不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭編

マリアの訪問

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「……確かにそちらの事情も理解できる、だがこちらも王命として承った以上はどうしてもティナ王女を国王様の元までお連れせねばならん」
「それはそちらの事情です。私達にも都合があります、どうしてもティナを無理やりに連れていくというのであれば……この子の養母として私は守ります」
「お、お義母さん!!」
「ぬうっ……」


ティナを庇うアイラを前にしてクレナイは渋い表情を浮かべ、相手がかつては自分が思いを寄せていたハヅキの娘と意識するとどうしてもやりにくい。だが、既にクレナイは王命として引き受けた以上は引き下がる事はできず、どのようにアイラを説得するかを悩む。

相手が王女とこの国の王母である以上は手荒な真似など出来ず、かといって口下手なクレナイでは二人が納得する説明を考えるなど不可能に等しい。クレナイが困り果てている所、またも新たな訪問客が訪れた。


「相変わらずね、姉さん」
「あら、マリア?どうして貴女がここに……」
「あっ!!マリアさん!?」
「マリア様……」
「マリア殿!!」


クレナイの後方からマリアが現れると、ハンゾウは即座に傍に控え、リンダも頭を下げる。現在の彼女はハヅキ家の当主でもあり、六聖将の同格に近い立場にある。アイラはこの状況でマリアが現れた事に驚くが、丁度良いと思ったアイラはマリアにもクレナイに説得するように頼む。


「マリア、貴女も来てくれて助かったわ。実はこの人がうちの可愛い娘を連れて行くと言い出して……」
「姉さん、悪いのだけれど私もクレナイ将軍と一緒でティナの事を迎えに来たのよ」
「ええっ!?」
「……どういう意味かしら、それは?」


まさかのマリアに発現にティナは驚き、アイラの方も最愛の妹がよりにもよって自分ではなくクレナイに味方したのかと驚くが、彼女はため息を吐きながら順に説明を行う。


「皆、まずは落ち着きなさい。私が最初から説明してあげるわ、クレナイ将軍もそれでいいかしら?」
「ぬうっ……分かった」
「マリア、説明を聞くのは構わないのだけど、その前にいいかしら……そこに倒れている女の子は貴女の知り合い?」


クレナイはマリアの言葉に渋い表情を浮かべながらも頷き、自分が説明するよりもマリアが話してくれた方がアイラも納得しやすいと判断する。一方でアイラも説明を受ける前に先ほどクレナイに倒されて気絶してしまったヨクヒを心配そうに眺める。

マリアはここで倒れているヨクヒに気付いて少し驚いた表情を浮かべ、すぐに隣に立っているハンゾウに視線を向ける。彼女は申し訳なさそうな表情を浮かべてヨクヒの元に駆け寄り、状態を調べた。


「……ヨクヒ殿は気絶しているだけでござる。少し、頭にたんこぶが出来たぐらいで特に怪我らしい怪我はないでござる」
「そう……仕方ないわね、コトミン。貴方の回復魔法で治してあげなさい」
「……報酬は?」
「そうね……今度、レナと一緒にうちのギルドに着なさい。和国から来た料理人にどぜう鍋という鍋料理をご馳走してあげるわ」
「分かった。友達も連れてきていい?」
「ええ、何人でもいいから連れてきなさい」


コトミンはマリアの言葉を聞いて満足そうに頷き、ヨクヒの元に赴いて治療を行う。だが、ここで水筒にない事に気づいた彼女はスラミンを呼び寄せ、ヨクヒの頭にスラミンの体内に蓄積されている水を振りかける。


「スラミン、ちょこっと放水」
「ぷっしゃあっ……」
「ぶはっ!?な、何だっ!?」
「あ、起きたでござる」


水を頭に注がれてた際にヨクヒは目を覚まし、頭のたんこぶをコトミンが治療している事に気付くと、彼女は何が何だか分からない表情を浮かべる。一方でヨクヒが目を覚ました事にアイラは安心すると、改めてマリアと向かい合う。


「マリア、説明して頂戴。どういう了見でヨツバ王国はうちの息子のお嫁さんを連れて行こうというのかしら」
「姉さん、目が怖いわ……どうやら何か勘違いしているようだけど、別に国王はティナを連れ戻そうとしているわけじゃないのよ。ただ、娘に会いたくて呼び寄せようとしただけなの」
「あら?そうなの?」


マリアの言葉にアイラは意外そうな表情を浮かべ、クレナイへと振り返る。一方でクレナイの方は腕を組んで渋い表情を浮かべたまま何も話さず、そんな様子を見てマリアはため息を吐き出す。



――事の発端はヨツバ王国の一行がマリアの転移魔法にて冒険都市に到着し、国王はティナの顔を見たくなったので彼女を呼び寄せるようにクレナイを派遣させた。どうして六聖将の筆頭であるクレナイをわざわざ送り込んだかというと、かつて冒険都市にてヨツバ王国の一行はイレアビトの策略によって拘束されかけた経験をしているため、今回は用心してヨツバ王国最強の戦力であるクレナイを派遣したという。



国王の心配性にはマリアも呆れたそうだが、あくまでもクレナイを派遣したのは別に力ずくでティナをヨツバ王国へ連れ戻すのが理由ではなく、久々に家族で過ごしたいという親心からだとマリアは説明した。





※ホネミン「次は12時に公開ですよ!!」(´ω`)ノ
 カタナヅキ「お、おのれっ!!」
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