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外伝 ~ヨツバ王国編~
キラウの投獄
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――同時刻、王城に存在する地下牢には目隠しをされ、更に全身を鎖で縛りつけられたキラウが拘束されていた。彼女は24時間体制で監視され、既に「石化の魔眼」に関しては摘出されていた。もう今のキラウは石化の能力は扱う事が出来ず、両目を失った彼女は視力を失う。
「無様な恰好ね、キラウ」
「……何しに来たの?」
聞き覚えのある声がしたキラウは拘束された状態で声の聞こえた方角に顔を向ける。別に顔を動かしても見えはしないのだが、どうしても反射的に身体が動いてしまう。そんな彼女の元に訪れたマリアは判決を言い渡す。
「貴女の罪が決まったわ。それを伝えるように頼まれただけ、別に顔も見たくないわ」
「相変わらず生意気な女ね……操られていた時の方が可愛げがあるわ」
「余計なお世話よ……結果から言えば処刑は免れたわ、感謝する事ね」
「感謝……誰に?」
「私の甥によ」
「……レナ?」
大罪を犯し、更には王都の民を石化させたキラウの凶行は本来ならば許されるはずがなく、数多くの者が彼女の処刑を望んだ。しかし、今回の反乱の鎮圧の最大の功労者であるレナが頼み込み、彼女の処刑だけは免れた事をマリアは告げる。
どうしてレナが自分のために動いたのか理解出来なかったキラウは戸惑い、レナの行動の意図が分からない。そんな彼女にマリアはレナの伝言を告げた。
「母上……ハヅキからの最期の言葉よ。あの子達の事を救ってほしい……それが母上が言い残した言葉よ」
「あの子達、ね。最後の最後まであの人は……」
自分が見捨てたにも関わらずにハヅキが自分の事を気に欠けていた事を知っても特に何も思う事はなく、キラウにとってハヅキの事はもう踏ん切りがついていた。それでも律儀に母親のいう事を守ろうとするレナに対してキラウは伝言を頼む。
「レナに伝えておいてくれる?もう私を放っておきなさい……貴方は十分にハヅキとの約束を果たしたとね」
「ハヅキ、ね。やはり母親とは認めないつもり?」
「私の家族は吸血鬼だけよ」
ハヅキ家から追放され、自分を受け入れてくれた吸血鬼こそがキラウにとっては本当の家族だった。しかし、ハヅキという存在がキラウの中では大きな存在だった事に変わりはなく、彼女は淡々と呟く。
「遅すぎたのよ……何もかも」
「…………」
マリアはキラウの言葉を聞いてため息を吐き出し、これが今生の別れになる事を祈って最後に別れの言葉を告げた。
「そうね……もう金輪際、私達の前に現れない事ね。もしもまた、レナを狙うようなら……お前の命を灼熱の炎で焼き尽くす。それだけは覚えていなさい」
「それはそれは……怖いわね」
自分の家族である「レナ」に手を出すならば絶対に許さない、マリアはそれだけを伝えると廊下から立ち去る。残されたキラウは自分の処刑が免れても、ヨツバ王国は自分を自由を許すはずがない事は分かっていた。ならばどうやってヨツバ王国を出し抜き、外へ抜けられるのか計画を考え始めた。
――キラウが悪人である事に変わりはなく、マリアもアイラもレナも彼女の事を家族と認めないだろう。ハヅキにとっては望まぬ結末を迎えたかもしれないが、それでもキラウの中の復讐心は消え去り、レナもハヅキとの約束を果たした。ここから先は各々の人生が始まり、再び四人が交わる日が訪れるのかは誰にも分からなかった――
――その一方、レナ達は東壁街へと戻ると、復活を果たした冒険者達に事情を話す。彼等は石化されている間にヨツバ王国との和解が達成され、マリアが戻ってくるという話に驚愕するが、これで当初の目的は達成された事を知ると盛大な宴を開いて勝利を祝う。
「マリアさんが戻ってくる!!」
「これで氷雨も安泰だ!!」
「やっと国へ帰れるぞ!!」
冒険者達の中でも特に氷雨に所属する者達の喜びようは半端ではなく、夜通し酒を飲み続けては騒ぎ出す。だが、それを咎める者は誰もおらず、東壁街の住民も東聖将が戻ってくる事と、これで無事に今まで通りに暮らせる事に感謝する。
「ありがとうございます、ありがとうございます……皆様のお陰でこの地の平穏は守られました」
「本当にありがとうございました!!」
「い、いや……そう言われると照れるな」
冒険者達は一躍街の人間の人気者となり、連日のようにギンタロウの屋敷に住民が押し寄せてきて感謝の品物を送り届ける。そのお陰で宴は益々盛り上がり、レナ達もゆっくりと身体を休めることが出来た。
「まさか、私が石化している間にそんな事が起きていたなんてね……」
「苦労を掛けたな……」
「ううっ……肝心な時に役に立てなくてごめんね?」
「いいよ、別に気にしないで。皆だって俺が気絶している間は頑張ってくれたんでしょ?」
「ふふん!!僕の大活躍を見せられなくて残念だな!!あはははっ!!」
「ダイン、もう酔ってる……でも、あながち間違いじゃない」
「そうっすね、ダインの兄貴も頑張りましたよ!!」
