不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

文字の大きさ
915 / 2,091
S級冒険者編

セイソウミン

しおりを挟む
『かくかくしかじかほねほね~(事情説明)』
「ぷるるるっ……」
「……言葉、伝わってるのかな?」
「大丈夫、スライムは頭いいから問題ない。スラミンもヒトミンもプルミンも人間の言葉は理解してる」
「可愛いわね……連れて帰れないのかしら」
「シズネ、ああいうのが好きなのか……なんか意外だな」
「う、うるさいわよ!!」


ホネミンはセイソウミンに事情を話し、自分たちに協力するように頼みこむ。手乗りサイズのスライムに全身が光り輝く少女が助力を乞うという奇異な光景にレナ達はそれぞれの感想を告げるが、やがてセイソウミン(仮名)は湖の元へと引き返す。


「ぷるるるっ」
「あ、ちょっと!?湖に逃げちゃうわよ?」
『大丈夫です、仲間を呼んでくるそうですから』
「仲間?」


セイソウミンは湖の中に飛び込むと、しばらく時間が経過した後に6体のセイソウミンが姿を現した。それぞれが同程度の大きさで表情も似ているが、その中でも特につぶらな瞳のスライムがホネミンの元へ向かう。


『ぷるるるっ!!』
「うわっ!?分裂した!?」
「違う、全員が別のスライム」
「か、可愛いわ」
「ぷるるるっ」
「えっと、家族を連れてきたそうです。ちなみにこっちがお兄さんで……」
「いや、見分け付かないんですけど!!」


ホネミンは全員の紹介を行おうとしたがレナ達では見分けがつかず、結局は1人に付き、1匹が協力してくれるらしい。レナの肩の上にセイソウミンの1体が乗り込み、頬ずりを行う。


「ぷるるっ♪」
「おっとと……懐っこい奴だな」
「ぷるるっ」
「はうっ……み、耳は弱いから止めなさい」


セイソウミンに耳を甘噛みされたレナは力が抜けそうになるが、ちゃんという事を聞くのかセイソウミンはすぐに離れる。ちなみにレナの耳が弱いのは母親譲りでもあり、森人族の血が流れる人物は耳が弱い。他の者にもセイソウミンが張り付き、コトミンのスライムは胸に収まり、ダインのスライムは頭の上に乗っかり、ゴンゾウの場合は腕に巻き付き、ミナは腰に張り付き、シズネの場合は左肩、レナは右肩、最後にホネミンの場合は変身ベルトのように巻きつく。


「さあ、スライムさん!!いえ、セイソウミン特戦隊!!私達の身体を守ってください」
『ぷるるるっ』
「うわっ!?」
「ひゃんっ!?」
「きゃっ!?」
「おおっ……変身完了」


ホネミンの合図と共にセイソウミン達は身体を変形させ、レナ達の身体に張り付き、全身を覆いこむ。外見は特に大きな変化はないが、セイソウミンがしっかりと全身に張り付いたのは間違いなく、これならば先ほどの地下施設に挑めるはずだった。

セイソウミンは普通のスライムよりも小さく、定期的に水を与えなければならないがこれでレナ達は理論上は魔力を奪われずに済むため、再度地下施設へと目指す――






――施設に到着して早々、最初に建造物の中に近付く役を決めるためにじゃんけんを行う。今回はセイソウミンの協力があるので大丈夫だとは思われるが、絶対に安全とは言い切れないので誰か一人が先行して確かめる必要があった。


「ううっ……何で僕はこう言うときだけじゃんけんに弱いんだ」
「頑張れダイン!!」
「気を付けろ」
「男を見せなさい」


ダインは怯えた表情を浮かべながらも建造物に接近し、それをレナ達が見守る。先ほどは近づいただけで魔力を吸収されてしまったが、今回はセイソウミンの協力もあるため、ホネミンが魔力を奪われた倒れた地点まで近づいても反応はなかった。


「よ、よし……大丈夫そうだぞ!!魔力を吸収される感覚がない!!」
「そうですか……なら次の実験です!!魔法を使ってください!!」
「実験ってどういう意味だよ!?ああ、もう……分かったよ!!」


ホネミンの指示に対してダインは杖を地面に突き刺し、いつも通りに影魔法を発動させようとした。だが、残念ながら魔法を発動しようとしても外部に放出した魔力が一瞬にして飲み込まれてしまい、闇の聖痕の持ち主であるダインでさえも影魔法が発動できない事が発覚する。


「あれ?シャドウ・バインド……シャドウ・ウィップ!!シャドウマン!!」
「あ~……どうやら魔法は使えなさそうですね」
「でも、身体強化系の魔法は使えるみたいだよ」


ダインの様子を見てホネミンは残念そうに呟くが、レナはダインの元へ移動して試しに肉体を強化する支援魔法を発動させた。こちらは体内の魔力を操作して肉体を強化するので特に外部の影響を受けないのか、いつも通りに身体能力を強化する事が出来た。

どうやら外部に発生させる魔法の類だけが発現できない、というよりは魔力を奪われてかき消されてしまうらしく、試しにレナは物質変換の能力も使おうとしたが、物質を変換させる際にも魔力を使用するのが問題なのか能力を発揮できない。つまり建造物の中では魔法は使えない事だけが判明した。
しおりを挟む
感想 5,096

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。