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真・闘技祭編
閑話 〈墓参り〉
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――6年前、レナは屋敷に追い出された時に偶然にも発見した洞窟、レナにとっては色々と思い出深い場所であった。元々はウルを育てていたエルフの老婆が暮らしていた森だが、彼女が亡き後はレナが管理している。
定期的にレナはこの場所に訪れ、洞窟の様子を伺っていた。この洞窟こそがレナにとっての初めての自分の家と言っても過言ではない。そして洞窟の近くには赤毛熊と戦った時、命がけでレナとウルを救ってくれたゴブリンの墓も存在した。
「ただいま……戻ってきたよ」
「ウォンッ」
レナとウルは墓の前で膝を付き、苔だらけの墓石に挨拶を行う。まだ二人が森の中で暮らしていた頃、レナは偶然にも仲間からはぐれた子供のゴブリンをオークから助けた事がある。正確に言えばオークの肉を目当てで探していた時、偶然にもオークに襲われるゴブリンを見つけただけで、結果的に助けた形にはなったがそれはあくまでも偶然でしかない。
しかし、命を救われたゴブリンはレナに対して仲間意識を抱いたのか定期的にレナの前に姿を現すようになり、果物や自分が狩った獲物を分けてくれた。それに対してレナの方も余っている食材を渡している内に、いつの間にか友好的な関係を築いていた。
本来は人間に害を為す存在として指定されているゴブリンだが、彼等は知能が高いため、時と場合によっては人間と共生する場合もあるとレナは後に知った。レナにしてみれば初めて出来た「友達」でもある。無論、ウルの方が早く出会ったが彼の場合は家族であって友人ではない。
「お前があの時、俺達を救ってくれたお陰でここまで生き延びれたよ」
「クゥ~ンッ」
ゴブリンが鉱物だった果物をレナは墓石の前に置くと、両手を合わせて感謝する。そに倣ってウルも目を閉じて頭を下げると、レナは立ち上がる。この森に訪れる時は必ずレナはこの場所に戻り、自分の命を救ってくれたゴブリンに会いに来ていた。
実際の所、赤毛熊との戦闘でゴブリンが助けてくれなければレナとウルは命を落としていた。そしてレナが死ねばこのバルトロス王国はイレアビトに乗っ取られ、アイラは何時までも消えた息子の事を思い続け、アリアも死ぬことはないが生涯を暗殺者として生きる事になっただろう。レナに関わった他の者達の多くも今とは違う人生を歩んでいただろう。
レナは墓石を前にして立ち上がり、最初の頃と比べて自分の目線が高くなっている事に気付く。冷静に振り返ればレナはもう自分がバルトロス王国では成人年齢を超えている事をに気づき、肉体の方も十分に大人といえる身体に成長していた。
「また来るよ……その時はもっといっぱいお土産を用意してくるよ」
「ウォンッ!!」
闘技祭の開催前にレナがここへ訪れたのは心を落ち着かせるためであり、自分の原点に戻る事でレナは初心を思い出す。この森に暮らしていた頃は訓練付の日々を過ごし、世間で不遇職と馬鹿にされようと立派な魔術師になれる事を証明するために頑張ってきた。
そして今のレナを知る人間は誰もが彼を不遇職の人間だと馬鹿にすることが出来ず、それどころか多くの人間に見上げられる立場にまで成長した。ここまで成長できたのはレナはゴブリンが命を救ってくれたからだと信じ、同時にこれからも強くなり続ける事を誓う。
「闘技祭か……よし、やってやる!!」
「ウォンッ!!」
決意を新たにしたレナはウルに乗り込み、そのまま森の中を賭けぬく。二人の姿が消え去った後、墓石の前に置かれていた果物は何故か誰かが一口だけ噛みちぎったような跡が残っていた――
※もしかしたら私の作品の中でも一番優しいゴブリンかもしれません……(´;ω;`)
そして明日からは本格的に闘技祭が開始されます!!作中の強者共が勢揃いです!!史上最強最大トーナメントです!!
定期的にレナはこの場所に訪れ、洞窟の様子を伺っていた。この洞窟こそがレナにとっての初めての自分の家と言っても過言ではない。そして洞窟の近くには赤毛熊と戦った時、命がけでレナとウルを救ってくれたゴブリンの墓も存在した。
「ただいま……戻ってきたよ」
「ウォンッ」
レナとウルは墓の前で膝を付き、苔だらけの墓石に挨拶を行う。まだ二人が森の中で暮らしていた頃、レナは偶然にも仲間からはぐれた子供のゴブリンをオークから助けた事がある。正確に言えばオークの肉を目当てで探していた時、偶然にもオークに襲われるゴブリンを見つけただけで、結果的に助けた形にはなったがそれはあくまでも偶然でしかない。
しかし、命を救われたゴブリンはレナに対して仲間意識を抱いたのか定期的にレナの前に姿を現すようになり、果物や自分が狩った獲物を分けてくれた。それに対してレナの方も余っている食材を渡している内に、いつの間にか友好的な関係を築いていた。
本来は人間に害を為す存在として指定されているゴブリンだが、彼等は知能が高いため、時と場合によっては人間と共生する場合もあるとレナは後に知った。レナにしてみれば初めて出来た「友達」でもある。無論、ウルの方が早く出会ったが彼の場合は家族であって友人ではない。
「お前があの時、俺達を救ってくれたお陰でここまで生き延びれたよ」
「クゥ~ンッ」
ゴブリンが鉱物だった果物をレナは墓石の前に置くと、両手を合わせて感謝する。そに倣ってウルも目を閉じて頭を下げると、レナは立ち上がる。この森に訪れる時は必ずレナはこの場所に戻り、自分の命を救ってくれたゴブリンに会いに来ていた。
実際の所、赤毛熊との戦闘でゴブリンが助けてくれなければレナとウルは命を落としていた。そしてレナが死ねばこのバルトロス王国はイレアビトに乗っ取られ、アイラは何時までも消えた息子の事を思い続け、アリアも死ぬことはないが生涯を暗殺者として生きる事になっただろう。レナに関わった他の者達の多くも今とは違う人生を歩んでいただろう。
レナは墓石を前にして立ち上がり、最初の頃と比べて自分の目線が高くなっている事に気付く。冷静に振り返ればレナはもう自分がバルトロス王国では成人年齢を超えている事をに気づき、肉体の方も十分に大人といえる身体に成長していた。
「また来るよ……その時はもっといっぱいお土産を用意してくるよ」
「ウォンッ!!」
闘技祭の開催前にレナがここへ訪れたのは心を落ち着かせるためであり、自分の原点に戻る事でレナは初心を思い出す。この森に暮らしていた頃は訓練付の日々を過ごし、世間で不遇職と馬鹿にされようと立派な魔術師になれる事を証明するために頑張ってきた。
そして今のレナを知る人間は誰もが彼を不遇職の人間だと馬鹿にすることが出来ず、それどころか多くの人間に見上げられる立場にまで成長した。ここまで成長できたのはレナはゴブリンが命を救ってくれたからだと信じ、同時にこれからも強くなり続ける事を誓う。
「闘技祭か……よし、やってやる!!」
「ウォンッ!!」
決意を新たにしたレナはウルに乗り込み、そのまま森の中を賭けぬく。二人の姿が消え去った後、墓石の前に置かれていた果物は何故か誰かが一口だけ噛みちぎったような跡が残っていた――
※もしかしたら私の作品の中でも一番優しいゴブリンかもしれません……(´;ω;`)
そして明日からは本格的に闘技祭が開始されます!!作中の強者共が勢揃いです!!史上最強最大トーナメントです!!
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