不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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外伝 ~ヨツバ王国編~

ヨツバ王国のその後…… ※重要なお知らせがあります

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――カレハの死から数日後、王城には六聖将が集まり、石化から復活を果たした東聖将のギンタロウと守備将のクレナイも城内へ迎え入れられる。護衛将のツバサも呼び出され、そして死亡していたと思われる北聖将のハシラの姿もあった。


「ハシラよ、お主が生きていて安心したぞ」
「はっ……ご心配をおかけして申し訳ございません」
「我々が発見したハシラ様の遺体はキラウによって偽装された物だと判明しました。また、ハシラ様の側近もカレハ王女様の命令によって虚偽の報告を行っていた事が判明しました」


死亡したと思われたハシラがどうして生き残っていたのかというと、彼は北の領地に引き返した後、キラウによって石像にされた。その後は人気のない場所にて保管され、石化の解除後にツバサに発見されたという。

どうしてカレハが自分を裏切ったハシラを生かしていたかというと、恐らくは彼女も自分の事を一番に面倒を見てくれたハシラには情が残っていたのだろう。しかし、彼を放置すれば災いとなると判断したカレハはわざわざキラウを送り込み、彼を石像にさせた後に死体を偽装させ、周囲には彼が死んだ事にした。


「ハシラ、ギンタロウ、ツバサ、クレナイよ……お主達には色々と迷惑をかけたのう」
「何をおっしゃるのです!?」
「国王、悪いのはカレハ王女を止められなかった我々だ!!」
「ギンタロウ殿の言う通り、カレハ様の暴走を止められなかった私達に責任があります!!」
「陛下……我はここで引退させてもらう。老兵はもう必要ない、これからは若い世代を育てるために集中したい」


国王の言葉にハシラ、ギンタロウ、ツバサは自分達が止められなかった事が責任だと言い張るが、一方でクレナイの方は思うところがあるのか引退を宣言する。その言葉に玉座の間に存在した全員が驚き、デブリはクレナイに尋ねる。


「引退じゃと……では、お主の後任は誰が勤めるのだ?息子のアカイか?」
「いや、奴はまだ若すぎる……六聖将の任は務まらないだろう。我は後任を白虎に任せたい」
「クレナイ将軍、何を言われるか!!お主は六聖将の中でも最古参、生涯現役を貫くと常日頃から宣言していたではないか!!」
「その通りです。貴方以外に守備将を務まる人間などいません」
「どうか御考え直しを!!」
「くどい、我はもう将を勤める気はない!!」


クレナイの発言を撤回するように他の六聖将は止めようとするが、決意は固いのかクレナイは断固として聞き入れず、それを見たデブリはクレナイが頑なに引退しようとする事に疑問を抱く。


「クレナイよ、何があった?どうして急に引退を決意したのだ?理由ぐらい教えてもらわねば困るぞ」
「……理由、か。強いていうとすれば我々は危機感を抱くべきだと思った」
「危機感?」
「先日、我は守備将軍を率いて東聖将軍に戦を挑んだ。その際に我は敗れ、多くの犠牲を生んだ」
「うむ、その件は伺っている。だが、その事に気に病んで引退したいというのならば認めんぞ。失態は功績で償うべきであろう」
「それは違う」



カレハの命令とはいえ、クレナイは自分の軍を引き連れて東聖将軍の領地に攻め入り、大きな被害を生み出した。しかし、その事を気にして彼は責任を取るために引退を決意したわけではなく、彼なりにあの戦には思うところがあった。


「確かに東聖将軍は強く、兵の質ならば我の守備将軍にも劣らなかった。しかし、数は圧倒的にこちら側が有利だった。しかし、我は負けた……その理由はバルトロス王国が派遣した人材が勝敗の行方を決めたのだろう」
「うむ、それは事実だ。俺の軍だけでは守備将軍を打ち破る事は出来なかっただろう」


東聖将軍が守備将軍に勝利したのはバルトロス王国が派遣した「冒険者」の存在が大きく、もしもまともに戦っていたら東聖将軍に勝ち目はなかった。その事実をクレナイは重く受け止め、デブリに告げる。


「我々、ヨツバ王国の軍隊は世界最強だと全ての国家から認められている。しかし、実際には隣国のバルトロス王国には我々に匹敵する、あるいはそれ以上の力を持つ戦力があった。これは紛れもない事実であり、今のバルトロス王国と戦争になれば我々が勝つという保証はない」
「それは……本当ですか?」
「むう……」
「確かに、彼等は強い……」


レナ達の関わりのないツバサは戸惑うが、ハシラやギンタロウはレナ達と接触しているのでバルトロス王国の冒険者がどれほど強いのかを思い知らされている。クレナイの言葉は決して敗北して弱気になったからではなく、いくら隣国で同盟国であるといえど、決して油断は出来ない。


「バルトロス王国は強い、その戦力はヨツバ王国にも匹敵する……今回は戦争の事態は避けられたが、もしも彼等と戦う事になれば我々も無事では済まないと判断した」
「なるほどのう……それでどうしてお主は引退を決意したのだ?」
「我はバルトロス王国の冒険者に敗れた……もう老兵の時代ではなくなった。ならばこれからの人生は新しい世代の育成に注ぎたい。若者を育て上げ、何時しか我々を超える将を作り上げたい」
「そうか……お主がそこまで言い張るとは、やはりバルトロス王国は侮れないのう」


国王とイレアビトという支柱を失い、現在のバルトロス王国は軟弱な存在だと思われていた。しかし、実際にはバルトロス王国にはヨツバ王国の軍隊と互角以上に渡り合える存在が多く、この件を切っ掛けに世界中の国々がバルトロス王国の評価を一変したという――










※お知らせ

不遇職の第4巻の発売が決定し、WEB版の4巻部分に当たる内容が取り下げられます。遂に腐敗竜との激突、そしてあのキャラクターとの再会……きっと今までの巻の中でもレナが大きな試練を迎える巻になります。
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