不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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S級冒険者編

七大聖剣「クリムゾン」と七大魔剣「夜叉」

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『九尾がこの場所に訪れた理由が炎龍と関わっていると言ったよな、どうして封印されているはずの炎龍の存在を九尾は気付いたんだ?』
『それは九尾が魔力に関して非常に優れた感知能力を持っているからです。地中深くに封じられた炎龍の存在を九尾は感じ取り、その炎龍に近付こうとする輩を排除する為に九尾は危険を犯して鉱山に住み着いたんです。勿論、魔石を独占するという理由もありますが……』
『九尾が……炎龍に近付こうとする存在を排除?』
『この鉱山では発掘が進められ、地下深くにまで坑道が掘り進められています。ですが、それが問題なんですよ。何しろこの鉱山は炎龍の肉体を覆いこむように作り出された山ですからね。その鉱山を掘り進めれば下手をしたら封じされている炎龍の元に辿り着くかもしれません。そうなれば炎龍が目を覚ましてしまうかもしれないと恐れた九尾は鉱山に立ち寄ろうとする人間を排除してたんです』
『……マジかよ』


真相を知らされたレナは九尾の行動の意味を知って早まった真似をしたかと思ったが、九尾を放置すれば多くの人間に被害が生まれていたのは間違いなく、それに九尾が鉱山から発掘される魔石を独り占めするために縄張りを築いていたという時事も間違いないかった。


『まあ、九尾を倒した事は後悔しなくてもいいですよ。九尾を放置すれば鉱山中の魔石を食い尽くしてより危険な存在へと進化してたでしょうね。そうなれば炎龍以上に厄介な事態に陥ったかもしれません』
『けど、炎龍はどうすればいい?その封印というのは何時まで保つの?』
『封印自体は問題ありませんよ。炎龍の肉体に突き刺さっている大聖剣「クリムゾン」が抜かれない限りは復活する事はあり得ません』
『クリムゾン……?』


アイリスが告げた大聖剣という言葉にレナは自分が手にした事のある「カラドボルグ」「エクスカリバー」「レーヴァティン」といった大聖剣の事を思い出すが、アイリスの告げた「クリムゾン」などという聖剣は初めて聞いた。そもそもレナが手にした聖剣の全てが地球でも有名な神話上の武器であるのに対し、彼女の告げた「クリムゾン」などという武器は聞いた事がなかったが、アイリスは説明を行う。


『大聖剣クリムゾンは聖剣の名前が与えられていますが、性質は魔剣に近いです。実際にクリムゾンは七大聖剣の一振りでありながら、七大魔剣の「夜叉」の兄弟剣です。ちなみにクリムゾンが先に作られ、夜叉が後に作られました』
『え?どういう意味?』
『分かりやすく言えば七大聖剣のクリムゾンは、七大魔剣の夜叉を作り上げた鍛冶師から作り出されたもう一つに魔剣なんです。ですが、魔剣でありながら聖剣として名を残しているのは勇者が関係しています。クリムゾンは人を斬る事はなく、勇者の手に渡った魔剣なんです』
『どうして勇者が魔剣なんて……』
『魔剣といっても別に悪い武器ではないんですよ?シズネだって七大魔剣の雪月花を使いこなしているでしょう?彼女のように勇者の一人がクリムゾンを手にして人々のために戦ったからこそ聖剣として名を残しているんです。でも、実を言えばクリムゾンというのはあくまでも勇者が名乗っていた名前で本当は鍛冶師は「羅刹」という名前を付けていたんですけどね』
『羅刹……それに夜叉か』


元々は羅刹と名付けられていた魔剣は鍛冶師の死亡後に勇者の一人の元に渡り、その後は魔剣でありながら人を斬る事は無く、あくまでも世界の脅威と戦い続けた勇者の武器として活躍したという。そして聖剣クリムゾンとして人々の間に定着し、七大魔剣の兄弟剣でありながら七大聖剣の一振りとして世間に認識されていた。

クリムゾンは他の大聖剣とは異なり、その性質は魔剣その物だったが、性能に関しては大聖剣にも劣らない力を誇った。そのクリムゾンの能力が炎龍の封印と関わっているらしく、クリムゾンは相手の生命力を奪う大聖剣という。


『クリムゾンの能力は相手の身体を切り裂くのではなく、突き刺した時の効果を発揮します。クリムゾンを肉体に刺された生物はどんな存在であろうと肉体が硬直し、仮死状態に追い込まれます。クリムゾンの刃は相手の肉体に触れる事で生命力を奪い、外部に放出させる力を以ていました。そのお陰で勇者は炎龍の肉体にクリムゾンを突き刺した事で仮死状態に追い込み、封じ込める事に成功しました』
『じゃあ、封印というのはクリムゾンで炎龍の身体を突き刺しただけなの?』
『はい、そうなりますね。クリムゾンが突き刺さった生物は自力では動く事が出来ませんから、クリムゾンが刺さっている間は何も出来ません。その間に勇者達はクリムゾンを突き刺した炎龍の討伐を試みましたが、結局は当時の人間達では炎龍に止めを刺す手段はなく、仕方なく魔法で炎龍を大量の土砂で埋め尽くしたんです』
『でも、仮死状態といっても何百年も前の話でしょ?もう炎龍も死んでいるんじゃないの?』
『いいえ、竜種の恐ろしい所は桁外れの生命力を持ち、更に乾眠と呼ばれる能力を持ちます。レナさんはクマムシを知っていますか?クマムシは乾眠と呼ばれる状態に陥ると、乾眠状態に陥って長期間の眠りに入ります。この能力を使うと炎龍は何百年も休眠状態に陥り、死から免れることが出来ます』
『理科の実験で聞いた事があるような単語が出てきたな……』


長い時を生きた竜種は様々な能力を身に着けるらしく、その中には長期間の休眠活動を行い、数百年の時を眠って生き続ける事が出来た。
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