者からの協力、場外に出たら敗北という基本的な規則のみとして戦うように念入りに注意を行う。
「いいか、もしも反則行為を見かければその場で懲罰房行きだ!!試合の出場料も没収するからな!!」
「はいはい、分かった分かった」
「……問題ないです」
「よし、では枷の鎖を外してやる。動くなよ」
兵士は二人の元に近づくと、両手と両足の枷に繋がっている鎖を取り外す。どうやら試合の際には鎖の部分だけは解外されるらしく、ある程度の自由を取り戻す。こうも簡単に鎖が外された事にレナは驚くが、これで鎖のせいで発動が出来なかった戦技も発動出来るようになった。
「試合を開始する!!鐘が鳴った瞬間に試合が開始だ!!」
兵士は机の上に置かれたボクシングやプロレスなどでよく見かけるゴングに向けて金槌を構えると、二人が戦闘態勢に入った直後に鐘の音を鳴り響かせた。
「試合、開始ぃっ!!」
「おら、行くぞガキ!!」
「っ……」
試合開始の合図と同時にキラが動き出し、手始めにレナの顔面に向けて蹴りを突き出す。普通の人間ならば反応できずに即死は免れない威力を誇る蹴りだったのだろうが、突き出された足刀に対してレナは首を逸らして回避する。
「なかなかいい反応じゃねえか!!だが、今度は避けられるかな!?」
「うわっ!?」
「気を付けろレナ!!それは連脚だ!!」
今度は残像が生み出す程の速度で次々と左足を繰り出してきたキラに対し、慌ててレナは両腕を交差して攻撃を防ぐ。それを見たゴンゾウがキラに放つ蹴りの正体を見抜き、レナに注意を行う。
「その戦技は長くは発動できないが、槍騎士の乱れ突きと違って体力が続く限りは連続攻撃を続けられる!!防御に専念しろ!!」
「そういう事だ!!うららららっ!!」
「くっ……」
シズネやミナが使用する「乱れ突き」の戦技とは異なり、キラが放つ蹴りは彼の体力が続く限りは無数の連撃を浴びせる事が可能のため、あらゆる方向から蹴りが襲い掛かる。防御の上から損傷を蓄積させるように打ち込まれる蹴り技にレナは眉をしかめ、徐々に両腕に痣が広がっていく。
「いくら優れた魔術師だろうと、ここまで近づければお前等に対抗手段はない事は承知済みなんだよ!!とっととくたばりやがれ……!?」
更に蹴りの速度を増してレナに攻撃を仕掛けるキラだは笑い声をあげるが、徐々に左足に広がる感覚に違和感を覚えた。
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