919 / 2,091
S級冒険者編
仮想空間
しおりを挟む
「やるなホネミン……なら、俺も久々にこれを使うか」
レナは大剣を手放すと両手に意識を集中させ、久々に氷塊の魔法を発動させて「氷の長剣」を作り出す。
「氷装剣!!」
「おおっ、久々に見たなそれ……シャドウ・スリップ!!」
「ギィアッ!?」
氷装剣を作り出す間、ダインは初歩の影魔法を使用してゴブリンの足元を振り払い、時間稼ぎを行う。その間にレナは両手に握りしめた氷装剣に「形状高速変化」を発動させ、刃に振動を加えて敵を切り裂く。
「はああっ!!」
「ギギィッ!?」
「わあっ!?凄いレナ君!!」
「……切れ味は中々ね」
元々手にしていた大剣ではなく、氷の剣を使用した瞬間にレナの剣の切れ味が増した事にミナとシズネは驚き、次々とゴブリンを切り払う。最初に深淵の森でゴブリンを倒していた時の事を思い出しながらもレナは剣を振り抜き、不意にある事に気づく。
(死体がない?どういう事だ?)
先ほどからレナ達は相当数のゴブリンを倒しているはずなのだが、何故かゴブリンの死骸は存在せず、切り捨てた瞬間にゴブリンが光の粒子と化して消えてしまう事を知る。レナはこの状況、それに自分たちの格好を見て何か違和感を感じ取り、ホネミンに振り返った。
「ホネミン、これってもしかして……」
「ええ、私も違和感を抱いていました……恐らくですけど、私達が存在するこの場所は現実世界ではありません!!」
「はあっ!?な、なにを言い出すんだよ急に……」
「現実ではない?なら、私達は幻でも見せられているというの!?」
「似たような物です!!恐らく、ここは仮想空間……今の私達はきっと本物ではなく、アバターです!!」
「あばたぁっ……それってどういう意味!?」
「要は分身みたいな物ですよ。ここは現実世界でないし、私達の肉体も本物ではありません!!」
「何を言っているのか全然分からないんだけど!?」
「ああもう、地球の知識がない人に説明するのは難しいですね!!」
「今は倒す事に集中しよう!!」
ホネミンの説明を受けてもシズネたちには理解できず、実際にレナもホネミンもこの状況を完全に把握しているわけではない。しかし、いくら倒しても死体さえ残さずに消えていくゴブリン、そして現在の自分たちの格好、更には空中に現れた武器、これらを踏まえた上でレナとホネミンの脳裏には「仮想世界」という言葉が思い浮かぶ。
レナが転生する前には既にVRゲームは一般的にも扱われており、精神を完全にゲームの世界に入り込むという技術はまだ到達していなかったが、現在の状況が正にVRゲームを遊んでいた状況と酷似していた。それに先ほどから脳内に聞こえてくる声の事もあり、レナとホネミンはここが現実ではないとい確信した。
「こいつでラスト!!」
「ギャアアッ!?」
『殲滅を確認、第一フェーズを終了します』
最後のゴブリンを倒した瞬間、再び脳内に声が響き渡ると、直後にレナ達の周囲の光景が一変した。先ほどまで草原に存在したはずのレナ達だが、今度は視界が真っ黒に包まれ、自分たちの姿だけが不思議と認識できた。第一フェーズが終了という言葉にレナとホネミンは顔を見合わせ、今現在の状況を話し合う。
「第一フェーズが終了ですか……レナさん、これはもしかすると」
「ああ、多分だけど……」
「お、おい……ここ、何処だよ!?何で真っ暗なのに皆の姿だけはっきりと見えるんだ?」
「変な感じがする……」
「皆、離れては駄目よ……そこの二人も傍に来なさい」
「ぬうっ……」
「な、何か怖いよ……」
レナとホネミン以外の者たちはこの状況についていけずに警戒心を高め、一か所に集まる。その様子を見てレナとホネミンは皆の元へ移動し、現在の自分たちに何が起きているのか推測を交えて説明しようとした。
「皆、聞いてほしい。多分だけど、さっきの奴らみたいにまた新しい敵が出てくると思う」
「は、はあ?なんでそんな事が分かるんだよ?」
「さっきの声は第一フェーズが終了したと言っていたからですよ。第一……という事は、これから「第二フェーズ」が開始されるんではないでしょうかね?」
「だいにふぇーず?ど、どういう意味なの?」
『しばらくお待ちください、第二フェーズへの移行を準備しています』
「うわ、また声が頭の中に響いてきたっ!?」
「……でも、この声少し変……抑揚がない」
「明らかに機械音声ですね……つまり、普通の人間の声ではない」
先ほどから聞こえてくるレナ達の声は機械音声のように感情が感じられなかった。そしてレナとホネミンの嫌な予感は的中し、第一フェーズだけではなく第二フェーズが開始されようとしていた。
『第二フェーズの移行の準備が整いました。これより、戦闘訓練を再開します』
「戦闘訓練!?ど、どういう意味だよ!?」
「喋っている暇はなさそうよ……来るわっ!!」
脳内に聞こえる声にダインは戸惑うが、シズネが剣を握りしめると、強烈な閃光が空間内に走った。そしてレナ達の視界が回復すると、そこには先ほどの草原とは打って変わり、今度は荒れ果てた廃墟の街が映し出された。周囲の風景の変化にレナ達は戸惑う余裕もなく、次の「戦闘訓練」の相手が現れる。
レナは大剣を手放すと両手に意識を集中させ、久々に氷塊の魔法を発動させて「氷の長剣」を作り出す。
「氷装剣!!」
「おおっ、久々に見たなそれ……シャドウ・スリップ!!」
「ギィアッ!?」
氷装剣を作り出す間、ダインは初歩の影魔法を使用してゴブリンの足元を振り払い、時間稼ぎを行う。その間にレナは両手に握りしめた氷装剣に「形状高速変化」を発動させ、刃に振動を加えて敵を切り裂く。
「はああっ!!」
「ギギィッ!?」
「わあっ!?凄いレナ君!!」
「……切れ味は中々ね」
元々手にしていた大剣ではなく、氷の剣を使用した瞬間にレナの剣の切れ味が増した事にミナとシズネは驚き、次々とゴブリンを切り払う。最初に深淵の森でゴブリンを倒していた時の事を思い出しながらもレナは剣を振り抜き、不意にある事に気づく。
(死体がない?どういう事だ?)
