不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
898 / 2,091
S級冒険者編

再び、塔の大迷宮へ

しおりを挟む
『これを見てください。実はレナさんが発見した古代遺跡を調査している時に入手した代物なんです』
「古代遺跡?ああ、深淵の森の奥にある遺跡の事?」
『正確に言えばレナさんがこれまでに発見した遺跡を全部回ってきました。あ、流石にヨツバ王国の西聖将が管理する遺跡はまだですけど……』


ホネミン曰く、彼女はレナから話を聞いていたこの世界に存在する「古代遺跡」を巡っていたらしく、かつて召喚された勇者達が残した遺跡を巡って自分の肉体を取り戻す方法を探していたという。残念ながら現在の時代では生憎と失った肉体を再生させる魔法や科学は存在しないが、かつて勇者と呼ばれていた者達が存在した時代に残された科学文明ならば彼女の肉体を取り戻す術があるかもしれないという。

勇者の中には科学に精通した人間も多く、実際に彼等は七大聖剣などの兵器の製造に成功したり、この世界の魔法を取り込んだ独自の科学技術を所有していた節がある。そのためにホネミンは自分の肉体を取り戻す術があるとしたら勇者が関わった遺跡に赴き、何らかの手掛かりがあるのではないかと思って探し続けていたという。そして遂に彼女は先日にある遺跡から興味深い資料を入手した。


『この地図は数百年前、まだバルトロス帝国が存在した時代の地図です。現在とは地形が大きく変わっている部分もありますが、ここを見てください。塔の大迷宮と記されているでしょう?』
「あ、本当だ。前に俺達が入った事がある大迷宮だ」
「ホネミンの生息地?」
『その言い方は止めてください、まあ住んでいたのは間違いありませんけど……』
『それで、その地図がどうしたというの?』


シズネが本題を促すとホネミンは新しい地図を取り出し、今度の地図はどうやら塔の大迷宮の各階層の構造が記された代物らしく、地図というよりは大迷宮の構造が記された資料だった。


『これを見てください。塔の大迷宮の各階層の構造が記されているでしょう?ほら、私が暮らしていた第三階層の建物も乗っています』
「あ、本当だ。こんなのよく見つけたね」
『ふふふ、私の観察眼を舐めないでください。見つけるのには苦労しましたが、お陰で重要な手掛かりを発見しました。ほら、ここ!!第五階層にはどうやら地中の中に秘密の施設が隠されているようです!!』
「秘密の施設?」


ホネミンが指差した第五階層の草原地帯の地下には大きな空洞が存在し、そこには巨大な建築物らしき物が記されていた。ホネミン曰く、この塔の大迷宮はかつて勇者が作り上げた代物らしく、この建物も勇者が過去に作り出した遺物であるらしい。


『私の資料によると、この建物は勇者が残した研究所らしいです!!この場所にかつて幾度か召喚された勇者が訪れ、その研究所に残された器材を利用したという記録が残っています!!』
「研究所って……あの塔の最上階にそんな場所があったの?」
『そうなんです!!しかもどうやら資料によると、この研究所には元の世界に戻る方法、いえ、勇者の世界に行き来する装置が存在したようなんです!!』
「なんだって!?」
「じゃあ、勇者様の世界に行く事が出来るんですか!?」


レナ達はホネミンの言葉に動揺を隠せず、特にレナに至っては地球へ戻れるという話に戸惑う。今までに地球へ戻りたいと考えなかった事はないとは言い切れず、地球に残した家族の事を心配して戻れる方法がないのかと考えた事だってある。だが、ここでもしも本当に地球へ戻れる方法があるのならばレナは一度でいいから地球へ戻りたいと考えた。


(この姿の俺を家族の皆が気付いてくれるはずがないけど……戻れるなら戻ってみたい)


地球に存在した家族や友人がどうなったのかはレナも気がかりであり、アイリスに聞けば答えてくれるだろうが、やはり自分の目で彼等の姿を見たいという気持ちはあった。だが、ホネミンとしては地球へ戻る方法よりも勇者が残した研究所が健在である事が重要だった。


『この研究施設を調べたところ、様々な研究が行われていたようです。その中には人体実験や全く新しい生物の製造も研究されていたようです』
「じんたいじっけん?」
「生物の製造……?それはどういう意味かしら?」
『それが数百年前の資料ですからね、断片的にしか内容が解読できなかったんですよ。ですけど、この研究施設で何らかの実験が行われていたのは事実です。つまり、私の肉体を取り戻す方法があるとすればこの場所に赴くしか有り得ないんです!!』
「なるほど……でも、数百年前に製造された研究所なんでしょ?今でも稼働しているの?」
『確かに老朽化して使い物にならない可能性もあります。しかし、可能性があるのならば私は諦めません!!それにレナさんも地球……いや、勇者の世界には興味があるでしょう?』
「ん、まあっ……あるといえばあるかな」


ホネミンはレナが地球人の転生者である事を知っているため、地球に戻れるかもしれない事を伝えられば必ず手伝ってくれると考えていた。その狙いは的中し、仕方なくレナもホネミンへの恩返しも兼ねて彼女に協力する事にした。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。