不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?

カタナヅキ

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真・闘技祭 予選編

超速度の勝負

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「へへっ……分かるぜ、お前も俺と似た様な力を持ってるんだろ?もしかして昔、雷に打たれた事はあるか?」
「そんな特異な体験はした事ないよ。まあ、小さいころから色々と無茶をやらかした事はあるけどね」
「そっか……なら、俺達は似た者同士かもな」
「どうでもいいけど、一人称が俺になってるよ」
「え?あ、やべ……つい気を抜くと俺と言っちまうんだよな。私、私、わ・た・し……よし、問題ない!!」


レナに指摘されて慌ててハルナは自分の一人称を言い直し、どうして彼女はそこまで自分の一人称を直そうとしているのか不思議に思うが、レナはハルナの動作を見て隙を伺う。

このまま闘技場に向かおうとしてもハルナの妨害を受ける可能性が高く、そもそも純粋な移動速度はハルナの方が圧倒的に上だった。剣鬼の眼力を以てしても彼女の動きを捉えるのが限界であるため、レナは久々に精神を集中させて本気で戦う事を挑む。


(集中しろ、昔のように全身に魔力を流し込むんだ……重力の力で一気に加速する!!)


剣鬼に目覚めたばかりの頃、レナは魔鎧術を完全に習得する前の時点で土属性の魔力を全身に纏い、重力を利用して肉体の速度を強化していた事を思い出す。今ならば剣鬼の力を完全に扱いこなせるようになったレナは任意で魔力を全身に纏い、速度を加速する事が出来るはずだった。


「加速剣撃……旋風!!」
「うおっ!?」


一気に速度を加速させたレナはハルナに迫ると、彼女に向けて退魔刀を振りかざす。先ほどよりもレナの移動速度が上昇した事にハルナは驚き、彼女は咄嗟に空中に飛ぶ事で攻撃を躱す。

空中に移動したハルナを確認してレナは笑みを浮かべ、空に飛んだ彼女は高速移動する事は出来ないと判断して反対に掴んでいた鏡刀を振り抜こうとした。しかし、それに対してハルナは空中で新体操選手のように身体を回転させると、右足に電流を迸らせながらもレナに踵落としを食らわせる。


「このぉっ!!」
「うわっ!?」


空中から振り下ろされた踵落としに対してレナは咄嗟に腕で受け止めると、互いに身体に纏った魔力が衝突してお互いに弾かれてしまう。本来ならばレナの身体は感電してもおかしくはなかったが、土属性の魔力は雷属性の魔力を弾き返すのを確認してレナはある事に気付く。


(もしかして土属性は雷属性と相性がいいのか?)


魔法の属性には相性が存在し、例えば火属性は風属性の力を取り込む性質を持ち合わせ、一方で闇属性と聖属性は互いに相容れない。そして土属性の場合は雷属性の魔力を弾く性質を持ち合わせているらしく、ハルナの電撃をも無効化する事が判明した。

思いもよらぬ形でハルナの雷属性の魔力に反発する力に気付いたレナだったが、一方でハルナの方は地面に降り立つと今度は自分の方から仕掛けるつもりらしく、彼女はクラウチングスタートのような構えを取ると、正面からレナに突っ込む。


「これなら、どうだぁっ!!」
「うおっ!?」


正面から馬鹿正直に突進してきたハルナに対してレナは退魔刀の刃で受け止めようとしたが、彼女の突進の勢いがあまりにも強すぎて退魔刀は弾かれ、鏡刀も衝突の際の衝撃で手放してしまう。そのままハルナに押し倒される形となったレナは苦痛の表情を浮かべ、一方でハルナは両腕に電流を迸らせてレナに叩き込もうとした。


「はあああっ!!」
「くっ……風刃!!」


咄嗟にレナはハルナが拳を振り下ろす前に両手を伸ばすと、合成魔術を発動させてハルナの身体を吹き飛ばそうとした。だが、魔法が衝突する直前にハルナは全身に雷属性の魔力で作り上げた「魔鎧術」によって魔法を防ぐ。


「へへ、無駄無駄……私に魔法は効かないんだよ!!」
「なっ!?」
「これで、終わりだぁっ!!」


魔鎧術で至近距離から放たれた合成魔術を防いだハルナは両拳をレナに叩きつけようとしたが、それに対してレナは反射的に両手を突き出し、意識を集中させて自分も魔鎧術を発動させる。レナの両手に「蒼炎」が誕生し、掌を包み込む。

ハルナが振り下ろした拳が蒼炎を纏ったレナの掌に衝突した瞬間、雷属性の魔力と火属性と水属性を組み合わせた魔力が交わり、周囲に電流が拡散した。ハルナは得体の知れぬ魔法を使うレナに驚き、一方でレナは修行の成果を発揮するために意識を集中させる。



「――凍り付け!!」
「っ……!?」



レナの掌に纏った魔力がハルナの拳を包み込んだ瞬間、彼女の両手は急速に冷やされ、やがて凍結化した。ハルナは自分の手が凍り付く光景を見て目を見開き、本能的に危険を察してレナから慌てて退いて距離を取るが、彼女の両手は完全に凍り付いてしまう。


「ぎゃああっ!?お、俺の手がぁっ……!?」
「また俺に戻ってるぞ……いててっ」
「お、お前……俺の手に何したんだ!?」


涙目になりながらもハルナは自分の両手に視線を向け、その変わり様に悲痛な表情を浮かべる。どうにか氷を溶かそうとするが、電流を発生させようとしても上手くいかず、それを見たレナが説明を行う。
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