先ほどからレナ達は相当数のゴブリンを倒しているはずなのだが、何故かゴブリンの死骸は存在せず、切り捨てた瞬間にゴブリンが光の粒子と化して消えてしまう事を知る。レナはこの状況、それに自分たちの格好を見て何か違和感を感じ取り、ホネミンに振り返った。
「ホネミン、これってもしかして……」
「ええ、私も違和感を抱いていました……恐らくですけど、私達が存在するこの場所は現実世界ではありません!!」
「はあっ!?な、なにを言い出すんだよ急に……」
「現実ではない?なら、私達は幻でも見せられているというの!?」
「似たような物です!!恐らく、ここは仮想空間……今の私達はきっと本物ではなく、アバターです!!」
「あばたぁっ……それってどういう意味!?」
「要は分身みたいな物ですよ。ここは現実世界でないし、私達の肉体も本物ではありません!!」
「何を言っているのか全然分からないんだけど!?」
「ああもう、地球の知識がない人に説明するのは難しいですね!!」
「今は倒す事に集中しよう!!」
ホネミンの説明を受けてもシズネたちには理解できず、実際にレナもホネミンもこの状況を完全に把握しているわけではない。しかし、いくら倒しても死体さえ残さずに消えていくゴブリン、そして現在の自分たちの格好、更には空中に現れた武器、これらを踏まえた上でレナとホネミンの脳裏には「仮想世界」という言葉が思い浮かぶ。
レナが転生する前には既にVRゲームは一般的にも扱われており、精神を完全にゲームの世界に入り込むという技術はまだ到達していなかったが、現在の状況が正にVRゲームを遊んでいた状況と酷似していた。それに先ほどから脳内に聞こえてくる声の事もあり、レナとホネミンはここが現実ではないとい確信した。
「こいつでラスト!!」
「ギャアアッ!?」
『殲滅を確認、第一フェーズを終了します』
最後のゴブリンを倒した瞬間、再び脳内に声が響き渡ると、直後にレナ達の周囲の光景が一変した。先ほどまで草原に存在したはずのレナ達だが、今度は視界が真っ黒に包まれ、自分たちの姿だけが不思議と認識できた。第一フェーズが終了という言葉にレナとホネミンは顔を見合わせ、今現在の状況を話し合う。
「第一フェーズが終了ですか……レナさん、これはもしかすると」
「ああ、多分だけど……」
「お、おい……ここ、何処だよ!?何で真っ暗なのに皆の姿だけはっきりと見えるんだ?」
「変な感じがする……」
「皆、離れては駄目よ……そこの二人も傍に来なさい」
「ぬうっ……」
「な、何か怖いよ……」
レナとホネミン以外の者たちはこの状況についていけずに警戒心を高め、一か所に集まる。その様子を見てレナとホネミンは皆の元へ移動し、現在の自分たちに何が起きているのか推測を交えて説明しようとした。
「皆、聞いてほしい。多分だけど、さっきの奴らみたいにまた新しい敵が出てくると思う」
「は、はあ?なんでそんな事が分かるんだよ?」
「さっきの声は第一フェーズが終了したと言っていたからですよ。第一……という事は、これから「第二フェーズ」が開始されるんではないでしょうかね?」
「だいにふぇーず?ど、どういう意味なの?」
『しばらくお待ちください、第二フェーズへの移行を準備しています』
「うわ、また声が頭の中に響いてきたっ!?」
「……でも、この声少し変……抑揚がない」
「明らかに機械音声ですね……つまり、普通の人間の声ではない」
先ほどから聞こえてくるレナ達の声は機械音声のように感情が感じられなかった。そしてレナとホネミンの嫌な予感は的中し、第一フェーズだけではなく第二フェーズが開始されようとしていた。
『第二フェーズの移行の準備が整いました。これより、戦闘訓練を再開します』
「戦闘訓練!?ど、どういう意味だよ!?」
「喋っている暇はなさそうよ……来るわっ!!」
脳内に聞こえる声にダインは戸惑うが、シズネが剣を握りしめると、強烈な閃光が空間内に走った。そしてレナ達の視界が回復すると、そこには先ほどの草原とは打って変わり、今度は荒れ果てた廃墟の街が映し出された。周囲の風景の変化にレナ達は戸惑う余裕もなく、次の「戦闘訓練」の相手が現れる。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。