不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
760 / 2,091
外伝 ~ヨツバ王国編~

城下町での戦闘

しおりを挟む
「あ、あの剣は……クレナイ将軍の黒王剣!?」
「そんな馬鹿な、本物のはずがない!!」
「しかし、もしも本物だったら……」


レナが取り出した大剣を見て人々はどよめき、そんな彼等の反応を見てレナは黒王剣を地面に突き刺す。あまりの重量に刃は地面にめり込み、軽い振動が走った。クレナイが所有する黒王剣はレナの退魔刀と同じく、アダマンタイトで構成されている。


――どうしてレナが石像にされたクレナイの所有する「黒王剣」を所持しているのかというと、実はこの大剣は真っ赤な偽物であり、錬金術師の能力で本物のそっくりに作り出した大剣である。適当な素材を城下町で回収した後、物質変換と形状高速変化の能力を利用してクレナイが所持していた大剣と瓜二つの外見へと変化させているだけに過ぎない。ちなみにレナはクレナイと会ってはいないが、アイリスから事前に情報を教わっており、黒王剣の存在も知っていた。


本物のではないが外見と性質は黒王剣と全く同じ大剣を見せつけられた民衆は戸惑い、特にクレナイと関りのある警備兵たちはレナが取り出した黒王剣を見てクレナイが所持していた物と瓜二つである事から動揺を隠せない。東聖将の討伐に向かったはずのクレナイの大剣をレナが所持しているという事実に人々は混乱を起こす。


「この大剣は守備将クレナイが所持していた剣です!!彼も罠にはまり、現在は動けない状態に陥っています!!」
「馬鹿な!!クレナイ将軍が負けたというのか!?」
「そんな、六聖将筆頭が!?」
「有り得ない!!クレナイ将軍が負けるなんて……」


王都においてクレナイの人望は非常に厚く、歴代の六聖将の中でも最強の異名を持つ彼が敗れるとは信じられなかった。しかし、現実に彼が所持している黒王剣(実際は偽物だが)を持ち込んだレナに対して民衆は彼の言葉に耳を傾けざるを得ない。


「クレナイ将軍はまだ生きています!!しかし、カレハ王女の仕掛けた罠によって動けない状態に陥っています!!」
「どういう意味だ!!カレハ王女様がクレナイ将軍を罠に嵌めたというつもりか!?」
「その通りでござる!!クレナイ将軍は愚か、守備将軍も東聖将軍もカレハ王女が送り込んだ刺客によって壊滅させられたのでござる!!」
「そんな馬鹿な!!守備将軍は最強の軍隊だ、100万の軍勢を用意したって勝てるものか!!」
「現実を見る、それならどうしてここにクレナイ将軍の大剣があるの?」


人々はレナ達の言葉が信じられなかったが、黒王剣を見せつけられると黙り込み、彼等の話が本当なのではないかと思いこむ。それほどまでに見事にレナが作り出した黒王剣は本物と外見が似ており、仮にクレナイ本人でさえも見抜くことは出来ない程に精巧に作り出されていた。

人々の注意を引く事に成功したレナは背中の退魔刀を引き抜き、そろそろ時間稼ぎも難しくなったと悟り、作戦の第二段階に入る。武器を取り出したレナに対して警備兵は慌てて身構えると、彼等に対してレナは宣言する。


「聞け!!カレハ王女はこの国を乗っ取ろうとしている!!だけど、それを邪魔しようとする者は味方であろうと容赦はしない!!カレハ王女は降霊術でハヅキ家のマリアを操り、メドゥーサの魔眼を持つ死霊使いのキラウを利用してヨツバ王国を乗っ取ろうとしている!!だけど、そんな事は絶対にさせない!!」
「な、何を言っているんだ!?」
「いいから黙って話を聞けよ!!お前等にとっても重要な事なんだぞ!!」
「キュロロッ!!」
「ブモォッ!!」
「ぷるるんっ(威嚇)」


レナの言葉を聞いて警備兵たちは戸惑い、そんな彼等をダインたちが牽制すると、レナは退魔刀を王城の方角に示して「威圧」の固有スキルを発動させる。本来は自分よりも弱者の相手を怯えだせる能力ではあるが、使い方によっては多くの人間を圧倒させる程度の迫力を生み出す事も出来た。


「数日中に必ず王都にデブリ国王とティナ王女がここへ戻る!!その時に全ての真実が明かされる!!この事実を多くの人達に知らせろ!!この国の平和を望むのであればバルトロス王国と戦争なんてしてはいけないんだ!!」
『っ……!?』


少年から発せられるとは思えない気迫に周囲の人々は圧倒され、そんな彼等を見てレナは能力を解除すると、気配感知と魔力感知に反応があり、周囲から大勢の兵士と緑影と思われる反応が近づいてくる事に気付く。


「そろそろ限界か……皆、適当に暴れたら逃げるよ」
「了解」
「承知」
「や、やってやらぁっ!!」
「ブモォオオッ!!」
「キュロロッ!!」
「ぷるぷるっ!!」


レナの言葉に仲間達は円陣を組むようにお互いの背中を預け、街道や建物の屋根の上から接近してくる兵士と緑影の隊員に武器を構え、正々堂々と迎え撃つ準備を行う。


「居たぞ!!奴等を捕まえろ!!」
「これ以上にカレハ様の侮辱は許さん!!」
「民を下がらせろ!!」
「全員、生け捕りだ!!」


カレハの派閥と思われる兵隊が訪れると、民衆を掻き分けてレナ達に向かう。しかし、彼等の相手をするのはバルトロス王国内でも指折りの実力者揃いである事を知らない――






※ボツ案

レナ「このままカレハ王女の所へ行く!!」
アイリス「マリアとかキラウとかハヤテがいるから無理ですよ」
レナ「大丈夫、作戦がある!!」

※数日後

カレハ「ここらでラーメン屋という屋台があると聞いてきたのだけど……そんなに美味しい食べ物かしら?」
レナ「へい、らっしゃい!!」

(・ω・)←こっそり抜け出して屋台へ向かうカレハ

( ̄ω ̄)←ラーメン屋の屋台で待ち伏せするレナ

王妃と同じくカレハもラーメンが好きそうなイメージです。但し、彼女は醤油派ですが……
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。