「確かにダイン殿が居なければ危ない場面もあったでござるな」
「な、何だよぅっ……こういう時に限って素直に褒めんなよ」
宴会の席でレナ達は復活を果たしたシズネ達と久しぶりの再会を楽しみ、これまでの経緯を話す。その際にシズネはある疑問を抱く。
「無様な恰好ね、キラウ」
「……何しに来たの?」
聞き覚えのある声がしたキラウは拘束された状態で声の聞こえた方角に顔を向ける。別に顔を動かしても見えはしないのだが、どうしても反射的に身体が動いてしまう。そんな彼女の元に訪れたマリアは判決を言い渡す。
「貴女の罪が決まったわ。それを伝えるように頼まれただけ、別に顔も見たくないわ」
「相変わらず生意気な女ね……操られていた時の方が可愛げがあるわ」
「余計なお世話よ……結果から言えば処刑は免れたわ、感謝する事ね」
「感謝……誰に?」
「私の甥によ」
「……レナ?」
大罪を犯し、更には王都の民を石化させたキラウの凶行は本来ならば許されるはずがなく、数多くの者が彼女の処刑を望んだ。しかし、今回の反乱の鎮圧の最大の功労者であるレナが頼み込み、彼女の処刑だけは免れた事をマリアは告げる。
どうしてレナが自分のために動いたのか理解出来なかったキラウは戸惑い、レナの行動の意図が分からない。そんな彼女にマリアはレナの伝言を告げた。
「母上……ハヅキからの最期の言葉よ。あの子達の事を救ってほしい……それが母上が言い残した言葉よ」
「あの子達、ね。最後の最後まであの人は……」
自分が見捨てたにも関わらずにハヅキが自分の事を気に欠けていた事を知っても特に何も思う事はなく、キラウにとってハヅキの事はもう踏ん切りがついていた。それでも律儀に母親のいう事を守ろうとするレナに対してキラウは伝言を頼む。
「レナに伝えておいてくれる?もう私を放っておきなさい……貴方は十分にハヅキとの約束を果たしたとね」
「ハヅキ、ね。やはり母親とは認めないつもり?」
「私の家族は吸血鬼だけよ」
ハヅキ家から追放され、自分を受け入れてくれた吸血鬼こそがキラウにとっては本当の家族だった。しかし、ハヅキという存在がキラウの中では大きな存在だった事に変わりはなく、彼女は淡々と呟く。
「遅すぎたのよ……何もかも」
「…………」
マリアはキラウの言葉を聞いてため息を吐き出し、これが今生の別れになる事を祈って最後に別れの言葉を告げた。
「そうね……もう金輪際、私達の前に現れない事ね。もしもまた、レナを狙うようなら……お前の命を灼熱の炎で焼き尽くす。それだけは覚えていなさい」
「それはそれは……怖いわね」
自分の家族である「レナ」に手を出すならば絶対に許さない、マリアはそれだけを伝えると廊下から立ち去る。残されたキラウは自分の処刑が免れても、ヨツバ王国は自分を自由を許すはずがない事は分かっていた。ならばどうやってヨツバ王国を出し抜き、外へ抜けられるのか計画を考え始めた。
――キラウが悪人である事に変わりはなく、マリアもアイラもレナも彼女の事を家族と認めないだろう。ハヅキにとっては望まぬ結末を迎えたかもしれないが、それでもキラウの中の復讐心は消え去り、レナもハヅキとの約束を果たした。ここから先は各々の人生が始まり、再び四人が交わる日が訪れるのかは誰にも分からなかった――
――その一方、レナ達は東壁街へと戻ると、復活を果たした冒険者達に事情を話す。彼等は石化されている間にヨツバ王国との和解が達成され、マリアが戻ってくるという話に驚愕するが、これで当初の目的は達成された事を知ると盛大な宴を開いて勝利を祝う。
「マリアさんが戻ってくる!!」
「これで氷雨も安泰だ!!」
「やっと国へ帰れるぞ!!」
冒険者達の中でも特に氷雨に所属する者達の喜びようは半端ではなく、夜通し酒を飲み続けては騒ぎ出す。だが、それを咎める者は誰もおらず、東壁街の住民も東聖将が戻ってくる事と、これで無事に今まで通りに暮らせる事に感謝する。
「ありがとうございます、ありがとうございます……皆様のお陰でこの地の平穏は守られました」
「本当にありがとうございました!!」
「い、いや……そう言われると照れるな」
冒険者達は一躍街の人間の人気者となり、連日のようにギンタロウの屋敷に住民が押し寄せてきて感謝の品物を送り届ける。そのお陰で宴は益々盛り上がり、レナ達もゆっくりと身体を休めることが出来た。
「まさか、私が石化している間にそんな事が起きていたなんてね……」
「苦労を掛けたな……」
「ううっ……肝心な時に役に立てなくてごめんね?」
「いいよ、別に気にしないで。皆だって俺が気絶している間は頑張ってくれたんでしょ?」
「ふふん!!僕の大活躍を見せられなくて残念だな!!あはははっ!!」
「ダイン、もう酔ってる……でも、あながち間違いじゃない」
「そうっすね、ダインの兄貴も頑張りましたよ!!」
「確かにダイン殿が居なければ危ない場面もあったでござるな」
「な、何だよぅっ……こういう時に限って素直に褒めんなよ」
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